毎年この時期になるともうヘロヘロで、ロープにでもつかまるか、タオルでも投げ込んで欲しい気分ですが、感謝祭の翌日は「Black Friday」と呼ばれており全米主要小売店が年間一番のバーゲン・セールを行う日です。またクリスマス商戦の「キックオフ」とも言え、消費の動きに注目が集まる日でもあります。
Bloombergによると、Black Fridayの売上は全米で前年比8.3%と予想を大きく上回る好調だったようです(週末の2日間でも7.2%の上昇のようです)。ニュースを色々あさってみると、中身は一概に明るいとは言えないようですが(例えば1人当たりの支出は3%以上減少しているなど)、株式市場にとっては年末のプレゼントになるかもしれません。
もちろん、「これで心配は吹きとんだ」などと言える状態には程遠いわけで、このニュースで皆さんが少し浮かれ気分になっているようであれば、ポートフォリオの組み替えのチャンスかもしれません。
先週の第3四半期の業績発表がほぼ終わった時点で、S&P500の企業利益は前年比8%以上の落ち込みで、米国の景気の減速はかなりはっきりしています。
これ程のマイナスの時は通常ですと数四半期後には”R”の字がちらつくのですが、まぁ、金融と一般消費財という「サブプライム銘柄」が両者ともマイナス30%を上回る落ち込みで足を引っ張っているわけで、ダイハードな強気派は金融だけ除いた数字を計算して「米国は大丈夫」なんて言ってる人もいます。しかし、これは何となくハンバーガーからバーガー部分を除いてカロリー計算をして「ハンバーガーは健康食品」なんて言ってるような感じもいたします。
一方で、資本財、ハイテクは2桁成長ですが、これは両者とも基本的にグローバル経済銘柄で、世界経済が相変わらず底堅いことを示していると言えます。基本的に米国は減速、グローバルはそこそこ強いというシナリオは変えていない人が大半のようですが、米国がどれだけ弱くて、世界経済がどれだけ底堅いかはこれからのお楽しみ(楽しくないかもしれませんが)というところでしょう。
先週後半はまたまた豪快に米国市場が下げましたが、少し「???」と思ったのが新聞の見出しの類いです。
米国のメディアなんかでも「サブプライム問題への恐れで市場下落」なんてのがデカデカのってましたが、これはもちろん30%位しか当っていない、、、というか70%は違うような気がします。
大体大下がりしたのは、サブプライム関連どころか「ドル安銘柄、グローバル経済銘柄、業績好調銘柄」のハイテクの大型株連中です。先週1週間で見ても、メディアが「下手人」としている金融はマイナス3%くらいでしょう(ハイテクは8%以上下げています)。それに先週はクレジット関係では、そんなにサプライズの話はなかったですし。
さて、問題のハイテクですが、最近は「ミニ・フロス」(バブルというほどでもないんで)状態で、ここ3カ月だけでもNASDAQ100は20%以上、年初来では30%近く上昇していました。つまり、何かきっかけがあれば、いつ大きく調整しても不思議はない状態でした。今回のきっかけはシスコのアウトルックが、皆さんが「イって」しまうほど強くなくって、失望売りがかさんだというところではないでしょうか。
火曜日の終値から見ると、ハイテクの調整具合が良く分かりますが、VMwareが20%以上、シスコ、百度が約16%、オラクルが約15%、アップル、ヤフー、RIMMが約13.5%、グーグル、アマゾンが約10%、比較的損害が軽微だったマイクロソフトでさえ3日間で7%以上下げています(シスコだけでも時価にしてほとんど330億ドルが吹っ飛んだ勘定になります)。
さて、サブプライム問題に、経済減速、そして今度は「最後の砦」が「陥落(しかし大げさですが)」ということで、American Association of Individual Investorsが調べたところでは、米国の個人投資家の50%以上が市場に対して「弱気」となっているようです。これは米国人にしては相当弱気な数字でかなり一般投資家が動揺しているのが分かります(ちなみにファンド・マネジャーなどの調査では弱気派は大体20%程度です)。
というわけで、かなりパニック気味に強烈な経済減速を織り込んでいる感じなのですが、来週はThanks giving商戦の最初の感触が少しずつ出てくる週ですので、それ次第で変わってくるような気もします。