2006/3/23 木曜日
what’s my sceneさん経由、ITMediaのニュースによると、フランスでiTMS(だけでなく他のオンライン・ミュージック・ストアも)が固有のDRMで保護しているコンテンツを、消費者がさまざまな機器で利用できるように、フォーマット変換できるように義務付ける法律(DADVSI)が下院を通過し上院にかけられることになったようです。また、消費者は自分の購入したコンテンツを他のフォーマットに変換するためDRMを解除することも認められるようです。
これだけであれば、私も基本的に大賛成なのですが(買ったものをどーやって聞こうと勝手でしょ)、この法案自体はどうも極めて「クサイ」もののようです。
まず第1に、この法案にはフランスお膝元のメジャーのVivendiによりトンでもない修正が加えられており、「潜在的に」ファイル交換に使用され得るソフトウェア(クライアント、サーバを問わず)は違法となり、この手のアプリケーションやサービスに関する情報をネット(や他の媒体)に掲載するだけでも最大で懲役3年、30万ユーロの罰金が課される可能性があります。
第2にDADVSIでは消費者が自分自身の使用のためであっても自分のDVDのバックアップ・コピーを作るのが違法となっています。これは「フェアユーズ」でさえ、著作権の侵犯に当たるとするような最近のRIAAの主張に近い過激なものです。
どうも世間ではApple/iTMSのDRM解放の話題のみに注意がいっているようですが、全般的にここらへんのことも考えると、これはひょっとするととんでもないガラクタ法案なのではないかという気もします。
ところでAppleはどうでるかの話なのですが、まずフランスでのこの法案がコピーの増加による事業のコスト増と同じ影響を持つと考えれば、Appleの業界内での独占的地位(フランスではまだバージンが首位ですが)を考慮すれば、これは基本的にVarianによる「独占業者と価格差別」の古典的な例となり、フランスでの価格を大きく引き上げるというオプションを取らない(または取れない)場合は、AppleにとってiTMSのフランス撤退というのが経済的に最も合理的なオプションとなる可能性があります。
で、この場合、最も被害を受けるのはフランスの消費者ということになりますが、iTMS撤退による消費者利得の喪失だけでなく、ガラクタ法案によるより厳しい規制も被ることになり泣き面に蜂という最悪の場合も有り得るわけですが、アホな議員をもったツケは最終的に自分に戻ってくるという教科書的結末になる可能性もあります。めでたしめでたし(どこがや)。
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2006/1/17 火曜日
IEEEのSpectrum1月号は最近新年の恒例になっている「Technology Winners & Losers」特集でしたが、Losersの中に見事にNTTのRedTactonが選ばれていました。これは人の体の表面電界を利用して人体を通信のメディアにする技術ですが、「この技術には、現時点で利用不可能であるような説得力のあるアプリケーションは存在しないし、まだ信頼性も低くコストも未知である上に、一般からの感覚上の問題(セキュリティ、健康問題など)に直面する可能性が高い」とされています。
他のLosersには、
- Samsungのフラッシュ・メモリ・ベースの「ディスクドライブ」(価格上の理由から)
- MotorolaのiRadio(がちがち重厚ハード屋さんのモトローラに音楽屋さんができるか?)
- 英国内務省の「バイオID」(不適切なテクノロジーよるプライバシーおよびセキュリティの問題の可能性)
- Microsoftの「Sender ID」(スパムとそれ以外のメールを判別するのは不可能)
が挙げられています。一方、Winnersは、
- IBM、ソニー、東芝の「セル・プロセサ」(グラフィックス、ブロードバンド・アプリケーションで他のプロセサより優れ、ゲーム、テレビなどの大量マス・マーケット向きのデザイン)
- Boeing、三菱重工、川崎重工、富士重工の「複合素材の翼」(軽量で、耐久性が高く、燃料費、メンテナンス経費の節減が可能)
- Jaring(マレーシア) & Soma Networksの「ワイヤレス・ブロードバンド」(自前のネットワークを持たないISPが、既存キャリアと競合することを可能に – そういえばJaringは数年前に日本でも実験してたような・・・)
- Ntera, Ltd. (アイルランド)の「ナノ・クロミクス・ディスプレー」(紙の上にインクで書いたように鮮明で、太陽光の中でも良く見え、電力消費が少なく、安価に製造可能)
となっています。まぁ、テクノロジーの世界は予見が極めて難しいですが、個人的にはそこそこ妥当な線かなという気もします。
Spectrun (非会員も記事の一部の閲覧可能)
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2006/1/6 金曜日
ファイル交換ソフトの配布で裁判に敗れたGroksterですが、今Grokster.comに行くと面白いモノが見れます。おなじみのGroksterのロゴの下には、
著作権で保護されているマテリアルを交換するためにこのサービスを使用することは違法行為であると、米国最高裁判所は全員一致で決定しています。不正なP2Pサービスを用いて著作権で保護されている映画や音楽のファイルをコピーすることは違法行為であり、著作権保持者による起訴の対象となります。音楽や映画をダウンロードできる合法的なサービスはありますが、このサービスはそのようなものではありません。
と書いてあり、最後に
あなたのIPアドレスはXXX.XXX.XXX.XXXで、ログされています。捕まらないと思うべきではありません。あなたの身元は分かります。
というような脅し文句がのっています。しかもページの一番下にはご丁寧にもRIAA(米国レコード協会)とMPAA(米国映画協会)の「著作権を尊重しましょう運動」であるRespectCopyrightsとMusic Unitedへのリンクが貼ってあります。今、Groksterのドメインを実質的に保有しているのはどこか分かりませんが(whoisの情報では名目的にはどこかの登記サービス会社のようですが)、パロディでないとするとなかなか笑えます。このセンスはやはりこの業界で全世界共通ではないでしょうか。
2006/1/3 火曜日
あけましておめでとうございます。今年も皆さんにとって良い年となりますようにお祈り申し上げます。
L.A timesは、ベアスターンズのアナリストの昨年末のリサーチをもとに、Googleの共同創立者のラリー・ペイジがラスベガスのCES(Consumer Electronics Show)でのキーノート・スピーチで、インターネットと接続し音楽などのメディア・コンテンツを扱えるような、GoogleのOSを搭載した安価なコンピュータあるいはそれに類するハードウェアを発表するという観測記事をのせています。
また、記事はその他の情報源の話として、Googleがそのようなハードウェアを販売するためウォルマートなどの大手小売店と交渉中と報じています。
まぁ、新年の向こう1年間の業界観測記事(しかもGoogleを強くプッシュしているベアスターンズのレポートがネタ)なので、信憑性はそれほど高くないかもしれませんが、文字通り湯水のようにお金を使える会社なので、何があってもおかしくないかもしれません。本当であれば、AppleのIntel移行もありますし、長らく無風状態だったPCの世界にも波が立つかもしれませんね・・・
L.A times
追記(Jan 5):Engadgetの記事によるとGoogleの広報担当David Kraneは、このウワサを即座に否定しているようです。記事によると同氏は、Googleは現在のPCパートナーに満足しており、「この市場に参入する必要性は考えられない」と述べたとのことです。
追記その2:Googleの発表はVideoの販売やら新しいGoogle Packでハードウェアは「ガセネタ」と判明しました・・・まぁ、株屋さん周りのGoogleに対する熱狂を象徴するような話ではあります・・・
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2005/12/23 金曜日
KDDIとクアルコムが携帯向けTV放送技術「MediaFLO」で提携というニュースが昨日の日経ITProに出ていましたが、「メディアフロージャパン企画」という共同出資の会社を設立して「MediaFLOの日本でのサービス提供を検討していく」そうです。
MediaFLOは,米クアルコムが開発した携帯端末向けの放送技術なんですが、日本では携帯ネットワークは事業者ごとの独自規格のネットワークが当たり前の世界になっているので、このニュースも「あぁ、クアルコムとKDDIで独自サービス提供すんのね」って感じだと思いますが、欧米では携帯ネットワーク自体がかなり標準化されているので、この技術でのクアルコムのポジショニングは超大手とは言えやや微妙です。
KDDIとクアルコムが携帯向けTV放送技術「MediaFLO」で提携というニュースが昨日の日経ITProに出ていましたが、「メディアフロージャパン企画」という共同出資の会社を設立して「MediaFLOの日本でのサービス提供を検討していく」そうです。
MediaFLOは,米クアルコムが開発した携帯端末向けの放送技術なんですが、日本では携帯ネットワークは事業者ごとの独自規格のネットワークが当たり前の世界になっているので、このニュースも「あぁ、クアルコムとKDDIで独自サービス提供すんのね」って感じだと思いますが、欧米では携帯ネットワーク自体がかなり標準化されているので、この技術でのクアルコムのポジショニングは超大手とは言えやや微妙です。
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