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January 06, 2006

マンキュー先生の新年7つの誓い

Mankiw-100ブッシュ政権のCEAの委員長なんかになったために、右からも左からもズタズタにされて学校に戻ったマンキュー先生ですが、1月3日のWSJに「Repeat After Me(私の後について繰り返してね)」というなかなか面白い文章を書いています。

これは新年に向けての7つの誓いの文章なんですが、別にマンキュー先生自身の誓いではなく、忙しくて考える時間のない政治家の代わりに7つの誓いを作ってあげた、という体裁になっています。そこで「後について繰り返してね」となるワケです。このうちのいくつかは日本の政治家にも使えそうですけど「Repeat After Mankiw」する人はほとんどいないでしょうねぇ(日米とも)。以下、さわりの部分を紹介・・・

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November 24, 2005

米国:株屋さんFedの議事録に大喜び

先日公開された11月1日付の連銀FOMCの議事録が意外に「ハト派」っぽかったので、「利上げ終了間近」のシグナルととったアメちゃんの株屋さんたちは、ただでさえ年末ラリーで気分が良いところに「連銀のクリスマス・プレゼント(まだ早いっちゅーに)」かと、狂喜乱舞の感があります。皆さん特に気に入ったのが、

Some members cautioned that risks of going too far with the tightening process could also eventually emerge.

一部の委員は、最終的に金融引き締めのプロセスが行き過ぎるリスクが現れる可能性があると注意した。

(頭完全にブル状態の皆さんの意見は「分かってるなら最初から言えよ。そんなにAGが怖かったのか。まぁ、あいつもそろそろ終わりだしな」というところでしょうか)とか、

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November 22, 2005

米国のインフレ論議:Barronsでも・・・

米国では、金利を引き上げ続ける連銀に対して、「インフレなんか大した水準でもないのに連中は一体何を考えてるのか」という批判がかなり強いですが(特に金融、不動産、カジノ、独立系電力などの「高レバレッジ」業界ではそうですが)、逆に「インフレは実質的には既に相当の水準に達しており、連銀はまたしても完全に出遅れている」という批判もこれまた金融界を中心にして結構あります。

そんな中で今週はWSJ発行の株屋さん御用達雑誌であるBarrons誌が売り物のコラムの中でインフレに対しかなり強い調子で警告しており、まわりではちょっとした話題になっていました。以下ちょっと紹介・・・

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November 18, 2005

GM、ダウ銘柄で最小に・・・

Gm Nav Logo
GMはとうとう21ドルちょっとでの取引となっているようですが、この株価だと時価総額は120億ドル(1兆4000億円程度)となり、(まだまだ大きいですが)米国最大級の企業がそろうダウ工業平均構成銘柄では、何と時価総額で最小の会社になってしまいました。ちなみにダウで時価総額最大の企業はGEで3,650億ドルになります。

かつての栄華を考えると信じられないような展開ですが、昔良かった米国企業のレガシー・コストの大きさや、リストラが遅れた企業の運命をまざまざと示しています。

米国では公的な健康保険が無いに等しいので(MedicareとかMedicaidとかは「栄光の」ビッグ・スリーの被雇用者には関係ありませんから)、労働者や退職者(およびその被扶養者)のヘルスケアはすべて企業にのしかかってきます。したがってGMの18万4,000人の組合労働者と68万人(!!)の退職者およびその扶養家族の健康保険がGMにのしかかってくるわけです(欧州、日本メーカーであれば大部分が税金で賄われるものです)。

大体、年金と健康保険で年間6-7000億円程度が優に吹っ飛ぶと言われており、現状では向こう10年間でこのコストは毎年2桁で伸びるとも言われています。まぁ、トヨタとかホンダとかいうサメが泳いでいる海を石をくくりつけて泳いでるようなもんですね。

退職者たちがお亡くなりになるのと(つまり健康保険のコストが下がるのと)、GMがお亡くなりになるのとどっちが早いかの勝負だなんて本当に笑えない話も聞きますが、カーコリアンなど超ウルサ方の株主や労組の出方も含め、今後のGMがどうなるかは気になるところです。

November 16, 2005

バーナンキ次期議長、上院銀行委員会で証言

連銀次期議長に指名されているバーナンキCEA委員長は、上院銀行委員会の指名承認公聴会で証言しましたが、注目の下りはやはりインフレーション・ターゲティングに関する部分ではなかったでしょうか。その部分の簡単な訳のみ以下に示します(証言の全文はこちら)。

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November 14, 2005

ベビーブーマーの引退が米国に及ぼす影響

米国のベビー・ブーマーも日本の団塊と似たところがあって、数は多いし、エネルギーが有り余ってて、やたら突撃するくせに変わり身は驚くほど早いという愛すべき人たちなんですが(わーごめん)、この人たちが今後米国の政策に与える影響についてメリルのDavid Rosenbergが話してるのをちょっと前に聞いて、少し面白かったので忘れる前に書いときます(ちょっと記憶があいまいで細部は間違ってるかもしれません)。もっとも私は個人的にはセルサイドの人たちの言うことはあまり聞かないように心がけてはいるのですが、Rosenbergはそこそこ人気があるだけにおハナシは上手でした。

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October 28, 2005

グリーンスパン退任までは利上げ継続の公算

次期連銀議長にバーナンキCEA委員長が指名されて、まわりのアメちゃんの株屋さんだとかファンマネの皆さんは相当というか天井が飛んじゃうんじゃないかというくらい大喜びしてました。

この皆さん方の本音をデフォルメして書くと、今の連銀の連中は常軌を逸したタカ派で、AGとかコーンなんてのはとんでもない(時代遅れの)フィリップス・カーバーやデマンド・サイダーで、連銀が住宅バブルや、経済成長率やら失業率なんかに注意を払ったり口をはさんだりするのは職権濫用の大間違いで、連銀は黙って商品価格や金融指標のハードデータだけに集中して、国内物価の安定だけ考えとけ、となります(まぁ、完全雇用は連銀の明示的な責務の1つなんで、職権濫用は定義上間違っていますが)。

特に最近ハリケーンが来ても、コアCPI、コアPCE、コアPPIのハードデータに大して動きがなくても、賃金上昇率が低下しても、おなじみの分かったような分からないような声明を出して利上げを続ける連銀には皆さんことにご立腹のようで、呪文のように「バーナンキ、バーナンキ」と唱えていたわけです。これはブッシュのバーナンキ指名直後の株式市場の反応にも良く現れていますね。

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October 25, 2005

ブッシュ、バーナンキを連銀議長に指名

ブッシュ大統領はバーナンキCEA委員長、元連銀理事を次期連銀議長に指名しました。米国株式市場もこれを好感し(ハリエット・マイヤーズ騒ぎの後なんでほっとしたのもあるかも)、ダウ平均はブッシュの声明の直後に117.7ポイント急上昇しています(企業の好決算もあり、最終的に169ポイント程度上がったようです)。

まだ上院の承認が必要ですが、ほぼ衆目の一致する候補者だったので問題は無いと思われます。以前にも書きましたが、バーナンキ先生とグリーンスパン議長の最大の相違点はおそらく具体的にはインフレターゲティングに対する姿勢の違い(バーナンキは長年にわたってインフレターゲティングの主唱者であり、グリーンスパンは一貫してインフレターゲティングに反対していました)、より広く言うと連銀の意思決定全般にわたる透明性に関する考え方にありますが、指名後のスピーチでは「グリーンスパンの金融政策、政策戦略との連続性を維持する事が第一優先順位」と答えています(まぁ、当たり前ですが・・・)。彼が独自色を出すのはある程度たってからになるでしょう。

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August 10, 2005

米連銀0.25%利上げ

米国連銀は大方の予想通り、FF金利の目標を25bp(0.25%)引き上げ、3.5%とすることを決定した模様です。これで昨年6月末から連続10回、合計で250bp(2.5%)の利上げとなります。

今回の連銀の発表前回とほとんど変わっていませんが、声明の中で前回と今回で違う部分だけ原文を示すと、

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July 12, 2005

(いまさらですが)米国長短金利の謎

今週のBarronsをパラパラ見てると、ここ数カ月いろんなとこで定番になっている米国長短金利の「謎」に関する記事がまた載っていたんですが、今回は長期債券強気3人組 (Van Hoisington、Gary Shilling、David Rosenberg)に焦点を当てていてちょっと面白かったです。

米国金利の謎っていうのは、連銀が短期金利(FFレート)を引上げているにもかかわらず、長期金利があんまり上がっていないってことで、連銀の短期金利引上げが始まってからもう1年にもなるのに長期金利はどかっと低め安定したままってやつです。連銀議長のグリーンスパンも「Conundrum(謎)」なんていってますね。

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May 25, 2005

マンキューのインタビュー

大統領経済諮問委員会(CEA)の前委員長のマンキュー先生は、傷だらけになって(笑)やっとハーバードに帰還されましたが、米国Fortune誌がマンキュー先生のインタビューを掲載しています。

もちろん前CEA委員長であるということを前提に読む必要がありますが、インフレターゲティングから、社会保障、貿易赤字・貯蓄問題、クルーグマン、財政赤字に至るまで極めて興味深く、面白い読み物になっています。おすすめです。

フォーチュン誌のマンキュー先生インタビュー

以下ちょっとだけ紹介

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May 23, 2005

グリーンスパン:米国住宅市場はバブルかバブルでないか・・・

FRBのグリーンスパン議長は、先週金曜日のニューヨークでのEconomic Clubでの講演(これは原油に関するものだった)の後で会場の質問に答えていた。

日本でもっぱら注目されていたのは元の切り上げに関する発言だったけど、ひょっとするとこれ以上に注目されたのが米国の住宅市場に関する発言だった。日本のメディアではあんまり取り上げられなかったので(というより、内容がいかにもグリーンスパンらしくて可笑しいので)、ここでちょっと取り上げてみよう。

米国の住宅市場がバブルかどうか、という質問に対して・・・

"There are a few things that suggest, at a minimum, there's a little froth in this market. While we don't perceive that there is a national bubble, it's hard not to see that there are a lot of local bubbles.'' (下線筆者)

いや、相変わらず分かりやすい(笑)ですなぁ。frothってのは「泡」ですから意味的にはバブルなんですが、まぁバブルじゃないけど少し「泡っぽい」ってことでしょうか。「全国的バブル」じゃないけど「局地的なバブルが一杯ある」と。ふむふむ。

"Without calling the overall national issue a bubble, it's pretty clear that it's an unsustainable underlying pattern. What we see are a number of forces, which are, as far as I can judge, not infinitely projectable."

えーと、まとめるとですね、バブルじゃないけど、持続不可能。バブルじゃなくて、泡。バブルじゃなくて、多くの局地的バブル。ということだそうです・・・・ そういえば、住宅価格に関しては4月22日にドナルド・コーン連銀理事もやや強い調子で言及していましたね。

金利政策とのからみで考えると、グリーンスパン自身は資産価格の(異常かもしれない)上昇に対して、金利引き上げで対応すべきとはあまり考えていないタイプのように見えるので(逆に資産価格の破滅的な下落があったときに、金融の大幅な緩和で対応するべきというスタンスにみえます)、住宅価格から(だけで)は金利政策に大きな影響はないのではないかと思います。

上記ニュースのソース:

Bloomberg
CNN

April 15, 2005

米国ジャンク債市場にバブル崩壊の危機?

米国でも日本でも、超ゆるゆるの金融政策が長年続いているけど(最近FRBは小刻みに金利を連続してあげてきているけど、ニュートラルよりはまだまだ緩いと思います)、金融が不自然に緩いと必ず信用が膨張してバブルっぽくなってくる。日本では国債かもしれないけど、米国では住宅、不動産、そして一番コワイのがジャンク債市場だろう。

最近GMの不調やインフレ懸念なんかで米国のジャンク債市場が揺らいでいるけど(GM自体はまだジャンクじゃないですけど)、こんなもんじゃ済まないと思っている専門家も多いみたい。ジャンク債を買うだけじゃなく、ジャンク債を買って、信用保証の付いたデリバティブをショートするとかありとあらゆる取引も蔓延していて、一旦市場がはじけるとどうなるか分からない。

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April 04, 2005

バーナンキがCouncil of Economic Advisersの議長に

バーナンキFRB理事がブッシュ大統領のCouncil of Economic Advisers(CEA:経済諮問委員会)の委員長に指名されたようだ。

もともとプリンストンの経済学教授・学部長だけど、プリンストンにいる間も連銀関係の仕事はかなりやってきている。グリーンスパン連銀議長の後任の有力候補の1人と見られていただけに、このタイミングでのCEAの委員長への指名はケッコウ微妙かもしれない。

もともと連銀の議長になるには政治との関わりの経験の無さが指摘されていただけに、CEAはよいステップかもしれないけど、逆にあと数カ月でCEAの委員長交代というのも可能性が薄そうな気がしないでもない。当面この人事と連銀の次期議長の人事を巡って憶測がとびそう。

バーナンキはインフレターゲティング論者と良く書かれるけど、連銀の政策の透明性を高めるためならインフレだけでなく、資産価格の上昇すら政策パラメーターに明示的に入れかねないくらいの先生である(だから「単なる」インフレターゲティング論者っていうのは間違いだと思うよ)。という点でグリーンスパンとはかなり対照的と言える。

ブッシュ大統領はChief Economic Advisorに選挙の金集めのプロであるアラン・ハバードをあてるなど、空席の目立つ財務省とも合わせて経済関連はかなりおそろしい人事をおこなってきてるけど、今回は久々に大物(経済に関してはね)の起用となったみたい。ブッシュちゃんには珍しく、マルの人事だとおもいます。

後記:ところで日経から「リフレと金融政策」という本が出ていますが、すべてFRBのウェブサイトにのっている文章を訳しただけのものなので気をつけてください。日経もえげつないショーバイしてますなぁ。私も地雷踏んだ一人ですが。。。。

March 27, 2005

Bush政権の金庫番はガラガラ

ブッシュ政権の2期目は社会保障、年金、税制改革とかなり重い課題が山積みとなっていますが、どうも手足となる財務省はガタガタの状態のようで、The EconomistNew York Timesなど懸念を表す向きも増えています。で、ちょっとみてみると、

財務長官:ジョン・スノー
副長官:空席
次官:(国際関連)ティム・アダムス(現在指名中、現職ジョン・テイラーは4月22日付で辞任)
次官:(国内財務)空席
次官:(Enforcement)スチュアート・リービー

長くなるのでこの下は省きますが、次官補クラスまでみても3分の1程度が空席という恐ろしい状態です。しかもジョン・スノーを含め経済に関しては大半が軽量級といっても良い布陣になっています。The Economistにいわせれば「経済学者よりビジネスマンを重用している表れ」か「政策のセールスマンさえ確保すれば後は上手くいくと思っている」のではないか、となりますが、さすがにそこまで単純なんでしょうか(可能性がないとは言えませんが)?

米国のガクシャの中には「給料が低いわりに、権力がないから」なり手がないなんて言ってる人もいますし、ブッシュ大統領のアドバイザーになったばっかりにガクシャ連中から「総スカン」を食ったマンキュー(マンキウ)先生の例もあってなり手がないとも思えますし、能力よりも忠誠度が問われるという印象のある政権では能力のある人がよってこないとも考えられます。

どちらにしても米ドルがフラフラしているこのご時世にちょっと危なっかしいですね。アルゼンチン危機やアジア通貨危機、あるいはLTCM危機みたいなことがあれば結局アラン・グリーンスパン頼りってことになるんでしょうか。彼の任期も残りわずかですが、、

March 07, 2005

ブッシュに「やさしい」グリーンスパンに非難集中

Greenspan
グリーンスパン連銀議長が先週ブッシュの減税、社会保障改革に控えめながらもプラスとなる議会証言をしたことから、もともとグリーンスパンがブッシュの減税に「お墨付き」を与え続けてきた事を快く思っていなかった民主党の連中の怒りがとうとう爆発したようだ。(記事:ヘラルド・トリビューンFinancial Timesなど)

グリーンスパンはクリントン政権時代も辣腕を振るって民主党政権下の好景気の立役者となり、「不偏不党」の有能な金融テクノクラートというイメージがあったためか、可愛さ余って憎さ100倍、民主党のみなさん余計に頭に来ているようだ。民主党系のケーザイ学者連中も「裏切られた」なんてそろって怒りを表明している(例えばクルーグマン先生)。民主党系メディアも結構多いのでそこそこの騒ぎとなっている。

しかしねぇ、これはちょっとお門違いのような気もする。グリーンスパンが有能な金融テクノクラートだということは確かなんだろうけど、彼は「まっとうな社会では政府支出はGDPの5%以下であるべき」っていうような、長年のアイン・ランド(Ayn Rand)信奉者でガチガチの「保守主義者(経済学的な意味でね)」なんだから、民主党やケーザイ学者の方々がもともとありもしないグリーンスパンの「幻影」を勝手に愛していたという方が正しいような気がする。

「財政政策に金融当局が口をはさむな」ってのも分かるけど、あまりにインパクトの大きいものに関してはそんなに簡単じゃないかも(そういえば昔、速水日銀総裁も構造改革の加速を小泉に直訴してたね)。それに口をはさんだとしてもブッシュの政策の非難をしてればこんなにも騒がれなかったんだろうから、勝手にイメージが作り上げられるスターってのも辛いものがあるね。

May 09, 2004

米国雇用統計2カ月連続で予想を上回る

米国の雇用統計によると4月の雇用増加(非農業)は288,000となり、3月に続き予測を大きく上回った。おまけに3月度のデータも上方に修正され337,000となった。これで過去8ヶ月の雇用増加は100万の大台を超えたことになる。増加は主にプロフェッショナル・サービスだが、製造業での雇用が2000年の7月以来初めて増加するなど、増加は広範にわたっている。それにしたがって利上げ観測も強くなっており、ゴールドマン・サックスなどは年末まで利上げはないとしていた従来の予測から、年末までに1%のFFレートの利上げと予測を上方に修正しているが、ここらへんが大体市場の予想のようだ。

と、まあ利上げに関してはちょっとばかり市場の観測が先走っているような気がしなくもない(まあ1%上がっても歴史的に見ればまだまだかなり低いレベルと言えるけど)。経済が好調なのは確かだけど、雇用にしても、ここ数カ月の増加を入れても2000年末から考えれば230万の雇用が失われていることになるし、失業率5.7%は連銀の考える完全雇用のレベルでの失業率をかなり上回っている。雇用者対人口の比率も上向いていないし、おまけに先頃発表された第1四半期の生産性は非常に高く雇用にはプレッシャーをかけ続けるだろう。ってわけで米国経済のギャップが埋まったわけではない。

連銀は先週(雇用統計発表以前に)、利上げに「慎重な」アプローチを取る(以前は「忍耐する」だったから、利上げにはまた一歩近づいたわけだけど)としたけど、「慎重」以上になるには雇用データが引き続き好調であることと、インフレ率が予想以上のジャンプを見せるなどのことが必要じゃないかしらん。とゆーわけで、このままの状態だと、6-8月に+0.25%、後は状況次第ってとこ?

April 23, 2004

アラン・グリーンスパン

アラン・グリーンスパンは今週火曜日、水曜日と議会で証言したが、内容はなかなか楽観的なものだった。連銀の関心の中心はインフレと雇用だが、インフレに関しては「デフレの危機は終わった」(火曜日)と現在の超低金利の主な理由となってきたデフレの危険性が遠のいたとの見方を示した。雇用に関してもやや明るい見通しを示した。

ただ、まだ経済には需給ギャップがあり、おまけに生産性の向上が続いており、インフレに関しても雇用に関しても簡単には上昇しないとの見方を付け加えるのを忘れなかった(つまりすぐには利上げを要求するレベルではないってこと)。

セントルイス地区連銀のBill Pooleや、ダラス地区連銀のBob McTeerといった「早期利上げ主戦派」からするとちょっと物足りないところだろうけど、アラン・グリーンスパンは1994年の利上げが引き起した大混乱を繰り返す気は毛頭無いだろう。つまり、早めに利上げを何度も警告しておいて、実際の利上げがあまり経済的にインパクトを与えないように細心の注意を払うだろう。とゆーことで今回の証言は「銃の安全装置を外しましたよ」というアナウンスってところだ。

1994年とは違って、今回は市場もそこそこ利上げを織り込んだ動きを示してきている。経済学者がよく使うやつにTerm StructureのExpectation Theoryってやつがある(これは統計学的なテストでは実証されていないーでもケーザイ学者はよく使う。うむ、、、単に他にツールが無いからかも、、、)。で、それで米国市場の利上げ期待をざっと見てみよう。現在(4月20日のデータ)のUS政府債券のTerm Structureは、

Maturity   Yield

3ヶ月    0.99%
6ヶ月    1.16%
2年     2.14%
3年     2.61%
5年     3.51%
10 年     4.45%
30 年     5.26%

上のデータから、市場は2004年8月に0.25%のFF Rate(Federal Fund Rate - 日本で言えば翌日物コール金利にあたるんでしょうか)の利上げ、2006年の春にはFF Rateは3%以上になり、2007年春にはFF Rateは4%以上になると期待しているとゆーこと(あてにならんExpectation Theoryによると)になる。ただ市場は今雇用データ等の動きに極めて敏感だから、この先どーなるかは「神のみぞ知る」だ。グリーンスパンも安全装置は外した(と解釈されるような物言いをした)けど、撃つとも撃たないとも言っていないでしょん。

March 17, 2004

アメリカのバブル懸念とアラン

アメリカで大規模なバブルが進行中という懸念が広がっている。それとともに金利をそろそろ上げないと、最後には強烈な調整になるという論調も目立ってきている(モルガン・スタンレーのStephen Roachとか、英国のThe Economistとか最近ではNew York Timesまで)。2000年以来、パブリックセクターと民間をあわせて借金は6.5兆ドル(!)増加しており、消費者は不動産の値上がり等を背景に借金まみれになりつつ消費(と投資)を続けている(昨年1年で家計の借金は9000億ドル増加している)。

アメリカ経済は1999-2000年のハイテクバブルの崩壊をそれほど傷を負わずに切り抜けたけど、これはもちろん大規模な財政出動と金融緩和によるものだ(連銀の連中は日本のバブル崩壊に関しては相当研究していた)。ただこれが結局、不動産などのバブルを呼び起こした、ってのが大方の主張だ。

では、連銀は早期に金利を上げるだろうか?その答えはたぶんノーだ。経済があるていどバブル化してるのはたぶん確かだけど、今までの発言を見る限りアラン・グリーンスパンは金利引き上げによるバブル抑止は適切な政策ではないと考えているフシがある。つまり、バブルが崩壊した後、大規模な流動性を市場に注入して崩壊のダメージを和らげるのが中央銀行の役割であって、中央銀行は資産価格の上昇に対して金利政策で対応すべきじゃないって事(ただいまや金融政策は相当ゆるんでるからバブルがつぶれたらどーすんのってゆー意見も多いけどね)。

で、これが妥当かどうかって事になると、意見がわかれるとこだ。米連銀でもBernankeとかは大昔から、最近では欧州のセントラルバンカーの多くも資産価格の異常な上昇に対しては中央銀行が早期に金利政策で対応すべし、という主張をしている。バブルが崩壊した時の経済的ダメージを考えれば、まぁ、一見まっとうなように見えるけど、これはお利口さんたちが考えるほど簡単なモンじゃない。

一般的に言えば、資産価格は経済のファンダメンタルがあがっても上昇するし、バブルでも上昇する。それに資産価格は株を見ても分かるように、将来の価格を先取りする(今500円のモンでも将来1000円の価値になると分かったとたんに1000円になる)。で、中央銀行の連中にとっても資産価格の上昇のどれだけがバブルでどれだけがファンダメンタルに基づくものなのかを見分けるのは結構難題だ。つまり、資産の(将来の)適正価格に関して中央銀行が判断し得るか(そして判断してその結果金利スタンスまでを変更するべきか)どうかっていう問題になると、誰も単純には答えられない(金利政策は資産価格だけじゃなくて経済の隅々にまで影響を及ぼすしね)。それに経済にあんまり口をはさむと先人が苦労して確立した中央銀行の独立性にまで火の粉がふりかかる可能性もある。

あと、低金利は長期的な経済成長に関して必ずしもプラスではないって事は以前のメールマガジンでも書いたけど、低金利が合理化されるケースがひとつある。それは経済成長があんまりにも遅くって雇用等の経済資源の利用が低調な時だ。つまり、リスクの割にリターンが低くっても、(失業とかで)資源が完全に遊んじゃうよりはマシでしょっていえるときだ(低いリターンでもゼロよりましってこと)。現在のアメリカがこれにあてはまるかどうかもこれまた議論のわかれるとこだけど、少なくとも雇用とインフレ率を見る限りは、金利を近い将来上げるっていうスタンスに変える程ではないんじゃないかしらん。でも投資には気をつけてね(ウォーレン・バフェットなんかも、今はなんでもかんでも高すぎてとても買う気にならんなんて言ってる)。

March 10, 2004

アメリカのサービス産業労働市場動向ー明日は我が身か?

アメリカでの雇用はサービス産業でさえ、ここのところ伸びが低いけど、理由として良くあげられてるものの一つに(ブッシュの政策を除いて言えば)、ITによる生産性の向上がある。つまり、ITのおかげで(せいで)昔より少ない人数で昔と同じ仕事ができちゃうって理由だ。そこでBLSのデータから、どんな仕事がふえて、どんな仕事が減ってるのかちょっと見てみた(けっこうヒマ人?)。アメリカで起こってる事は結構時間差をおいて日本でもおこるんで、どんな傾向なのか興味のあるとこだ。2003年2月から2004年の2月の1年間の雇用の増減をアメリカの主要サービス産業に関して見ると下のようになる。

卸売・商業  -21,000
小売り +24,000
運輸・倉庫 -56,000
ユーティリティー(電力・ガスなど)-5,000
通信 -52,000
情報(通信以外) -17,000
金融 +54,000
プロフェッショナル、ビジネスサービス +253,000
教育・医療サービス +291,000
娯楽 +86,000

ふーむ。たしかにシステム化で効率化できそうな仕事は減ってるとゆー見方も出来る。プロフェッショナル、ビジネス・サービスってのは、IT関係、法律、広告、エンジニアリング、コンサルティング、会計などなどのサービスだが、たしかに医療、教育と同様システム化で人減らししてどーこーという仕事じゃなさそうに見える。オフショアリングでインドとかにサービス関係(システム開発やら、遠隔医療やら)の仕事が流出してると騒がれてるけど、数字で見る限り全体としてこの手のサービスのアメリカにおける雇用は伸びてるってのがわかる。たぶんこの手の傾向は日本でもあきらかになってくるだろう(もうなってるかしら?)。

February 25, 2004

アメリカの職はインドに消える??

(国際経済に強くなろう)第34号:2004年2月25日発行分

みなさま、ご無沙汰しています。地獄の論文書きで、またまた大分休んでしまいましたが、お元気ですか?(前回と全く同じセリフ、、)おかげさまで、論文も終わってのんびり(ええかげんに働かんか!)してます。休んでいる間、おしかりや激励のメール大変ありがとうございました。楽しみにしてますので何でもいいから書いてやって下さい(ぺこり)。

今回は復帰第一発(?)とゆーことで軽く(いつもの事だけど)、現在米国大統領選の議論でもかなりズーム・アップされているアメリカの職の海外流出について考えてみよう。成長めざましい中国や振興アジア諸国に囲まれた日本にとっても他人事じゃない(かもしれない)。

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