止まらない信用の拡大に業を煮やした中国当局が一部の銀行に新規融資の停止を求めたという報道が28日に流れて大騒ぎになった。実際には一部のメディアの張り切りすぎ(というより誤報に近いような気もするが)だったようだが、中国経済のスローダウンによる商品市場の低迷をおそれて商品価格の影響を受けやすいオーストラリアドルが売り込まれたり、中国経済に対する期待と不安の大きさをはからずもさらけ出すこととなった。
市場の騒ぎに驚いたのか中国の規制当局は即座に、5月の休みに入る前に融資の審査・実行を慌ててしないように指導しただけだと発表している。中国当局は最近の準備率引上げ、特定業種に対する融資を控えるようにとの通達などの引締め策がどれくらい効果をあげているか見極めようとしているところであり、休み前にみんな急いで融資案件を片付けようなどとされると、月次の融資残高のデータが歪んでしまうという背景があったようだ。
温家宝首相も「全てを切ることのできるナイフのような」政策はとらないと何度も強調しており、規制を行うにしてもマイルドな規制を積み重ねるという形になるだろう。もちろん手がつけられなくなった場合の手段は「全てを切ることのできるナイフのような」強力な規制あるいは金利の操作ということになるだろうが、急速な冷却あるいは通貨・資本市場の混乱は当局が一番怖れているはずだから、これは最後の手段ということになるのではないだろうか(金利はかなり規制されていて、預金金利、貸出金利などの金利は規制変更の一部としてある程度いじられる可能性はある)。
ところで情報が錯綜していて、どのような通達が実際になされ、なぜこのような報道になったのかが良くわからないが、少なくとも昨日夕方には中国当局は通達の内容に関してそれほど大騒ぎするものではないということを発表しているにもかかわらず、今朝の日経の朝刊などはそれには少しも触れずまだ「中国政府が一部銀行融資の停止に踏み切り云々」などという記事を載せているのはなぜだろう?今日は米国株安もあって日経平均は大きく下げているが、中国関係の報道による下落も大きかったような気がする。はっきり言ってこれは日本を代表する経済メディアとしては怠慢なんじゃない?それとも過熱してる中国関連株の熱を冷やそうっていう老婆心(陰謀?)だったりして。