2008/3/30 日曜日

血まみれ第1四半期:いろんな人達

第1四半期は大嵐になりましたが、金融、投資業界では嵐を生き残った人、沈没した人、相変わらずエゲツナイ人など、実力と運がシビアに試された期間でした。ここ3カ月は地獄のように忙しかったのであまり書けませんでしたが、最近数カ月でちょっと興味を引かれた(名経営者と言われていた/まだ言われている)人達のおハナシを一発。

1. やっぱりエグイで賞:ウォーレン・バフェットさん(バークシャー・ハザウェイ)

人の弱みに付け込んで「お前達の一番おいしい商売を買ってやるから、心安らかにお陀仏しろ」というのはフツー「救済」とは言わないもんですが、売ってくれないとなると、今度は自ら乗り込んで弱体化した連中の商売の奪取に動くあたり、年をとっても強烈にシビアなお方です。外が嵐だろうが、宇宙戦争だろうが、バークシャーの株を持ってる人は毎晩ぐっすり眠れることでしょう。

2. 明暗を分けたで賞:リチャード・コバセビッチさん(ウェルズ)とアンジェロ・モジロさん(カントリーワイド)

去年の米国のモーゲージ・ビジネスでは、オリジネーターとして1位だったのがウェルズ・ファーゴで2位でカントリーワイド・フィナンシャル、サービサーとしては1位がカントリーワイドで2位がウェルズでした。

しかし、結局カントリーワイドはボロボロになってバンカメに1株7.7ドルで救済買収され(1年前は45ドルくらいでしたが)、ウェルズはホーム・エクイティ・ローンで傷を負ったものの相変わらず結構な利益を出しており、コバセビッチさんも後任に無事席を譲って会長に収まるなど、名経営者と謳われた2人は対照的な結末となったようです。ただモジロさんは4000万ドル近い退職金や手当を断ったようで、一代で築いた会社の末路に対する無念さが少し見えるような気がしました。

あと、(今まで)無傷なところでは、ブラックロックのラリー・フィンクさんも、最近色々買った資産を合わせて1.3兆ドルでほとんど無傷というのは大したものではないでしょうか。一方でリーマンのリチャード・ファルドさんは色々煙が立っていますが大丈夫でしょうか?

おまけ: ベアーのとばっちりで賞:ジム・クレイマーさん

いや・・・。相変わらず面白い人ですが、この「ベアー・スターンズは絶対大丈夫。ベアーには問題なんで全然ない。ベアーの株を今売るのはアホだ」というのは・・・ちなみに3月11日放映です・・・

2008/3/25 火曜日

米国予備選:民主党に流れるウォール街のお金:金欠マケイン

相変わらず地獄の忙しさで、おまけに予備選のチェックなどしてると何も書くヒマがないのですが、前回に続いて予備選に関してちょっと。今回の予備選は、史上まれに見る額を各候補が集めて使いまくっていますが、お金では相変わらずパッとしないのがマケインお爺さんです。で、米国の金融界の連中の寄付がどうなっているかをさっとチェックしてみました(出所はCenter for Responsive Politics)。

もともとウォール街の連中は共和党支持が強いのですが、今回の共和党候補は金融界に割と(かなり)冷淡なマケインということで、寄付にもそれがストレートに出ています。今のところヒラリー・クリントンとバラク・オバマの民主党両候補が証券/投資業界の連中から仲良くそれぞれ約600万ドルずつもらっているようですが、それに対してマケインは250万ドル程度とウォール街の冷たさが表れています。

世論調査では、民主党両候補とマケインは概ね互角というところなので、これは「勝ち馬に乗る」とかそういうものではなく、基本的に言うことをあんまり聞いてくれそうにない御仁に出す金はないというところでしょうか。サブプライム騒ぎでも基本的に「徳政令」一本槍の民主党のお二方に対して、マケインは以前には「不法のあったものには処罰を」なんて言ってましたし、今日も「政府の仕事はシステミック・リスクに対処することであり、大銀行であれ、小さい借り手であれ、無責任な行動をとった者を救済して、それに報いるのは政府の仕事ではない」なんて言ってました。

ちなみに2000年の選挙では、証券/投資業界の連中の寄付はブッシュに400万ドル、ゴアに140万ドル、2004年はブッシュに880万ドル、ケリーは400万ドルちょっとというところでした。

ところで、マケインは軍事的にはタカ派なので、軍需産業の連中には良いかというとそうでもなくって、ヒラリーの22万ドルに対してマケインは18万ドル程度でここでも大負けです(オバマでも14万ドルを集めています)。

大体ステルス機への給油機に関する国防省と米国軍需産業の大手ボーイングの大型商談を、不正な取引の可能性があると言いがかりをつけてつぶした張本人がマケインで、このあおりを食ってボーイングのエグゼクティブが2人牢屋に放り込まれたという事件があったこともあり(しかもこの事件のおかげでボーイングの代りに受注したのがウヨクの米国人の大嫌いなフランス企業というオチまでついていました)、軍需産業もイマイチ応援したくないというところでしょうか(未だに議会ではボーイングに近い両党の議員がマケインを攻撃しています)。

他にも例えば、法曹/ロビイストの寄付ではヒラリーが1,400万ドル、オバマが1,100万ドルに対して、マケインは350万ドルと、やはりマケインにはお出してもしゃーないというところのようです。

マケイン陣営への財界からの主要アドバイザーはシスコ・システムズのジョン・チェンバース(!!)がいたりと結構渋いんですが(サイフも渋いと思いますが)、まぁ、これでマケインが勝ったら大したもんですねぇ。