数日前にマケイン大統領候補が「ワシが大統領だったらコックス(SEC委員長)はクビだ」とか言って少し話題になっていました。
マケインおじいさんの挙げている理由はそれほど感心できるものではないのですが、最近の空売り禁止のドタバタなどを別にしても、コックスの下でのSECが今回の大惨事の一因を作ったことは否めません。
2003年までは、基本的に全米のすべてのブローカー・ディーラーのレバレッジ(debt to net capital)はExchange Act Rule 15c3-1(net capital rule)により、12対1が上限とされていました。それに加えて、資本の計算では、資産の価額に相当なヘアカット(割引)が適用されていました。Net capital ruleは1975年の導入ですから、30年近く大した綻びもなく機能していたことになります。
SECは2004年にいわゆるConsolidated Supervised Entity(CSE)のコンセプトの導入に伴い、大手5社に限定してこの規制の適用外とし、法外なレバレッジを可能にしただけではなく、その際に従来の手法では適用されていたヘアカットも廃止しています。
さて、このConsolidated Supervised Entityに選ばれた「栄えある」5社ですが、ご想像の通り、ベアー・スターンズ(沈没)、リーマン・ブラザーズ(沈没)、メリルリンチ(沈没)、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックスと錚々たる面々になっています。そしてモルガン・スタンレーとゴールドマンは銀行持ち株会社への移行で商売替えですから、CSEモデルの規制はわずか4年で完全に破綻したといえます。
今回の大混乱の原因の1つにこれらの会社が無理なレバレッジを積み重ねたことがあると思いますが、コックス委員長はこれには目をつぶり、空売り規制や、一定の格付けの義務付けの廃止検討など、パニックでアタマがグチャグチャになってるんじゃないかと思われます。クビにしたところで問題が何一つ片付くわけじゃありませんが、責任は免れないでしょう。
– 追記:9/28/2008 –
てなことを書いてから何日もしない間に、コックス御大は突然「CSEは廃止します。失敗でした」との声明を発表したようです。相変わらず、自分のお尻をカバーするのは早いです・・・

