2009/6/17 水曜日

雑談:イランの選挙:悪化するアメリカ人のビョーキ

米国人の「米国中心主義(というか、日本人と同じで外国のことをほとんど知らんだけだったりしますが)」には時々呆れさせられますが、どうも最近「一国主義」のブッシュ時代よりもその傾向が一層激しいのではないかという気がすることがあります。

レバノンでの選挙では、選挙結果が「オバマ大統領のカイロ演説のおかげだ」とマジで信じてる方々が結構いたりして脳ミソが溶けそうでしたが、今度はマスメディア一丸となって「イランの選挙は不正だ」とか「米政府は民主派を見殺しにするな」とか、テヘランでの騒ぎをほとんど天安門事件のように騒ぎ立てています。今までの「対話路線はサヨク、強硬路線はウヨク」というのもイランに関しては少し怪しくなってきたような感さえあります。

イランの選挙で不正があったかどうか私には分かりませんが、テヘランのカフェでインテリゲンチャや若者相手の取材ばかりしているマスメディアの連中もそれは同じではないかと思われます。

そこそこ信頼性のあるように思えるNPOのTerror Free Tomorrowの選挙前の世論調査では、大体今回の得票率と近い結果が出ていますし、選挙前のテレビ討論でも、アフマディネジャド氏がポピュリストの面目躍如で、ムサビ氏を圧倒していたように思います。

それに今回のアフマディネジャド氏の得票率は、前回2005年のラフサンジャニ氏相手の決選投票での得票率と大体同じですから、得票率(と自分たちの趣味)だけで「不正だ」と騒ぎ立てる米国のメディアと若い方々には極めて危険なものを感じます。

米国との摩擦や核武装問題、そして民主主義以外にも、イラン人には心配すべき内政問題や経済問題が数多くあって、それにより投票の意思決定をする可能性があるということがどうやら多くのアメリカ人には想像できないようです。核武装したイランが危険だということと、アフマディネジャド氏が国民の支持を受けているということが十分に両立し得るということも、アタマが拒否しているようです。

ちなみに、アフマディネジャド氏は今回の選挙戦で”MA MITAVANIM”(Yes We Can)と銘打ったプロモーション・ビデオを使ったり、自分こそ、今までムサビみたいな革命体制のエリート連中がアンフェアに築いてきた富を貧しい層に再分配する「改革派」だ、というようなポジショニングを取ったりして、実際にはイランの選挙での「オバマ」は、ムサビ氏ではなくアフマディネジャド氏だったのではないかという皮肉な見方もできるのですが・・・

ただ、今回の騒ぎは、米国と付き合わざるを得ない国にとっては、米国世論の操作の可能性という面で1つのヒントを与えるものではあるかと思います。

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