2008/7/12 土曜日
原油価格が調子良く(悪く)上がってて、米国議会や日本の役人、G8首脳からオバマ先生まで「投機筋」タタキのようですが、こういうのってどーなんでしょーか・・・。この間も、「ユダヤ系のウォール街の投資銀行の連中が原油価格をつり上げてる」とか、目をつり上げたおじさん(日本人)が滔々とおハナシしていったんですが、どうもお顔を見てると「本気」のようだったので、ちょっと世の中心配になってきました。
「投機マネー」自体は確かに原油や他の商品の先物市場に流入してますが、「先物」市場ってのはヘッジ(投機筋にとっては価格の動向を当てっこ)するための市場ですから、いくらお金が入っても実際の需要家に入る供給の量が減るわけじゃありません(いや、どこかの「投機筋」がどこかの地下の悪の秘密帝国に米国のSPRをはるかに上回る大備蓄基地を持ってればハナシは別ですが・・・)。
というわけで、頭の中には「需要と供給」という2つの単語しか入っていないケーザイガクシャの間では、「原油高=投機筋」説には極めて懐疑的な人が多いのですが、こういうのはあんまりウケないし、政治的にも具合悪い(「悪者」見つけておけば便利ですから)のであまり報道されません。大体、「投機マネー」が入るだけで値段が上がるならば、「投機マネー」の入っている(取引所で取引されている)コモディティ(原油、銅、スズ、天然ガス、鉛など)よりも、「投機マネー」の出る幕のあまりないコモディティ(モリブデン、カドミウム、鉄鉱石、タングステンなど)の方が価格が大幅に上昇しているのはどーゆーことでしょうか。
エコノミスト誌なんかは「先物市場に対する投機マネー流入で価格が上がるって言うのは、サッカー賭博の賭けの額が試合の結果に影響するというようなものだ」と皮肉っています(もちろん先物市場のシグナルで生産者側が供給を控えたり、需要側が必要以上の手当てに動けば価格は上昇するんで、こりゃ言いすぎだと思いますが)。
大体、投機筋が大々的に悪者にされ出したのは、米国議会で5月にマイケル・マスターズというヘッジファンドのおっさんが、「インデックス・ファンド」からの資金流入と中国の需要を比べるという、先物も実需も区別できていないどーしょーもない証言をして、これもワケがわかってない議員連中がそのままそのハナシに大々的に乗ってからです。この時の米議会の調査では先物市場でのインデックス・ファンドの投資が槍玉に挙げられたんですが、実需=先物ごっちゃまぜ論に乗ったところで、「インデックス・ファンド」のNYMEXでの契約残は合計のわずか12%、世界の原油年間消費の2%にすぎません(インデックス屋さんのバークレイズが出した数字ですが・・・)。
サミットでは日本はもうちょっと気の利いたところを見せるチャンスもあったかと思うのですが、お役人自体がどうも70ドル以上の分はウォール街の儲けだと思ってるみたいなんで仕方ないんでしょうか。先進国の首脳には、あまりに良い加減なIEAの需要見通しを改善するとか、代替エネルギーに対する計画/コミットメントを示すとか、イランに対するスタンスを揃えるとか、(中国とインドを脅かして消費を抑えさせるとか)もちょっと役に立つことができると思うんですが・・・
ただ、世界経済の状況次第では、需給の逼迫自体は少し誇張されすぎている可能性があるような気もします。イランのおじさんがおとなしくしてれば、原油(やその他の産業コモディティ)の価格は「短期的には」後退することがあるかもしれません。
まぁ、この話題に興味ある方は、読みやすいところで最近ではNYTのクルーグマン先生の記事や、エコノミストの記事なんかが取っ付きやすいと思います。
ところで、このクルーグマン先生の記事のタイトルは「Fuels on the Hill」でHillはキャピトル・ヒル(議会)で直訳すると「議会での燃料」ですが、このタイトル自体はもちろんビートルズの「Fools on the Hill」(丘の上の愚者=バカ)をもじったもので、原油と議員とバカという言葉が響き合った、クルーグマンらしい意地の悪いものです。
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2007/9/13 木曜日
首相の(このタイミングでの)辞任には驚きましたが、それ以上に驚いたのは辞任の理由として本人が挙げていることやら、周囲が挙げていることです。(特措法の行き詰まりがどうとか、健康がどうでこうでおかゆがどうだとか、本人のスキャンダルとか・・・)
どれ1つ見ても目を疑うようなもので、1つでも本当ならばこういうナイーブな方が行政府のリーダーに選ばれるというリーダーの選択のプロセス自体に大きい問題があるように感じます(他の事はともかく、首相に選ばれたこと自体は彼の責任ではないでしょうから)。また、少し以前のバンソーコー元農相みたいに日本語運用能力すら怪しい人が議員どころか閣僚にまで選ばれて、冗談みたいなハナシで政治状況が揺らぐとかいうのも見ていると、自民党も議員の候補者やリーダーのスクリーニングの方法をそろそろ少しマジメに考えた方が良いんではないかと言う気がします(民主党もそうかもしれませんが)。
例えば、英国なんかでは各政党の議員の候補者になること自体に何段階かハードルがあり結構(能力的に)難しくなっています。あの口八丁手八丁、舌先八寸で体力満々のブレアでさえ、議員になる前は労働党の候補になるのに相当の苦労をしています。ざっと見た感じ、英国下院の2世、3世議員の数は大体全体の5%未満程度だと思われますが、こういうスクリーニングがバンソーコー元農相みたいな方が出てくるリスク(や後々のコスト)を減らす上で少しは効いていると思われます。ちなみに英国は実権のない「貴族院」でさえ大半は「成り上がり者」の一代貴族で、今や世襲と言えるのは非常に少数派のように見えます。
また、非常に盛り上がりに欠ける総裁選ですが、これも派閥の票集めだけではなく個人的な資質に欠ける方はある程度ちゃんと落ちるようなプロセスにできないもんでしょうか。米国大統領候補選びの予備選のキャンペーンは長い上に大騒ぎで外国人から見てるとあまり効率的には見えませんが、あれだけ長期間メディアのさらし者にされ、皆からボコボコにされれば、少なくともタフではない人間や極端に無能な方が残れない可能性が高いのは確かです。(ついでに言うと、候補者の数が多いのでそこそこ色々な政策アイデアが出されるという点も悪くありません)
昔みたいに冷戦で外交の枠組みが決まっていて、真面目な国民が働いた(毎年増える)お上がりを分配するシステムを回すのがメインの仕事だった時は別に誰が何やってても大して問題ではなかったのかも分かりませんが、今のご時世では冗談みたいな短命内閣が右行ったり左行ったりというのはチトまずかろうという気もします。もう政策がどうとか言う以前のハナシなんですが。
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2007/9/6 木曜日
なんか時差の積み重ねで少しダウンしているので、ちょっと軽い話(っていつでも軽いですが)でも。
この間見かけたのですが、最近の世論調査では、「日本国籍を持たない人でも、日本人と同じように人権は守るべきだ」と答えた人が前回2003年の調査と比較して「5.3%も上昇して」59.3%になったそうです。
目出たいことですが、残りの4割くらいの人は、ガイジンはやはり人間ではないと思ってるってことでしょうか?上のリンクでは「Human Rights」と「ジンケン」は違うんだから4割くらいそんな人がいても驚かないなんて意見ものってたりして、これまた面白いことです。
まぁ「ジンケン」が「Human Rights」の直訳であるとしても、日本語と英語では分節化の構造も違いますから、この2つの言葉が「違う」のは当然ですが、これでは4割が「ガイジンにはジンケンはないかも知れない」と思っている(かもしれない)ことの理由にはなっていないような気がします。
合理的な説明は、「ジンケン」というのはどうもかなりSelectiveでDiscriminatingな概念で、その対象に入らない「人」が一杯いる(らしい)ということではないでしょうか。
「株主平等の原則」の対象に入らない外人は「ジンケン」の対象にはならないのかもしれませんし、生活保護を打ち切られて亡くなった方もそうかもしれません。モンゴルあたりから来てお稽古サボって大騒ぎのお相撲取りなんかもそうかもしれません。
私は結構いろんなとこで仕事したことがありますが(それにまぁいい加減ではありますがそこそこ愛国者であったりすらしますが)、余所者やマイノリティ、(一定のレベルを下回る)貧しい人に対する日本人の感覚には時々薄ら寒くなることがあります。また、日本ほど「赤」のつく貧乏人の暮らしにくい先進国は、他にはあまり見たことがない様な気もします。
結局みんなダンゴになって寄り集まっている重心を中心として、その重心から遠くなるほど「人」ではなくなっていくのが「ジンケン」の構造なんじゃないかと思います。ついでに言うと、最近そのダンゴがちょっとばらけてきてる(ように感じられる)ので居心地が悪くなる人が多くなって(どこまでが「人」なのか分かりにくくなりますから)「格差がワルい」なんて話になってるんじゃないでしょうか。
「市場主義者」のブレアの国では生活保護で暮らしながら「ハリーポッター」を書いた人もいるようですが、格差だなんだとか大騒ぎしてる国でおにぎりひとつ買えず餓死する人がいるってのもこの「ジンケン」の構造のせいかもしれません。
内閣府世論調査
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2007/8/11 土曜日
数日前のことになってしまいますが、スティール・パートナーズがブルドックソースの買収防衛策の発動差し止めを求めた仮処分申請が最高裁に棄却されたそうですね。
ブルドックソースの買収防衛策は、「スティール以外のほとんどの株主が、買収で企業価値が棄損すると判断したといえる」ので「株主平等の原則の趣旨に反するものではない」らしいんですが、こんなことで「原則」が簡単に「曲がって」良いのでしょうか?
まぁ、2005年に経済産業省と法務省が共同で出した「企業価値・株主共同の利益確保または向上のための買収防衛策に関する指針」(すごい名前ですが)では買収者以外の株主に対してだけ新株・新株予約権の割当をしても株主平等の原則に違反しないというすごいことが書いてあるので、まったく驚くには当たらないような気もしますが(今回とはスキームが違うので厳密な比較対象にはならないんでしょうが)。
単純にパラフレーズして(はいけないんでしょうが)「多数が判断したら少数の者には同等の権利を与えなくても良い」というのであれば全然「平等の原則」なんぞ無いのと同じのような気がするのですが、法律の世界では違うのでしょうか。
全然カンケーないですが、仕事で「それはプリンシプルだろう」と私が言うと(すごい良い加減な人間なんでそんなことを言うのは本当に稀ですが)「それは譲ったらあかんのちゃう(譲ってはいけないのではないでしょうか)?」という意味ですが、これが日本の会社に行って「それは原則でしょう」などというと、「それはリクツで実際には当てはまらないから、うるさいこと言うな」という意味の場合が多いような気がします。何か「株主平等の原則」ってのもこんなもんなんでしょうか?「原則」なんて言葉は止めて「建前」とかにしとけば良いんじゃないでしょうか。
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2007/7/25 水曜日
物価上昇率の上方バイアスの話は良く聞きますが、この話も「その筋」(?)の人には喜ばれそうな話です。
コロンビア大のDavid E. Weinsteinセンセーとシカゴ大のChristian Brodaさんによる最近の論文の「Defining Price Stability in Japan: A View from America」によると、
日本のCPI計算方法には多くの血管があるように見える。・・・(中略)・・・(代替効果と品質改善の影響を考慮するために1999年に変更された)米国の物価指数の計算方法を使用すると、1999年以降の日本のデフレは年間平均で1.2%となる。これは日本の公式統計の2倍のデフレである。(中略)
我々の推定では日本のCPIは真実の生活費に比較して年間約2%(上方に)偏っている。この日本のCPIのこの上方バイアス、および日本の低インフレにより、今後10年間において社会保障費及び国債償還の増加で日本政府は69兆円の負担増となる。金融政策の面では、このインフレの過大評価により、日本銀行が正式なインフレ・ターゲットを採用したとしても、現在のCPIの計算方法を変更しなければ、2%を下回るようなバンドでは価格安定のゴールを達成することはできないだろう。
つまり、日本のCPIの数字は代替品の効果や品質向上の影響を(米国みたいに)「きちんと」考慮していないので、CPIは実際より2%高くなっていて、それに基づいた金融政策は必要以上にタイトなものになるってことなんですが・・・
個人的な感想ですが、特にHedonicsなんかは極めて恣意的で、インフレ統計にとって重要な「貨幣の購買力」を計る上ではまったく適切ではないように思えます。さらに、米国の方式では逆に人為的にインフレを低く見せる効果があるため、金融政策が必要以上に緩くなる可能性があるとさえ思えます。米国での経験はこれを裏付けていると思うのですが。米国でもファンマネ連中ではこういう見方も結構多いです。
Defining Price Stability in Japan: A View from America (NBER)
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2007/7/20 金曜日
村上世彰氏がインサイダー取引で実刑判決を受けたようですね。インサイダー取引に対する断罪は当然ですし(その意味では今回の刑は重いとは言えませんが)、村上氏の主張していたようなこと –
ニッポン放送株は以前から買い進めており、LDの株取得の意向は大言壮語と受け止めた
が100万歩譲って仮に本当であったとしても、普通のファンドであれば社内の「Code of Conduct(行動規範)」に間違いなく引っかかるところでしょう。ただし、ファンドなどは裁判になった場合、すべてのことが「100%の全知全能の後知恵」で判断されるリスクを前提としていますから、いわゆる「李下に冠を正さず」にしているわけで、「行動規範に引っかかるようなこと」イコール「法の下で有罪」でないことも事実です。
私は法律には全くのトーシロで、また村上氏のファンでもないですが、少し気になったのがインサイダー情報になるかどうかの基準として、
実現可能性が全くない場合は除かれるが、あれば足り、その高低は問題にならない
という部分です。これはかなり問題があるのではないでしょうか。インサイダー情報が「重大な情報」であるかどうかということの判断には、一般的に合理的な投資家がその情報を得た場合に、投資判断を変えるほどの重大性を持つかどうかという点が重要であると思われますが、上のハナシですと、米国なんかでもどこそのカクテル・パーティかなんかでSECが集音機とテープレコーダーを回していれば出席者をほとんどお縄にできるんではないでしょうか・・・おそらく山のような状況証拠と照らし合わせての文言であって、ここだけ抜き出して云々するのは無意味なのでしょうが。
同社が現実に大量の買い集めを実現させたこと等に照らせば可能性は高かった
というのも完全に後知恵のハナシで、実際に起こったことをそれ以前に得た情報と関連付けるのはトリッキーな気がします。まぁ、これは「大量に買い集めていなければ、可能性は高かったとは言いきれない」ということですから、これで前の「高低は問題にならない」というのと一貫していると言えば言えますが。
あと、インサイダー取引はいわゆる「Scienter-based(故意に基づく)」の罪で、意図(故意)の証明も重要であると思われますが(例えば、情報を得たという事実の隠蔽やファイルをシュレッダーにかけたなど)、これに関しては完全に無視のようです(って、単に報道されていないだけかもしれません。あるいは、「決定」と「伝達」を認定しているのであるから他のことは要らんということかもしれません)。
市場はルールに基づくもので、ルール違反を重く罰するというのは当然のことですが、重く罰する反面で訴追や裁判には非常に高度の厳格性が求められてしかるべきだと思います。昔、「テロリスト、麻薬犯罪者、ファンド・マネジャーに共通するものナーンダ?」というので、答えは「法の下で疑わしきは罰せず(Innocent until proven guilty)の適用例外となる人たち」というジョークがあったのですが、
被告人は「ファンドなのだから、安ければ買うし、高ければ売るのは当たり前」と言うが、このような徹底した利益至上主義には慄然とせざるを得ない。
なんていうのを見ると、少し慄然としたりします。これは、「否認するなら情状立証くらいしないとひどい目にあうぞ」ということなのかもしれませんが、村上氏が怪しからんということと、牢屋にぶちこむのは別のことです。単に私の見ている報道の質に問題があるのかもしれませんが、少し荒っぽいような気がしたので。
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2007/7/9 月曜日
スティール・パートナーズがブルドックソースの買収防衛策の差し止めを求めていた件で、東京高裁はスティールの抗告を棄却したとのことです。
「不思議のおでん村」を地で行っているような気もしますが、これで皆さん安心して仲良く生活できるということで目出たし目出たし。
判決はどんなものか分かりませんが、毎日の報道によると、
東京高裁は、企業の経営に参加する意思がなく、株価を上昇させてから関係者に株式を高値で売りつけるような「乱用的買収者」は、「差別的取り扱いを受けてもやむを得ない」との判断を示した。その上で、スティールについて過去の投資活動を分析し、「投資ファンドという性格上、自らの利益のみを追求しようとしている存在と言わざるを得ない」とし「乱用的買収者」と認定した。
だそうです。個人的には「株価を上昇させてから・・・高値で売りつけるような」者は「株主平等の原則」の埒外にあるというのは理解できませんし(別に「グリーンメーラー」が悪いとも思っていませんし)、ブルドッグには実現が到底難しそうなお値段で買いましょうという大変奇特な連中に高価な「おみやげ」まで持たせてお引き取り願うというお金持ち会社の「太っ腹」も理解できません(なんでそれが「完勝」なのかも分かりません)。今後逆に「おみやげ」目当てのせこい連中が増えたりして・・・
東京高裁の決定はスティールなどの投資ファンドについて、「さまざまな策を弄(ろう)して、買収対象の会社の株式を転売することで売却益を獲得しようとする」との見解を示しており・・・
ちょっと目眩がしてきましたが、真っ当な策なら上がるでしょうし、真っ当でなければ本人が損するだけです(はは、本来的にはですが)。真っ当でないディールをアウトローにしたところで、市場の機能は強化されませんし、それは長期的には経済全体にとっては不利益だと思いますが。
といっても、日本にはまだ金太りした企業や、ROEの低い企業が山のようにあり、またスティールなどが可愛く見えるお金の亡者スマートな連中も山のようにいますし、日本でもそんなに優しい株主だけではないでしょうから、今後も同様な話は続くことになるのでしょうね。
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2007/6/18 月曜日

私、完全に世間から遅れておりまして「おでんくん」というアニメの存在を知らなかったのですが(しかし、シュールですねぇ)、昨日古新聞の整理をしていたところFTの読者欄におでんくんに言及した面白い投稿が載っておりました。FTの読者欄はときどき面白いのがありますが、日本人の投稿で笑えたのはあまり記憶にありません。東京の「Takashi, Ito」氏の投稿だそうですが、面白かったので少しだけご紹介・・・(原文こちら)
6月8日放送分らしいのですが、おでん村に外人が乗り込んできて、おでんの屋台を大金で買い取ろうとするハナシだったそうです。で、その外人が日本食がキライで、おでんを食べたことがないと分かりみんな激怒します。
その外人は屋台のおじさんを脅して、外人がおでんを食べたら屋台を売ると約束させます。ところが・・・外人はおでんを生まれて初めて食べてその美味しさに圧倒されます。で、その外人は涙を流して、おでんの屋台を取り上げることはできないと宣言し、リムジンで去っていきましたとさ。めでたしめでたし。
投稿のIto氏曰く
「株式持ち合いが解けて以来、日本人は間違いなく世界の動きに対してトラウマ状態にある。取締役会だけではない。子供の遊び場でもそうである」
いやはや・・・。これは14日付けのFTの「リヒテンシュタイン氏がブルドッグソースやサッポロビールが好きだと言っていれば少しはましだったかもしれない」と言う記事に対する投稿で、まさしくぴったりで笑ってしまいました。しかし、これって、教育上どーなんでしょうか?おでんくん可愛いですけど・・・やっぱりちょっとシュールです。
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2007/6/12 火曜日
年金で大層大荒れのようですが、タイミング良くというか悪くというか、日経で「公的年金給付水準、日本は主要7カ国中最低」という記事が出ておりました。曰く
現役時代の収入と比べた公的年金の給付水準は、日本の単身男性は4割と主要国で最低であることが経済協力開発機構(OECD)の試算で分かった。・・・(中略)・・・ 平均収入のある男性を例にとり、老後に現役時収入の何%の年金を受け取るかを試算した。日本の比率は39%で主要7カ国では最低。全加盟国の中で日本を下回るのはアイルランドなどしかない。
だそうです。で、他の国はどうなっているのか、ちょっと気になって元データと思われる「Pensions at a Glance 2007」をちょっと拝見すると(数字は平均収入のある男性の、現役時収入に対する年金給付額の比率)、
100%以上:ギリシャ、ハンガリー、トルコ
90%以上:オーストリア、ルクセンブルグ、オランダ、
80%以上:デンマーク、アイスランド、スペイン
70%以上:イタリア、韓国、ポーランド、スロベキア、
60%以上:ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ノルウェー、ポルトガル、スウェーデン、スイス
50%以上:オーストラリア、カナダ、ドイツ、米国
40%以上:ニュージーランド、英国
40%未満:アイルランド、日本、メキシコ
という感じになっています。えーと、制度も事情も全く違う国を比較しても云々、、、とは言え、レッセ・フェールのアイルランドと同水準とは・・・(絶句)
面白かったのはこの調査が発表された後、世界の各紙とも自国の年金制度を攻撃する記事が多いということで、例えば年金の多い方でのギリシャでは「年金がギリシャ経済の脅威に」なんて感じですし、低い面では日本とご同輩のアイルランドでは「OECD、アイルランドの年金に低評価」って感じで、これだけはどうやっても難しいようですねぇ。
OECD: Pensions at a Glance 2007
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2007/6/7 木曜日
「日欧が温室効果ガス半減で合意」で「米国包囲網」って・・・・
どうも最近誤解を煽る記事が多いようですが、日本は基本的に2012年の京都議定書の第1約束期間の後は「開発途上国も拘束されない限り拘束力のある数値目標には反対」しておりますので、基本的には米国とほぼ同じスタンスだと言えます。
しかも日本は京都議定書の締約国の中では目標達成が危ぶまれる最右翼の国の1つであり、国内での削減措置をほとんど行っていない国としても良く知られています。はっきり言ってこの問題に関しては安倍首相が胸を張れる点はほとんどありません。拘束力のある目標に反対ということは現在の京都体制に反対という事ですから、日本の「エコ」な方々がこれをあまり問題視していないのも不思議な気もします。
個人的には、議定書には長期目標も開発途上国の参加も欠けていますから、京都体制に反対ということ自体は論理的に別におかしいことではないと思っていますが、強制力のない「枠組み」はほとんど完全に無意味だと思っています(こうやって新聞ダネになるので政治家にとっては意味があるのかもしれませんが)。
米国やカナダの現政権のように不人気をおそれず「反対」と言うこともせず、欧州各国のように自らの身を(少しだけ)切ってリーダーシップをとる事もせず、外交の場での実体的な意味のない(国内向けの)パフォーマンスを行うリーダーに対して、各国の指導者は「老練な政治的マヌーバー」と見るのか、「第三世界並みのステーツマンシップ」と見るのかは分かりませんが。
「強制力のある目標なしに二酸化炭素を抑制する」などというのは、「駐車禁止の罰則・罰金なしに路上駐車を減らす」と言ってるようなもんです。国のお金で低炭素技術(駐車場の建設)にいくらお金を積んでも、安い高炭素技術(路上駐車)があるわけですから、強制的な目標(駐禁)なしにはケーザイ学的に見ても実効性のある温室効果ガスの抑制が不可能であるのは明確であるように思われるのですが。
「拘束力のある目標は省エネの進んだ日本に不利」などというのも良く聞きますがこれも分かりません。それを言うならば、少なくとも人口当りの温室効果ガス排出量、炭素集約度のどれをとっても、「拘束力のある目標」を主張している欧州のOECD加盟諸国の方が(日本とほぼ同等の少数の例外を除いて)日本よりも不利なはずです。
今はポスト2012年の国際交渉を視野に入れた駆け引きで各国ともバルーンを上げている状態だと思いますが(ブッシュまでが「長期目標」と言い出すくらいですから)、政権与党が極めて先進的な気候変動法案のドラフトを出している英国以外はあまりどこも「ぱっとしない」のが実情ではないでしょうか。まぁ、日本もその例にもれないということで、、、
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