2009/4/30 木曜日

よもやま:豚インフルエンザ

ここ数日、豚インフルエンザが話題に上がることが多くなってきました。

火曜日にはタイムズ・スクエアのアーンスト・アンド・ヤングさんの本社ビルのスタッフが豚インフルエンザだったと判明しフロアの一部が閉鎖されたと、同社の広報担当からのコメント入りで報じられていましたが、数時間後には同じ広報担当がそれを撤回するなど、この手の情報の乱れは今後多くなりそうな気がします。

今の時点で少し気になった点をいくつか。

CDC:米国の疾病管理予防センター(CDC)は早期から積極的に動いており、すでにタミフルとリレンザの備蓄の4分の1を放出したようです。

CDCはメキシコでの騒ぎが大きくなる以前の4月13日時点で新型インフルエンザの発生を把握していたようです。4月21日の週刊疾病率死亡率報告(MMWR)では4月13日と17日に報告された豚インフルエンザ2例について書かれていますが、MMWRでこれほど早い時点の情報が出されるのはかなり異例だということで、公衆衛生の専門家は「一体なにが起こっているのか」と注目していたようです。

1918年?:破滅的な流行だった1918年の時は、今回の豚インフルエンザと同じ「H1N1」型だったそうです。1918年以降の1957年頃までは(マイルドな)H1N1が季節的流行の主流だったそうで、1957年以前に生まれた人にはひょっとすると(交差反応により)少しは耐性があるかもという??なウワサもあります(よしんば交差反応があったとしても、フルの免疫がそんなに長く持つのか?という真っ当な疑問はありますが)。

いずれにせよ、今回のウィルスは「新型」(おそらくほとんどの人間に免疫がないという意味で)で、症状的にはフツーの季節的流行と似ていて、しかし免疫がないゆえに大々的に流行する潜在性があるとしか今の段階では言えないようです。致命率や流行曲線を判断するには、まだデータがあまりにも限られているとのことです。

インフルエンザはかなり季節的な病気で、これから夏になるため、季節的にラッキーだったという人もいます。しかし、1918年の流行に関する研究では、ニューヨークで春先に一度軽い流行があった後、夏の間には息を潜めていたものの、8月にドカンと再来し破滅的な被害をもたらしたという研究もあるので、その点ではあまり安心できません。

市場:市場は今のところまったく気にしていないようですが、慎重な連中は少し警戒しています。ここでラッキーだったのは、昨年以来の大混乱で、慎重な方々はすでにかなりディフェンシブなスタンスにあるということです(ここ少しの間は大分緩んできていますが)。

かなり以前に、鳥インフルエンザの市場に対する影響に関する投資家へのガイドについて書いたことがありますが、基本的には他の危機への対処と大して変わらないと思います。まぁ、マスク屋さんが儲かるに違いないとか騒いでいる人もちらほらいますが。

2009/4/4 土曜日

風に吹かれて・・・

1月の中旬くらいから「25時間働けますか」というくらいの超モーレツな忙しさでひたすら働いておりましたが、はっと気がつくと第1四半期が終わっていて、世の中も相当変わっておりまして何となくタイムスリップしたような気がします。

変わった点でやはり最も大きいのが、米政府・金融当局がまき散らす巨額のおカネにたかる連中の多さです。政治家やお役人が食べ散らかして道に落としていく食べカスにみんな集まっているようで少し気色悪いです。

どこを見ても、政府が買ったある金融機関の優先株式のリターンと普通の債券のリターンの格差がどうだとか、スマートグリッドがどうだとか、ソーラーがどうだとか、エネルギー省長官の取り巻きがどこにいくら出すと言ったとか言わなかったとかってな話ばっかりです。

例えば、私は二酸化炭素排出の抑制・削減には賛成ですが、現在排出を1トン削減するのにせいぜい15-20ドルというところに、60ドルもかけるテクノロジーや会社に投資しろと言われても???という感じです。オバマ政権が永遠に続いて、米政府が無限に借金できるなら話は別ですが・・・まぁ、皆さんサブプライム関係のモンキー・ビジネスに突撃したのと同じ勢いで、政府のまき散らす税金に突撃しているだけなんでしょうが。

ガイトナーの「ピーピップ(PPIP)」も、皆さんの格好の草刈り場になるような気がします。自分のところの問題資産を(第三者を使って)政府の援助付きで買い取ってもらおうという不埒者も出てくるんじゃないでしょうか。

こういう風潮に関しては、ピムコのビル・グロース御大が1月の時点ですでに面白いことを言っておりました。対談かインタビューだったか忘れましたが、ピムコが(財政悪化でリスクが高まっていた)地方債への投資を増やすとかという話に関して、御大曰く

「どうせ連邦政府は最終的にはシュワルツネッガー(のカリフォルニア州)を助けると思うんだよね。まぁ、連邦政府による救済には理念的には賛成しかねるんだけどねぇ、、、、でもね、ボブ・ディランも言ってるだろ。風がどっちに吹いてるかってことを知るのは大事なんだよねぇ」

いや、おっしゃる通りで。しかし、グロース御大と違って「理念(Philosophy)」なんていう言葉がもともと辞書にない人がほとんどなので、皆さん「風に吹かれて」どこまで行くことやら・・・