2005/1/30 日曜日

郵政民営化調査

毎日新聞より–

郵政民営化に関するインターネット調査は、政府がインターネット関連会社に委託したもので、今月7〜12日、全国の20〜60代の男女を対象に実施された。有効回答数は2234。政府が取り組むべき重要課題(複数回答)のうち「郵政民営化」と回答したのは25.7%で、10項目中8位。1位は「年金・福祉制度改革」で76.1%。「景気・雇用対策」「治安・防災」「財政改革」の順で続いた。郵政民営化より順位が低かったのは「規制改革」(13.6%)「三位一体改革」(7.4%)だった。

ふーむ。「年金」はまぁ分かりますが、やはり「親方日の丸」が良く出てるような気もしないでもないですね。民営化反対な向きは喜ぶ内容なんでしょうなぁ。くま個人的には小泉政権に期待するのは郵政民営化と規制改革しかないです。

2005/1/29 土曜日

2005年Environmental Sustainability Index

Yale、Columbia両大学が行った2005年度のEnvironmental Sustainability Index(環境持続力指数)の調査結果が発表された。146カ国中日本は30位(OECD加盟国中では12位)となっている。ちなみに1位はフィンランド、2位はノルウェイ、3位ウルグアイとなっている。主要国ではアメリカが45位、ドイツが31位、フランス36位、英国66位などとなっている。

ワースト5を下からあげると、

北朝鮮、台湾、トルクメニスタン、イラク、ウズベキスタンとなっている。北朝鮮はべつに環境でなくてもSustainabilityが疑われますが、台湾は少し意外な気もします(中国の脅威を考えるとここもSustainabilityがヤバそうですが)。

調査報告書はここで見ることができます。

2005/1/26 水曜日

A.T.KearneyのFDI Confidence Indexで日本が10位に

OECDの出した購買力平価に基づいた1人当たり国民所得で17位と経済的な豊かさではイマイチ振るわない日本ですが(そろそろ世界第2の経済大国なんて意味の無いフレーズを使うのはやめた方が良いと思うんですが。ちなみにイタリア18位、ドイツ19位とかつての敗戦国仲間は仲良くOECDの底辺をさまよっています)、A.T.Kearneyが年1回行っているFDI Confidence Indexでは日本が始めて10位に入りました。

FDI Confidence Indexは世界の大企業に対して、海外直接投資先としてどの国を好むかという調査を行った結果で、予想通り中国がぶっちぎりで1位ですが、日本がこれほど上位に入ったのは始めてのことです。直接投資先としては安定度、インフラ、労働力、将来の経済見通しなど多くのことが考慮点に入るため、これは素直に評価して良いことだと思います(どういう調査方法かにもよることではありますが)。

10位までの順位は以下の通りです。

  1. 中国
  2. 米国
  3. インド
  4. 英国
  5. ドイツ
  6. フランス
  7. オーストラリア
  8. 香港
  9. イタリア
  10. 日本

善し悪しはともあれ、小泉政権後日本がいろんなところで(ある程度好意的に)取り上げられ出したのは事実で、また国内では「説明不足」といわれている首相ですが、あっちの人から見ると「分かりやすい」というのも面白いところではあります。

2005/1/22 土曜日

携帯周波数でびっくり!

つい先日ワールドビジネスサテライトをぼーっと見てたら、携帯電話用周波数帯割当の話題をやってたんだけど(詳細はいろんなとこで出てるから、ここではあんまり書かない)、番組中ゲストの某立教大学の某斎藤センセーいっぱつ

「周波数帯域は限りのある資源なので自由競争には向かない」

がーん。今まで限界ある資源の効率的分配のために自由競争があるのだと思っておりましたが。限界ある資源はどうも市場ではなく総務省が割り当てた方が良いようです、、、その他にも

「儲かりそうだからといって、後ろから来て前の会社にどけというようなやり方は良くない」

とアニマル・スピリットを切って捨てるなど絶好調(?)でした。この人ケーザイ学のセンセーだと思ってましたが??「気に入らんからアメリカに言って圧力かけさせるのは良くない」とかいうのは、まぁ当たってると思いますが、官庁、業界のなれあい世界ではそれくらいしないと何ともならんとも言えるんでは?これに関してはたてついた孫シャチョーにあるていど理があるように思います。くまは孫社長のファンでもなんでもないけど。

しかし、植草センセーといい、このセンセーといいワールドビジネスサテライトって結構ゲストが多彩ですなぁ。適当にヒマなケーザイ関連の人(ガクシャらしいですが)呼んで何の話題に関しても話させるというパターンは変えても良いんではないでしょうか。きちんと物事調べてる専門家もいるんだろうし。あるいは小谷キャスターも遠慮してハイハイ聞いてずに、ゲストのあたまたたいても良いとか。許します。

クルーグマンのMicroeconomics教科書

くまは実は教科書オタクみたいな変なとこがあって新しい教科書がでるとついつい買ってしまうところがあるんだけど、最近は知らない間にクルーグマンが書いたミクロ経済学の教科書のMicroeconomicsが出ていた

クルーグマン先生と言えば最近世間では、嘘つき大統領のアブない最終目標嘘つき大統領のデタラメ経済などに収録されているNewYork Timesのコラムの方が話題で、「もーちょっとちゃんとした研究に時間使った方がいいんじゃない?」なんてことも良く書かれている。今度の本も珍しく大学のフレッシュマン向けの教科書となっている(今までにもInternational Economicsみたいな教科書は書いているが、今度のような最初に使うような教科書は知っている限りでは思いつかない)。内容は極めて「マトモ」なもので普通の教科書である。

まぁ、好き嫌いは別にして海外の有名なガクシャによる初学者向けの教科書はマンキュー、スティグリッツなど始めとして良くできているものが多いが、これもその例にもれず(ぱらぱら見たところでは)簡単明快で実例を多く取り入れたものになっている。日本語の教科書(と教えているお偉方)はどーしてあんなに失神するくらい面白くないのが多いのか誰かせつめーしてくれないだろうか??

2005/1/17 月曜日

中国の外貨準備はどこへ?

中国の外貨準備が2004年末に過去最高の6100億ドルに達した模様だ。これは中国のGDPの40%に近いというすごい額である。昨年一年間に約2070億ドル増加したことになるが、増加分だけでもGDPの12%に当たる。人民元とドルのペッグ維持のため相当なドル買いが行われたことを示しているんだけど、ここでちょっと気になったのがこの外貨準備がどこに行ってるかってことだ。

例えば日本に関しては、米国のデータで見ると日本(民間を含む)の米国財務省証券(国債だ)の保有残高は昨年10月末時点で約7150億ドルとなっている。日本の外貨準備は大体8500億ドルで、日本の財務当局は通貨別の保有高を示していない(ナゼだ?)ので良く分からないが、えいやで高めの80%がドルとすると日本の外貨準備のドル保有は6800億ドルとなる。これは先ほどの7150億ドルが民間保有(あまりないと思うが)を含んでいることを考えると、まぁまぁ理屈の通る線だろう。つまり、日本当局はドル建ての外貨準備を大半は米国債のかたちで保有しているってこと。しかし中国はどうか?

同じことを中国に当てはめるとどうか?同じ米国のデータでは昨年10月末時点で中国の米国国債保有高(くどいが民間を含む)は約1750億ドルである。おや??中国の外貨準備6100億ドルの80%がドルと考えると、中国当局は約4900億ドルのドルを保有しているはずだ。中国の民間部門の米国債保有を完全にゼロと仮定しても、4900億と1750億の差額の3000億ドル以上が米国債以外のドル建て資産の形で保有されていることになる。もちろんデータの時期の差などがあるから厳密な議論ではないけど、大まかにみれば相当な額がどこかに投資されていると考えられる。

ある程度は外国の金融機関を通した「統計からは見えない形での」米国債保有となっているだろうが、相当な額が米国の資産担保証券、あるいはたぶん社債などに投資されていると考えるのが普通だろう。ひょっとするとヘッジファンドなどに投資されている可能性もある(ヘッジファンドのLTCM破綻の際にはLTCMに投資していたイタリア中銀が青ざめた)。

米ドルは言うに及ばず、米国の主要な資産クラスは相当な高値となっており、ややリスクは高いと考えるべきだが、なんかあったら大丈夫なんだろうか(たとえばドル/人民元のレートが30%位変動すると、中国当局はGDPの約10%を失うことになる)。

まぁ、ドルレートの変動によるリスクに関しては日本も同様で中国のことを言えた義理ではない。世間では他通貨(ユーロ)にリスク分散すべきだなんて話もちらほら聞くが、日本と中国が「リスク分散」なんかしたとたんにドルの下落(と円の高騰による輸出セクターへの打撃)による本当の損失リスクをかぶることになる。この「第2ブレトンウッズ体制」は足抜けのできないブラック・ホールなんである。

独歩高のユーロ圏が音を上げて「第2ブレトンウッズ体制」に組み入れられれば米当局にとっては天国なんでしょうがねぇ、、、

2005/1/7 金曜日

アップル訴えられる

アップルのiTune Music Studioで買ってダウンロードした音楽を聞けるのは(他の音楽プレーヤーではなく)iPodだけしかないのは非競争的で不当だとして、カリフォルニアの男性が訴訟を起こした。彼が裁判で勝つのはかなり困難だと思うけど、一部のアップルのファンは「競争相手(Mのつくとこのことかしらん?)の回し者に違いない」とか結構頭に来ているみたいね。

でもね、彼の言い分にも一理はある。基本的に買った音楽は、自分で楽しむ分には何で聞こうが自由ってのが本来だと思う(まあ、「音楽」に対してお金を払ったのか、「iPodで聞くこと」にお金を払ったのか、という考え方によっても違うだろうけどね)。例えばソニーのCDプレーヤーでしか聞けないCDなんてのがあったとしても消費者にとってはあまり有り難くないでしょ。コピーできないCCCDとかもね(これは別の理由でもとんでもない製品だと思っている)。今回のは基本的にiPodで使っているDRM(デジタル著作権管理)ラッパーがマイクロソフトのWMAやRealAudioのDRMラッパーと互換性が無いっていうのも原因の1つだが、DRMの仕組みの標準化は可能なんだろうか?

消費者が買ったデジタル素材は同一人物、あるいはその家庭内で使用される限りはどのような機器であれ再生やコピーができて、いったん外にでるとそれが不可能になるってのは可能なんだろうか?例えば次世代のDVDに関してはIBM、インテル、マイクロソフト、松下、ソニー、東芝、ディズニー、ワーナー・ブラザーズがAACS(アドバンスド・アクセス・コンテント・システム)でそれを可能にしようとしているが結構むつかしいと思う。

基本的に家電メーカーは互換性が大事だと考えており(その方が商品が売りやすい)そのためにはあまり窮屈な保護は好んでいない(コストもかかる)が、映画・音楽産業サイドは機器間で互換性が無いのはそれほど問題だとは思っておらず(再生できなきゃ2枚買って頂ければもっと良いというえーかげんな考えである)、厳格なコピー対策を望んでいる(連中が考えているのはこれだけだ、、って言い過ぎ?)。同様な思惑の違いもあってデジタル音楽に関するセキュア・デジタル・ミュージック・イニシアティブは見事に失敗している。ちなみに米国の電気電子学会であるIEEEの機関誌もAACSを将来の「負け犬」技術の1つに挙げている。

おまけに映画産業などからの強烈な圧力にも拘らず、米国政府・議会もDRMに関してはそれほど積極的なアクションをとろうとはしていない。彼らは知的所有権は極めて大事だと考えているが、あまりに性急で窮屈な著作権保護は作品の2次利用を妨げ、デジタル作品の生産を困難にしてかえって米国の経済的な国益を損なう可能性があると考えている。これは米国議会予算局(CBO)のCopyright Issues in Digital Mediaなどを見ても分かる(これの前にも経済開発カウンシルが同様の報告書を出している)。面白いことにこれは映画業界などの支援を受けている民主党でもあまり変わらない。とゆーことで、今回のような騒ぎは当分続くことになる。

裁判についていえば、訴えた側はアップルが独占企業で、その力を消費者の不利になるような形で競争を妨げるために用いたということを証明する必要があるけど、デジタル音楽自体が音楽業界のサイズに比較すれば吹けば飛ぶような状況でこれを証明するのは至難の技だろう。これはアップルの勝ちと見る。

2005/1/4 火曜日

IBMのPCビジネス(Goodbye ThinkPad?)

IBMがPC事業を中国のLenovoに売却するという話は大きく取り上げられたが、メディアでは総じて中国企業の世界舞台への登場という感じの取り上げ方が多かったような気がする。しかし、Lenovoは競争の強烈な中国市場で大きくシェアを落としており、今回の買収は海外市場に活路を求めようという動きであるともとれる。つまり、「強さ」を伸ばす買収というよりは、「弱み」からでた買収であるともいえる(失敗する買収で良くあるパターンだ)。

確かにIBMのブランドと技術力はLenovoにとっては大きなプラスだが、逆にLenovoが新たな事業に付加できるものは少ないと思える。技術力はいうまでもなく、経営効率においてもLenovoの粗利益率は15%とIBM(全体として)はおろか、中国における多くの競合他社にさえ劣っている。しかもIBMの話がある前には、国内の地方市場に焦点を当てる戦略をとるなど戦略の一貫性にも疑問がある。さらにIBMはすでに低コスト国で生産を行っており、中国における低コスト生産の便益も限られている。

最近の米国証券取引委員会(SEC)に対するIBMの報告ではIBMのPC事業は近年一貫して赤字である。2001年の赤字は3億9,700万ドル、2002年は1億7,100万ドル、2003年は2億5,800万ドル,今年は前半6カ月で1億3,900万ドルと近年3年半で10億ドルにも達するかという惨憺たるものだ。IBMは報告書の中で「本事業は度重なる損失、マイナスの運転資本、累積する負債の歴史を持っている。負債の返済期限に返済を行う能力はIBMによる本事業への財政支援に依存している」と総括している。今後はIBMではなく、Lenovoに依存することになるが、、、?

私は仕事ではずっとIBMのThinkPadを使っていた。私は長年のMacユーザーなのだが、ThinkPadのバランスのとれた機能、シンプルなデザイン、そして堅牢さはとても気に入っていた。自分でノートブックを買うとしたら、PowerbookではなくThinkPadを買っていただろう。残念ながら新会社がThinkPadに何かを与えられるような気はしない(これは外れてほしいけどね)。