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ウズベキスタン:市民虐殺?

Cas904

ウズベキスタンといえば、タシケントを首都とする中央アジアの5カ国の中でも最も人口の多い国ですが1991年の独立以前からの独裁国家です。9月11日のテロ攻撃以降は米国、英国に空軍基地の使用を認めたりして、ロシアだけではなく西洋諸国にとっても都合の良い同盟国として援助を受けてきました(2002年には米国が2億2000万ドルの援助を行い、2003年には欧州復興開発銀行でさえ年次総会をタシケントで開いています)。
都合が良いので、少しくらいの人権抑圧も無視しようということだったのでしょうが、さすがに今月のアンディジャンでの反政府抗議活動に対する軍隊の実力行使で、一気に視線が厳しくなっています。5月19日付Economistの記事から

Hundreds of people appear to have died: witnesses say that soldiers were still shooting at the wounded three hours after the first shots were fired. This was probably the worst atrocity conducted by a government against protesters since Tiananmen Square in 1989.

数百の人々が死んだとみられる。最初の射撃から3時間たった後も兵士は負傷者に対し依然として発砲を行っていたと目撃者は語っている。これはおそらく抗議者に対して政府が行った残虐行為としては1989年の天安門広場以来で最悪のものである。

天安門との比較は、要するに「最大級に悪い」ということです・・・

Even on the most self-interested calculus, the reality is that Mr Karimov is an ally the West is better off without. ・・・He should now be made a pariah, his regime stripped of all forms of aid, and all military assistance withdrawn. When he is overthrown, as sooner or later he will be, whoever succeeds him will have little reason to love the West. But encouraging regime change would be a way to start providing one.

たとえ(西洋諸国にとってウズベキスタンは都合の良い同盟者であるという)最も自己本位的な計算を行ったとしても、現実はカリモフ氏(ウズベキスタンの独裁者)は西洋にとって持たない方が良い同盟者である。・・(中略)・・今や彼は世界からつまはじきにされるべきであり、彼の体制はすべての形態の援助をはぎ取られるべきであり、すべての軍事的援助は廃止されるべきである。彼が倒されても - いずれはそうなるであろうが - 彼の跡を継ぐ誰にとっても(カリモフ氏を援助してきた)西洋諸国を愛する理由など少しもない。しかし、体制の打倒を助けることは、その理由を作る最初の方法になるだろう。

これはまれに見る相当激しい非難ですが、どうも国内ではあまり報道されていないのはなぜなんでしょう・・・(日本が巨額のODAやってるからかしらん)? まぁ、メディアが怒ったところで、今のところ米国は一応非難はしているものの明らかに気乗り薄という感じですし、ロシアはさっそくウズベキスタン当局の「イスラム過激派との戦い」を支持する声明を出し、中国は最近の報道でも分かるようにカリモフ氏を赤絨毯で大歓迎しています。これじゃつまはじきどころか・・・

日中会談中止の理由は口蹄疫?

「緊急の公務」で呉儀副首相が小泉首相との会談を中止してからけっこう騒ぎになってましたが、一応やっぱり「靖国問題が原因」ということになったみたいですね・・・しかし・・・
24日のヘラルド・トリビューンでもこの話題が取り上げられています

The most visible irritant is Koizumi’s determination to make yearly visits to Yasukuni Shrine, a sanctuary near the Imperial Palace that honors the roughly 2.5 million Japanese who died in wars over the past 150 years.

もっとも目立つ刺激は靖国神社への毎年の参拝を行うという小泉の決意である。靖国神社は皇居近くの聖域であり、過去150年間に戦争で死んだ約250万人の日本人を祭っている。

と、一応書いており、中国外務省の孔泉報道局長の「靖国が原因」としたブリーフィングも紹介していますが、記事の後半で「隠れた原因」があるのではないかと書いています。

Other than the possibility that Wu’s unexpected return from Tokyo was related to an outbreak of foot-and-mouth disease in China, observers in Beijing could see no other compelling reason for her surprise decision to leave Tokyo just before a meeting with Koizumi, The International Herald Tribune reported from Beijing.

呉副首相の東京からの予期されなかった帰国は、中国における口蹄疫の発生に関連するものであるという可能性以外には、北京の観測筋にとって、小泉首相との会談直前に東京を発つという彼女の意外な決断を説明できるだけの理由は見当たらない、とインターナショナル・ヘラルド・トリビューンは北京から報告している。

同紙の記事によると呉副首相は貿易の他に保健関連の職責を持っており、SARSの発生の際にも現状を隠蔽した北京の市長などを解任し力を発揮したそうです。IHTは今回も呉副首相の帰国は伝染病の発生と関連があるのではないかと憶測しています。

The lack of information about the outbreak near the capital raised questions on whether officials had again been hiding information.

首都近辺での(伝染病)発生に関する情報の欠如により、当局が再び情報を隠蔽しているのではないかとの疑念が生じている。

真相は闇の中ですが、十分可能性のある話でもあります。外務省・政府はここらへんの情報は当然収集しているとは思いますが・・ついでに中国での口蹄疫に関連するニュースは例えばここで見れます。 この報道ではかなり危険な状態であるように書いていますが、どうなんでしょうか??

米国空母を沈めれば中国の勝ち??

American Prospectに、米国の現在の台湾よりの政策は結局高価につくのではないかという文章がのっていました。以下は、その文章の本筋にはあまり関係ないのですが、ちょっと気になるところがあったので、のせてみました。

Clearly, the X factor for China is potential U.S. intervention. But China’s strategists think they may have the key to overcoming the United States: sinking a U.S. aircraft carrier.

明らかに、(台湾侵攻に際しての)中国にとっての未知要因は米国の介入である。しかし中国の戦略家は米国に打ち克つ決め手をもっているかもしれないと考えている。その決め手とは米国の空母を撃沈することである。

おそろしい話ですが、中国海軍は高性能なソブレメンヌイ級駆逐艦に超音速のサンバーン艦対艦ミサイルを配備しており、攻撃能力だけは保有していることは確かです。

Chinese Major General Huang Bin explained the reasoning: “Once we decide to use force against Taiwan, we definitely will consider an intervention by the United States. The United States likes vain glory; if one of its aircraft carriers should be attacked and destroyed, people in the United States would begin to complain and quarrel loudly, and the U.S. president would find the going harder and harder.”

中国の少将であるHuang Bin(漢字が分かりませんでした・・・どなたかご存知でしょうか?)がその理由を説明している。「我々が台湾に対する武力行使を決定した場合、米国による介入を確実に考慮することになる。米国は空虚な栄光を好む。もし米国の空母の一隻が攻撃され破壊されれば、米国人は声高な批判と口論を始めるだろう。そして米国大統領にとって状況は困難なものになっていくだろう」

どこかの国の軍部が60年程前に展開していた議論を思わせておそろしいものがありますね。当時のどこかの国の軍部も初戦で米軍に痛撃を加えれば米国人はばらばらになって戦意を無くすなんて言ってたような・・・せっかくお隣が痛い失敗をしているのですから、少しは歴史を学んでほしいという気もいたします。
ところで、この文章自体の全体のトーンは保守派メディアには珍しく、現在の親台湾政策が(空母を含め)極めて高くつく可能性があるため、全体のアジア政策の再考が必要であるというものです。

ブレア不人気の理由?

20050507Issuecov

英国では、労働党の勝利によりブレアが3期連続で首相を務めることになりましたが、これはサッチャー以来の事です。最近はどうも人気低落が激しいですが、それを上回る野党の不人気に助けられたともいえます。
日本ではイラク戦をブレア首相不人気の理由にしている報道が多いようですが、もちろんイラク戦も大きなきっかけになったとはいえ、ブレア首相の人気低落にはもっと本質的な理由があります。
Economistは最近の特集記事の最後を以下のように締めくくっています。

Britain is disappointed with Mr Blair and New Labour simply because it is tired of the party’s remorseless, pathological, high-pressure salesmanship. Circumstances surrounding the party’s rebirth decreed it had to be that way.

英国人がブレア氏と新たな労働党に失望したのは、単に彼らが労働党の情け容赦のない、病的なまでの(政策の)押し売りぶりに嫌気がさしたからである。労働党の再生をとりまく状況から、労働党はそうせざるを得なかったのであるが。

労働党の再生とは1997年に保守党から政権を奪取する前の数年間に、当時の新リーダーであったブレアが完全に機能不全に陥っていた労働党を政権を取れる党にまで立て直した事を指しています。
労働党が政権党としてやっていくためには、保守党の政策をある程度継承する必要がありました。そうすると必然的に反保守党の旧労働党支持層の離反を招くため、保守党から継承した必ずしも革新的ではない政策も「極めて革新的」な政策であるかのように激しい宣伝を行わねばなかったわけです。この結果として生じた「実質」と「宣伝」の大きい乖離はその後もずっと労働党政権の特徴であったわけですが、それがブレア首相の人気低迷の理由であるとEconomist紙はしています。
ただ、Economist紙は「実質」と「宣伝」の乖離は労働党が政権党となるために必要なことであったとし、またその「実質」自体も「宣伝」とは全く異なっていたとしてもそれほど悪いものではなかったとして、その乖離自体にはそれほど批判的ではありません。ここらへんが「政策本位」の批評が多い英国の出版物らしいところとも言えますが(タブロイド紙はそんなことないですが)・・・

And it need not subtract much, if anything, from history’s verdict on Mr Blair. If he has succeeded, after all, in consolidating centrist politics within the Labour Party, and hence in the country, that will be something to be proud of. Has he? In all likelihood, yes—though it will take a full term of Labour in power under a different leader to be sure.

そして、その事自体はブレア氏に対する歴史の評価を貶めるものではない。結局のところ、もしブレア氏が労働党の中で、ひいては英国の中で、中道的な政策を確固たるものにするのに成功したのであれば、これは誇りとするに十分なことである。彼は成功したのだろうか?その答えはほとんど確実にイエスである。ただし、それを確信を持って言うには、ブレア氏以外のリーダーに率いられた労働党政権による4年間(1期)を見てみる必要があるが。

ブレア首相はおそらく今度の任期4年間の途中で退くことになると思いますが(次の選挙を違うリーダーで戦うため)、次の労働党リーダーはゴードン・ブラウン氏がほぼ確実視されています。ゴードン・ブラウンはどちらかというとブレア首相よりも旧来の労働党支持層に近いと言えますが、ブレア首相並みに右と左の間の矛盾を器用に取り扱えるかどうかは疑問です。それが記事の最後のセンテンスに表れていますね。
ところで岡田さんも小泉首相のパフォーマンスを批判しているようでは政権は遠いのではないでしょうか?ブレア並みの「パフォーマー」でないと野党が政権党に生まれ変わるのは難しいと思いますが・・・

マードック氏、主流メディアの危機を訴える

ニッポン放送の買収騒ぎの際によくメディアが書いたり言ったりしていた中に、インターネットとジャーナリズムの話がありました。基本的にはブログのようなメディアはジャーナリズムではないというような論調が目立っていたと思います。
英国や米国でも同じような論調もみますが、さすがに批判・分析精神に富んでいる連中が多いだけに、主流メディアの中でも全く違った主張も目立ちます。その中でも主流中の主流のメディア王マードックが米国新聞編集者協会(American Society of Newspaper Editors)で行ったスピーチは注目を集めました。

What is happening is, in short, a revolution in the way young people are accessing news. They don’t want to rely on the morning paper for their up-to-date information. They don’t want to rely on a god-like figure from above to tell them what’s important. And to carry the religion analogy a bit further, they certainly don’t want news presented as gospel.

They want control over their media, instead of being controlled by it.

簡単にいえば、若い人々がニュースを得る方法に革命が起こっているのです。彼らは最新の情報を得るのに、朝刊に頼りたいとは思っていません。彼らの上にいる神のような人物から何が重要なのかを告げられることも望んでいません。この宗教的な例えを使うと、彼らはニュースが神の教えのように伝えられることも全く望んでいません。

彼らはメディアに支配されるのではなく、自分自身のメディアを支配することを望んでいるのです。

They want to question, to probe, to offer a different angle. Think about how blogs and message boards revealed that Kryptonite bicycle locks were vulnerable to a Bic pen. Or the Swiftboat incident. Or the swift departure of Dan Rather from CBS. One commentator, Jeff Jarvis, puts it this way: give the people control of media, they will use it. Don’t give people control of media, and you will lose them.

In the face of this revolution, however, we’ve been slow to react. We’ve sat by and watched while our newspapers have gradually lost circulation.

彼らは質問を発し、調査し、異なった視点を提供することを望んでいます。ブログとメッセージ・ボードが、クリプトナイトの自転車錠がビック・ペン(ボールペン)に弱いということをどうやって暴いたか考えてみて下さい。またはスイフトボート事件(大統領選に際して、ジョン・ケリーのベトナム戦での戦歴が問題になった事件)、CBSのダン・ラザーの引退(ブッシュに対する報道が捏造だったことをブログに暴かれた)を考えてみてください。コメンテーターのジェフ・デービスはこのように言っています。「人々にメディアの支配権を与えれば、彼らはそれを用いるだろう。人々にメディアの支配権を与えてはいけない。そんなことをすればあなた(既存のメディア)が支配権を失うだろう」

しかし、私たちはこの革命に直面しながら、対応に遅れをとっています。私たちは新聞が発行部数を徐々に失っているにもかかわらず、(この革命を)傍観してきたのです。

新聞の発行部数の減少に危機を抱くニュース・コープのボス、マードック氏の切迫感が伝わってきます。他にも英国のエコノミスト(こちらもメインストリーム中のメインストリームですが)がジャーナリズムにおいてインターネットやブログの果たす役割について書いていますが、これもなかなか良い記事です