2009/5/25 月曜日

北は止まらない・・・

北朝鮮がまた核実験を実施し、そして米政府は今のところまた相変わらずの対応の構えのように見えます。オバマ大統領の声明に曰く

北朝鮮の威嚇的な行動により引き起こされた危険に対しては国際コミュニティによる行動が必要である

北にとっては恐ろしくも何ともない、形式上の「お怒りの言葉」をまたまた出すくらいしか「国際コミュニティ」にはできないのではないかと思いますが(今回はもう少し格好を付けるかもしれませんが)、そろそろ日本人も北の核保有に対する米国の最終的なシナリオを想定しておいた方が良い気もします。

米国にとってもオプションは大してあるとは思えません。

1. 北に対する米主導の軍事行動:まず問題外。中国と再度衝突する可能性すらあります。

2. 制裁強化:北が核をあきらめるほどの(その可能性が少しでもあるとして)、あるいは北が崩壊するほどの厳しい制裁には中ロが反対するでしょうから、これも可能性が低いとでしょう。

とにかく、北が揺らぐような措置には中国が必ず反対するでしょうし、米国の現政権には中国と対決する気は毛頭ないようなので1も2も現状ではアウトでしょう。

中国にとっては、北が万一崩壊でもして、そして万が一にでも親米政権などができて、近くに米軍基地などができることに比較すれば、過去の「血の同盟国(で核保有国)」の方がはるかに「マシ」ということになります(今回は少なくとも形の上では、以前よりもかなり強い「お怒りの言葉」を発するでしょうが)。

したがって、中国がこの件でマジで協力することがあるとすれば、中国はおそらくその交換条件として「(少なくとも将来における)朝鮮半島からの米軍の完全な撤退」あるいはそれに類する条件を求めることになるんじゃないでしょうか。そう言う面では中国にとっては北朝鮮が突っ走って、それに対する措置の必要性が高まるほど、自国の交渉カードが強くなるという面もあります。

というわけで、米国にとっての3番目のシナリオは

3. 中国の協力による北朝鮮政権の屈服、または交代/崩壊 -> 北の「中国化」、長期的に朝鮮半島全域における中国のプレゼンスの増大と米国のプレゼンスの低下

ということになります。米国はこれがいやなら

4. 北を「各クラブ」の一員として(明示的にしろ、暗示的にしろ)認めて、そのようにつきあう。しかし第3国やテロ組織への核技術の流出がコワいので、その代わり核拡散に対するそれなりに厳しい条件を付ける。

というようなところでしょうか。しかし、これはイランなどへの波及もあり得るので米国にとっては3と同じように困難なことです。もちろん、今の米民主党周辺では

5. 「交渉してるうちに少しはマトモな政権ができる」

という都合の良い夢を見ている向きも多いようですが、これは最終的には3か4への「つなぎ」にしかならないのではないでしょうか。今の政権にとっては、これが一番簡単そうな気もしますが。

いずれにせよ、国連決議だろうが制裁だろうが、大した意味がないのは歴史が実証済みです。どう転んでも、日本人にとっては非常にユーウツなことではあります。

2009/5/13 水曜日

米国債なんかもう買わん!って・・・

「Nakagawaとかいう政治家がもう米国債を買わんと言っているらしい・・・」とかいうことで、あのお酒の大好きな方はもう辞められたはず・・・と一瞬思ったのですが、ニュースを見てみると民主党の中川正春氏とのことでした。

「将来のドルの価値が心配」だから、民主党が政権を取ったら「もう米国債は買わない」。しかし「円建てだったら買っても良い」んだそうです。

政治家は言葉のショーバイなので、発言には常に何らかの意図、あるいは計算があって然るべきだと思うのですが(方針、原則のストレートな表明ではない場合ですが)、これは何なんでしょうか?

1. 米国政府の不均衡財政(あるいはドル安を招く諸々の政策)は世界(つまり日本)のためにならないので早めに忠告したい。

2. 買い手に迷惑をかけないように、米国にサムライ債の発行を提案したい。

3. 円高不況に少しでも貢献して、現政権に打撃を与えたい。

4. 民主党になったら、米国政府が借金できなくしてやるから日本をなめるなよと言いたい。

5. アジア共通通貨圏を作るからもう米ドルはいらないという方針をストレートに言ったまで。

6. 単に損したくないということがアタマに浮かんだだけ。アタマに浮かんだことがそのまま口から出る体質なだけで他意はありません。

で、どうも6ではないかと思うのですが、そうとってくれる人は日本人のお目出度さをよく知っている少数の人だけの様な気もします。

「次の財務相」にしては、最近の中国の方々の一連の発言と比べても、建設的なトーンや含み(見せかけであっても)に全く欠けるという点で何とも言えない寂しいものを少し感じました。しかし「中国は通貨操作国」とやったガイトナー氏となら良いコンビかもしれませんねぇ・・・

2009/5/12 火曜日

小沢氏・・・

うーむ。さっぱりワケの分からない辞任劇ではあります。

政策的には小沢氏も民主党も支持しているわけではありませんが、今度の選挙は首相を選ぶ選挙であり、同じく支持できない政策(などというものがあるのかどうかすら分かりませんが)の現職よりは、はるかにマシだと思っていました。現職に小沢氏が真剣勝負で負けるとは思えないのですが、なぜ最後まで戦わないのでしょうか?(ご本人からすれば「もう良い加減にしてくれ」ってとこかもしれませんが)

自分が辞める方が党のために良いなどというヤワなことを本当に考えておられるとすると、首相になるには少し・・・という気もしないではないのですが、今の状況で民主党に他の選択肢があるようにも思えません。何だか、今回の騒動には、有力な者を皆でよってたかって潰すという日本人の「ルサンチマン」のようなものを感じましたが、小沢氏にはご尊顔なみの図太さ(すみません)が欲しかったような気がします。ついでに言えば、黒子に戻るというのは、それこそ党のためにならないのではないでしょうか。

ここで単に「選挙に勝てそうな顔」が御輿に担がれて首相になるなどというのはご免被りたいものです。安倍氏をひねった小沢氏が退場して、マジメに小沢氏を支えた(だけのように見える)鳩山氏か、昔も御輿にかつがれて小泉氏に赤子のようにひねられた岡田氏なんでしょうか。それに今の現職との戦いでは、あまり見たくないような気がします。

白川勝彦氏は最近のエントリー

政権を懸けた総選挙において、党首は問われている政権と一体である。選挙で勝った方の党首が内閣総理大臣を務めることになるのだ。

誰が党首ならば選挙に勝てるか、というのは論理が逆なのではないか。党首というのはそんなに軽い存在なのか。どのような党首でどのような政権を樹立するかということが肝心なのだ。自公“合体”政権側には、現実には麻生首相しかいなかったのである。民主党を中心とする野党陣営には、小沢民主党代表しか現実にいないのである。それが両陣営の実態であり、実力なのだ。トップを代えたからといって勝敗が左右するものではないと思う。そのようなトップを選出したのだから、いまさらしょうがない。

と述べておられますが、言えているのではないかと思います。

2008/11/30 日曜日

大恐慌脱出に財政出動は効かなかった・・・

大恐慌からの脱出はニューディールによる財政刺激によるものではなかった・・・

結果として、ニューディールにより開始された新たな支出プログラムは、経済に対して拡大的影響を直接的にはほとんど及ぼさなかった。それらの支出プログラムが消費者および企業のセンチメントにプラスの影響を与えたかどうかという点にも依然として疑問が残る。

第2次大戦に関連した米国の軍事支出も、1941年までは総支出および産出に目に見えるほどの影響を与えるほど大きくはなかった。

えーと、これを書いたのはマケイン氏のアドバイザーのウヨクの経済学者ではありません。

これは、オバマ次期政権下のCEAで委員長を務める予定のクリスティ・ローマー先生がEncyclopedia Britannicaの「大恐慌」の項目に書いたものです。こういうのを見つけるたびに楽しくなってしまいますが、本当にオバマ氏が何を考えているのかナゾです。まぁ、皆さん優れた経済学者ですから、オバマ氏も良くお話を聞いて欲しいものです。

2008/10/11 土曜日

東京市場はちょっとやりすぎでは・・・

やっと、怒濤の一週間が終わりました。しかしひどい有様です。ただ、米国の金融村の株が壊滅するのは当然ですが、東京はちょっと見境なく売られすぎではないでしょうか。「震源地」の米国の株でさえ、全体的に下げてはいても、一応の「見境」は少しは残っているような気がします。

円が急伸で、先進国の経済は減速、中国なども先行き不透明ということで、しかも世界の株式市場全体がこの有様では、日本の輸出関連の優良株や値がさ株は相当やられても仕方はないと思いますが・・・。

そこで、金融村や、資本財などの「今そこにある」恐怖と直面している「ホット(と言うよりはコールド)」な世界や、値がさのグロース銘柄とは少しだけ離れた地味なところで、手許にある数字でいくつか代表的な銘柄の9月の最初の寄り付きから今週の引けまでの下げ具合を見てみました(下はあくまで手許の数字の羅列で、本当の意味では比較できる企業ではないですし、もちろん包括的な比較でもありません。しかし、両国の各業種でそこそこ代表的な銘柄であることは事実です)。

例えば一応「ディフェンシブ」と言われる製薬では

ファイザー -19%、ジョンソン・アンド・ジョンソン -19%

まぁ、「あの」JNJが薬害もなく1カ月あまりで19ポイントも下げるのはスゴイですが、日本を見ると

武田 - 27%、アステラス - 29%

アステラスもPFEも業績の見通しはイマイチ冴えない同士(すみません)ですが、いくらなんでもこれは、と言う気がします。(アステラスは一時ストップ安だったそうです)

また、一般消費財は消費不安で米国の方がセンチメントは悪いと思いますが、

P&G -15%、キンバリー - 8%

となっており、やはりここらへんのクラスの会社にしてはこの短期間で結構きつい下げです。しかし日本では

花王 -26%、ユニチャーム -19%

花王なんかは最近業績は冴えませんが、円が上がって原油が下がれば(つまりパーム油なんかが下がれば)基本的にはプラスのはずですが。

また、住宅市場の下落ではちょっと震源に近い小売でも、

ウォルマート -14%、ホームデポ -29%

に対して、

イオン -38%、セブンアイ -31%

(比べるのはWMTに失礼かもしれませんが)となっています。ちなみにホームデポは家の用品が中心ですから「住宅直撃銘柄」です。他ではコストコなどは-20%程度です。これじゃあ、どっちが震源地か分からんような気もします。他の業種でも下げはひどいながらも、米国の優良銘柄は(「直撃銘柄」や市場全体と比較すると)まだそこそこ踏ん張っているような気がします(おかげであまり買えませんでした)。

逆に言うと、日本は売られすぎの銘柄が多いということかもしれませんが、コンファレンスなんかでも日本企業は投資家(証券屋さんじゃないですよ)にあまり人気ないですからねぇ(いくつか例外はありますが)。