2008/11/12 水曜日
とうとう「目標株価ゼロ」という証券屋さんのレポートまで出たGMですが、このままでは来年の早い時点にキャッシュがショートしそうで、民主党の方々は救援を訴えているようです。GMの屋台骨が揺らいでいる原因は、米国経済の状況ももちろんあるのですが、基本的には労組と製品戦略の2つに尽きます。製品に関しては、最近は努力の跡が伺われますが、いかんせんGMが望むほどアグレッシブにモデルチェンジを進めるだけの資金は残されていません。
労組に関して言えば、GMの工場労働者の時間当たり賃金は数カ月前の時点で80ドル前後と、なんと米トヨタの50ドル前後の6割増しです。もちろん、これは強力な労組の「おかげ」で、少し前までは組み立てとは関係のない例えば清掃関連の仕事であっても、低賃金の労働者を雇用するのは不可能でした。数カ月前の労組との「画期的な」合意で、清掃などの非中核業務には時間当たり賃金が25ドル程度の「低賃金」労働者を使用できるようになったそうですが・・・(11/18追記:最近のもの では、ビッグスリーの平均で73.21ドル/時間、トヨタ、本田、日産の3社平均で44.20ドル/時間としているものを見ました )
おまけに、GMは10万人の単位での過去の退職者とその家族への健康保険や年金を負担しており、この費用は過去15年間の平均で1年当たり70億ドルに達しています。まぁ、今までもっていたことを褒めるべきかもしれません。
大幅なリストラに加えて、労組の方々に給与や年金、ヘルスケアをある程度諦めて頂いて、その代わりにGMの株を付与するくらいしか解決法はないように思えますが、ペロシ氏やオバマ氏などの民主党の有力者は政府による救済を訴えているようです。新政権のグリーン・エネルギー政策と組合員の救済と言う一石二鳥を狙って、政府がお金を出す代わりに燃費の良い車の販売を義務付けるなどのアイデアが出されているようです。
しかし、死にかけているGMを今の労組に縛りつけたまま、消費者ではなく政府が望む車の販売を義務付けるというのは、まったくのナンセンスのように思えます。こんなことに政府が何100億ドルも出すようになれば、まさしくアメリカも「チェンジ」という感じがいたします。
GMは今年9月が100周年だったと思いますが、101周年はどうなるんでしょうか。
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2008/3/30 日曜日
第1四半期は大嵐になりましたが、金融、投資業界では嵐を生き残った人、沈没した人、相変わらずエゲツナイ人など、実力と運がシビアに試された期間でした。ここ3カ月は地獄のように忙しかったのであまり書けませんでしたが、最近数カ月でちょっと興味を引かれた(名経営者と言われていた/まだ言われている)人達のおハナシを一発。
1. やっぱりエグイで賞:ウォーレン・バフェットさん(バークシャー・ハザウェイ)
人の弱みに付け込んで「お前達の一番おいしい商売を買ってやるから、心安らかにお陀仏しろ」というのはフツー「救済」とは言わないもんですが、売ってくれないとなると、今度は自ら乗り込んで弱体化した連中の商売の奪取に動くあたり、年をとっても強烈にシビアなお方です。外が嵐だろうが、宇宙戦争だろうが、バークシャーの株を持ってる人は毎晩ぐっすり眠れることでしょう。
2. 明暗を分けたで賞:リチャード・コバセビッチさん(ウェルズ)とアンジェロ・モジロさん(カントリーワイド)
去年の米国のモーゲージ・ビジネスでは、オリジネーターとして1位だったのがウェルズ・ファーゴで2位でカントリーワイド・フィナンシャル、サービサーとしては1位がカントリーワイドで2位がウェルズでした。
しかし、結局カントリーワイドはボロボロになってバンカメに1株7.7ドルで救済買収され(1年前は45ドルくらいでしたが)、ウェルズはホーム・エクイティ・ローンで傷を負ったものの相変わらず結構な利益を出しており、コバセビッチさんも後任に無事席を譲って会長に収まるなど、名経営者と謳われた2人は対照的な結末となったようです。ただモジロさんは4000万ドル近い退職金や手当を断ったようで、一代で築いた会社の末路に対する無念さが少し見えるような気がしました。
あと、(今まで)無傷なところでは、ブラックロックのラリー・フィンクさんも、最近色々買った資産を合わせて1.3兆ドルでほとんど無傷というのは大したものではないでしょうか。一方でリーマンのリチャード・ファルドさんは色々煙が立っていますが大丈夫でしょうか?
おまけ: ベアーのとばっちりで賞:ジム・クレイマーさん
いや・・・。相変わらず面白い人ですが、この「ベアー・スターンズは絶対大丈夫。ベアーには問題なんで全然ない。ベアーの株を今売るのはアホだ」というのは・・・ちなみに3月11日放映です・・・
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2007/11/12 月曜日
先週後半はまたまた豪快に米国市場が下げましたが、少し「???」と思ったのが新聞の見出しの類いです。
米国のメディアなんかでも「サブプライム問題への恐れで市場下落」なんてのがデカデカのってましたが、これはもちろん30%位しか当っていない、、、というか70%は違うような気がします。
大体大下がりしたのは、サブプライム関連どころか「ドル安銘柄、グローバル経済銘柄、業績好調銘柄」のハイテクの大型株連中です。先週1週間で見ても、メディアが「下手人」としている金融はマイナス3%くらいでしょう(ハイテクは8%以上下げています)。それに先週はクレジット関係では、そんなにサプライズの話はなかったですし。
さて、問題のハイテクですが、最近は「ミニ・フロス」(バブルというほどでもないんで)状態で、ここ3カ月だけでもNASDAQ100は20%以上、年初来では30%近く上昇していました。つまり、何かきっかけがあれば、いつ大きく調整しても不思議はない状態でした。今回のきっかけはシスコのアウトルックが、皆さんが「イって」しまうほど強くなくって、失望売りがかさんだというところではないでしょうか。
火曜日の終値から見ると、ハイテクの調整具合が良く分かりますが、VMwareが20%以上、シスコ、百度が約16%、オラクルが約15%、アップル、ヤフー、RIMMが約13.5%、グーグル、アマゾンが約10%、比較的損害が軽微だったマイクロソフトでさえ3日間で7%以上下げています(シスコだけでも時価にしてほとんど330億ドルが吹っ飛んだ勘定になります)。
さて、サブプライム問題に、経済減速、そして今度は「最後の砦」が「陥落(しかし大げさですが)」ということで、American Association of Individual Investorsが調べたところでは、米国の個人投資家の50%以上が市場に対して「弱気」となっているようです。これは米国人にしては相当弱気な数字でかなり一般投資家が動揺しているのが分かります(ちなみにファンド・マネジャーなどの調査では弱気派は大体20%程度です)。
というわけで、かなりパニック気味に強烈な経済減速を織り込んでいる感じなのですが、来週はThanks giving商戦の最初の感触が少しずつ出てくる週ですので、それ次第で変わってくるような気もします。
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2007/10/1 月曜日
先週はニュヨークタイムズ が「ウォーレン・バフェット氏がベア・スターンズに投資か」というウワサを流して株価が一時的に急騰し、日本でも日経などがフォロー していました。
大体、状況が怪しくなってくると変なウワサを流す輩はどこにでもいるものですが(株屋さんの世界もアニマルの皮をかぶったアニマルが一杯いますので・・・)、大手のメディアまで一緒になってウワサを流すのは(いや、何らかの裏付けをとっておられたのだとしたら済みません)いかがなものでしょうか。
バフェット氏といえば、将来的にキャッシュフローを生む企業を割安で買うという典型であり、いまこの状況で(常識的に考えると)ベアに手を出す意味があるとは思えません(まだアタマもしっかりされているようですし)。
大体、最近でもバフェット氏が「投資を考えている」と噂された会社には、これまた住宅建設で火を噴いているホブナニアン(HOV)やら、同じく住宅ローンのカントリーワイド・ファイナンシャル(CFC)、建材のUSGコープ(USG)など死屍累々でみんなウワサのあと大きくへこんでいます。
この中でもベア・スターンズは一番あり得ないと言う気がしますが・・・おっと、そう言えばニューヨークタイムズもバフェット氏が買うというウワサの対象になっていましたが、ウワサが出て上がった時点からボロボロに下がっています。大体バフェット氏自身投資家へのレターで「新聞なんかあきまへん」と言っています。(これらの「買い」のウワサはNYTの腹いせでしょうか、ひょっとして・・・)
まぁ、一応きちんとしている(と思われている)メディアが率先して「ウワサ」の流布にはげむのはやめて欲しいものですが・・・(フツーならば報道しながらも疑いの一言くらいあっても然るべきだと思われます)。
Bloomberg
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2007/8/11 土曜日
数日前のことになってしまいますが、スティール・パートナーズがブルドックソースの買収防衛策の発動差し止めを求めた仮処分申請が最高裁に棄却されたそうですね。
ブルドックソースの買収防衛策は、「スティール以外のほとんどの株主が、買収で企業価値が棄損すると判断したといえる」ので「株主平等の原則の趣旨に反するものではない」らしいんですが、こんなことで「原則」が簡単に「曲がって」良いのでしょうか?
まぁ、2005年に経済産業省と法務省が共同で出した「企業価値・株主共同の利益確保または向上のための買収防衛策に関する指針」(すごい名前ですが)では買収者以外の株主に対してだけ新株・新株予約権の割当をしても株主平等の原則に違反しないというすごいことが書いてあるので、まったく驚くには当たらないような気もしますが(今回とはスキームが違うので厳密な比較対象にはならないんでしょうが)。
単純にパラフレーズして(はいけないんでしょうが)「多数が判断したら少数の者には同等の権利を与えなくても良い」というのであれば全然「平等の原則」なんぞ無いのと同じのような気がするのですが、法律の世界では違うのでしょうか。
全然カンケーないですが、仕事で「それはプリンシプルだろう」と私が言うと(すごい良い加減な人間なんでそんなことを言うのは本当に稀ですが)「それは譲ったらあかんのちゃう(譲ってはいけないのではないでしょうか)?」という意味ですが、これが日本の会社に行って「それは原則でしょう」などというと、「それはリクツで実際には当てはまらないから、うるさいこと言うな」という意味の場合が多いような気がします。何か「株主平等の原則」ってのもこんなもんなんでしょうか?「原則」なんて言葉は止めて「建前」とかにしとけば良いんじゃないでしょうか。
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