「聖火リレーなんかやめちまえ」と英誌

日本でも善光寺が聖火リレーの出発点を辞退して話題になっているようですが、先週のEconomist誌は「聖火リレーなんかやめちまえ」と題した記事を載せていました。

An exercise intended to flaunt the new, outward-looking and confident China has displayed its dark side: nervous, repressive, prickly and stubborn. That stubbornness may rule out the obvious remedy: calling the whole farce off before someone is badly hurt.

新しい、外向きで、自信に満ちた中国を誇示するための行事は、神経質、抑圧的で怒りっぽく、頑固という中国の暗い面を示すことになった。この頑固さにより、誰かがひどい傷を負う前に、この茶番劇全体を止めるという明白な解決策も無理なことかもしれない。

To accuse China’s critics of “politicising” a sporting event is nonsense. What has the relay to do with sport? It is not some timeworn practice integral to the games. Rather, the idea of a relay from Greece to the Olympic venue was revived by the Nazis for the 1936 Berlin Olympics, which is hardly a precedent China wants to advertise.

中国に対する批判者に対して、スポーツ・イベントを「政治利用」していると攻撃するのもナンセンスである。聖火リレーとスポーツには何の関係もない。聖火リレーはオリンピックに必要な古来からの行事ではない。それどころか、ギリシャからオリンピック会場まで聖火をリレーするというアイデアは、1936年のベルリン・オリンピックのためにナチが復活させたものである。これは中国が宣伝に使うことを望むような前例ではあるまい。

ベルリンのことは迂闊にして知りませんでした。まぁ、確かに「しなくてはならいもの」とは言えないような気もしますが、そうはいかないんでしょうねぇ。事故が起こらないことを願いますが・・・

国境なき記者団が福田首相にミャンマー制裁を要求

福田首相はミャンマーへの制裁に慎重な姿勢を示していますが、国境なき記者団およびビルマ・メディア協会が福田首相にミャンマー制裁を求める声明を出しています。

国境なき記者団、929

Setting aside their emotion on seeing a courageous journalist, Japanese photographer and video reporter Kenji Nagai, gunned down on the streets of Rangoon, Reporters Without Borders and the Burma Media Association today called on Japan’s new prime minister, Yasuo Fukuda, to impose sanctions on the Burmese military regime until those responsible for his murder are brought to trial.

国境なき記者団およびビルマ・メディア協会は、勇気あるジャーナリストである、日本の写真およびビデオ記者の長井健司氏がラングーンの路上で射殺された情景に対する感情を抑えて、今日、日本の新首相である福田康夫氏に対して、同氏の殺人に責任を負う者が裁判にかけられるまでビルマ軍政に制裁を課すことを要求する。

ジャーナリストの団体としては当然の要求ですが、日本の報道機関はなぜ声を上げないのでしょうか。大手報道機関の社員ではないからでしょうか?(新聞労連がミャンマーの軍政への非難声明を出しているようですが)

“How could your government agree to support and financially aid a regime that murders a Japanese citizen with complete impunity?” the two organisations asked. “We call on you to freeze your aid and impose sanctions on the military regime in order to obtain a proper investigation and the trial of those responsible, including the officers who gave the orders to fire on civilians and on Nagai. If this is not done, the security forces will continue to crack down on monks and civilians.”

「貴下の政府が、日本市民を殺害した体制に対してなんらの責任を問うことも無く、支援と財政的な援助を行うことに合意するということがなぜ起こりえるのでしょうか?」とこの2団体は質問している。「私たちは貴下に、市民および長井氏に対して発砲を命じた高官を含め、この責任を負う者に対する適正な捜査と公判が行われるように、軍政に対する援助を凍結し制裁を課すことを要求します。もし、これが為されないのであれば、治安部隊は僧侶および市民に対して引き続き弾圧を行うでしょう」

日本政府が誠意を持って対応することを望みますが、どうなんでしょうか?

混迷深めるミャンマー

ミャンマーでのデモに対する強硬な取り締まりでとうとう死者が出たようですが・・・

27日付Telegraph.co.uk

By the end of the day, two monks and a civilian were reported to have been killed and dozens injured by soldiers and armed police wielding batons and rifles.One of the monks was beaten to death with rifle butts, witnesses said. The true death toll may be much higher.

Western leaders called for tough new sanctions on the regime to stop the bloodshed but with Burma’s allies Russia and China able to veto any resolution by the United Nations Security Council, the chances of immediate action appear slim.

この一日で、2人の僧侶および1人の市民が、兵士や警棒とライフルを振るう武装警官により殺害され、数10人が負傷したと伝えられている。僧侶の1人はライフルの銃床で撲殺されたと目撃者は語っている。実際の死者はこれよりもはるかに多い可能性がある。

西側諸国の指導者は、流血を止めるために新たに厳しい制裁を求めているが、ミャンマーの同盟国であるロシアおよび中国が国連安保理のいかなる決議にも拒否権を発動できるため、緊急の措置がとられる可能性は低い。

大昔にミャンマーで散々悪行を尽くした英国あたりが、ミャンマーの民主化などと言ってるのはシラけるところも無くはないのですが、これは極めてマズい状況であることは確かです。ところで米国や英国では軍事政権が1989年に行ったミャンマーへの「改名」を認めていないので今でも記事などでは「Burma(ビルマ)」となっています。

また、こういう場合における国連の機能不全も極まっているという感じもします。日本の民主党あたりも「国連のオーソライズ」というロジックに頼るのはそろそろ止めた方が良いのではないでしょうか?

29日追記;最大級の援助国の1つである日本の首相は、自国の民間人が殺されても「いきなり制裁すれば良いというものではない」だそうなんですが少し理解に苦しみます。「結果として、ミャンマーが中国にだけ傾斜していく姿が本当にいいのか」(町村官房長官)だそうですが、中国と一緒になって軍政を支える姿が良いのでしょうか?

安倍首相退陣

安倍さんの「やーめた」は色んなとこで取り上げられましたが、どこでも似たようなハナシが多く、あまり面白い記事はなかった様な気がしますが、「サマリー」として一番簡潔だったFTのLexの記事から一節を紹介・・・

FT LEX 9/12

Unlike his flamboyant predecessor Junichiro Koizumi, Mr Abe barely changed the Japan he inherited. His economic policy turned out to be a blank book and the lack of big-scale restructuring plans made for a dull backdrop for investors. The stock market closed on Wednesday only a tad higher than it was when Mr Abe was inaugurated last September.

華々しい前任者の小泉純一郎とは異なり、安倍氏は同氏が引き継いだ日本をほとんど変えることがなかった。安倍氏の経済政策は空っぽであることが判明し、大きいリストラクチャリングの計画の欠如は投資家にとっては暗い背景となった。水曜日の株式市場は、安倍氏が昨年9月に就任した時点をわずかに上回っただけで引けた。

「何か変えたか」というのは、リーダーの業績で重要な点ですが、中国・韓国との関係を表面的に取り繕った以外には目立ったものは無いような気がいたします。超右派の首相としては皮肉なことです。

LEXは、現時点においては、日本の政治が、投資家が日本にとどまるべきではないというもう1つの理由になっていると論評しています。

柏崎刈羽:IAEAの調査完了・・・

中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発に対するIAEA(国際原子力機関)の調査が終わったようです。日本の新聞では「全く問題ない」というようなことしか報道されていないようなのですが・・・

BBC 8月10

Mr Jamet told reporters that further tests were needed to assess the full extent of the damage to the Kashiwazaki-Kariwa power station. “This is one of the tasks in the following months, year, I don’t know, to be carried out if this plant is to be restarted,” he said, following the six-member IAEA team’s inspection of the site.

ジャメ氏はレポーターに対して柏崎刈羽発電所の被害の全容を評価するには、さらにテストが必要であると述べた。同氏は「発電所を再開するのであれば、このテストが今後数カ月になるか、何年になるかは分からないが、行われるべき作業の1つだ」と6人のIAEA のチームによる施設の調査の終了後に述べた。

BBCだけではなく、全般的に「IAEA、原発の再開に対して慎重を求める」という見出しが目立ちます。いくらなんでも「スシも食ったし安全」というだけではちょっと報道の怠慢なんでは?

Bloomberg 810

Tokyo Electric Power Co. needs to exercise caution before deciding to restart the world’s biggest nuclear power plant that was shut after a July 16 earthquake led to radioactive leaks, an international agency said. “It’s not something you can do very fast,” Philippe Jamet, director of the International Atomic Energy Agency’s safety division, told reporters in Tokyo.

東京電力は7月16日の地震により放射能漏れを起こした世界最大の原発の再開を決定するには慎重を期す必要があると、国際原子力機関は述べた。「それは、それほど早く決定できることではない」と国際原子力機関の安全部門ディレクターであるフィリップ・ジャメ氏は述べた。

事故後の報道が少ないのも気がかりです。少なくともスペック以上の力が加わっている場合には塑性変形が起こっている可能性が十分にあるわけですし、設計基準も不十分であることが判明した訳ですから炉の再開は少し難しいのではないでしょうか。私は原発反対ではないですが、国にせよ、東電にせよ最低限の透明性も保てないのであれば、それはまた別のハナシになります。