北朝鮮がまた核実験を実施し、そして米政府は今のところまた相変わらずの対応の構えのように見えます。オバマ大統領の声明に曰く
北朝鮮の威嚇的な行動により引き起こされた危険に対しては国際コミュニティによる行動が必要である
北にとっては恐ろしくも何ともない、形式上の「お怒りの言葉」をまたまた出すくらいしか「国際コミュニティ」にはできないのではないかと思いますが(今回はもう少し格好を付けるかもしれませんが)、そろそろ日本人も北の核保有に対する米国の最終的なシナリオを想定しておいた方が良い気もします。
米国にとってもオプションは大してあるとは思えません。
1. 北に対する米主導の軍事行動:まず問題外。中国と再度衝突する可能性すらあります。
2. 制裁強化:北が核をあきらめるほどの(その可能性が少しでもあるとして)、あるいは北が崩壊するほどの厳しい制裁には中ロが反対するでしょうから、これも可能性が低いとでしょう。
とにかく、北が揺らぐような措置には中国が必ず反対するでしょうし、米国の現政権には中国と対決する気は毛頭ないようなので1も2も現状ではアウトでしょう。
中国にとっては、北が万一崩壊でもして、そして万が一にでも親米政権などができて、近くに米軍基地などができることに比較すれば、過去の「血の同盟国(で核保有国)」の方がはるかに「マシ」ということになります(今回は少なくとも形の上では、以前よりもかなり強い「お怒りの言葉」を発するでしょうが)。
したがって、中国がこの件でマジで協力することがあるとすれば、中国はおそらくその交換条件として「(少なくとも将来における)朝鮮半島からの米軍の完全な撤退」あるいはそれに類する条件を求めることになるんじゃないでしょうか。そう言う面では中国にとっては北朝鮮が突っ走って、それに対する措置の必要性が高まるほど、自国の交渉カードが強くなるという面もあります。
というわけで、米国にとっての3番目のシナリオは
3. 中国の協力による北朝鮮政権の屈服、または交代/崩壊 -> 北の「中国化」、長期的に朝鮮半島全域における中国のプレゼンスの増大と米国のプレゼンスの低下
ということになります。米国はこれがいやなら
4. 北を「各クラブ」の一員として(明示的にしろ、暗示的にしろ)認めて、そのようにつきあう。しかし第3国やテロ組織への核技術の流出がコワいので、その代わり核拡散に対するそれなりに厳しい条件を付ける。
というようなところでしょうか。しかし、これはイランなどへの波及もあり得るので米国にとっては3と同じように困難なことです。もちろん、今の米民主党周辺では
5. 「交渉してるうちに少しはマトモな政権ができる」
という都合の良い夢を見ている向きも多いようですが、これは最終的には3か4への「つなぎ」にしかならないのではないでしょうか。今の政権にとっては、これが一番簡単そうな気もしますが。
いずれにせよ、国連決議だろうが制裁だろうが、大した意味がないのは歴史が実証済みです。どう転んでも、日本人にとっては非常にユーウツなことではあります。
