
フレディとファニーでポールソン長官はとうとう「バズーカ砲」をぶっぱなしましたが、今月はまさにポールソン長官の月でした(ってまだ9月終わってないですが。いやー長いですねぇ・・・・)。長官は着任以来、一生懸命に動いていたのは分かるのですが、(ベアーの時でさえ)財務長官というよりはどちらかというと「ソリューション・ブローカー」という感じの動き方で、本当に自らロケット砲をかついでぶっぱなすことは無いと思っていた人も結構いたと思います。
実際、財務省は少し以前からフレディとファニーに対する資本注入に関する気球(というか警告)を盛んに上げていましたが、8月の終盤にはファニーとフレディの株価がやや反発するなど、この時期に至っても「結局200-300億ドル程度を両社に追い貸しして次政権に問題先送り」と見た向きもいたようです。なめられたもんです。仕方ないですが。
ブッシュ政権のフレディーとファニーに対する敵意は有名で、フレディとファニーの「首を取る」シナリオは、フレディがブッシュ政権との約束を簡単に無視して資金調達を行わなかった5月くらいから本格的にバックグラウンドで動いていたと思われます。ただ、あまりに手強い敵であるため(ブッシュ政権は2000年代初盤にも、フレディーとファニーの規制強化を目的として全面戦争を仕掛けましたが両社の政治力の前に完敗しています)、実行に関してはタイミングを待っていたのではないでしょうか。
何と言っても両社とも政治的には「石山本願寺」なみの堅城の上に爆薬を山のように抱えているため下手に手を出すと大惨事となり、選挙中の大事な時期にファニーとフレディーの「お友達」の民主党の総攻撃を浴びる可能性があります。フレディとファニーの1989年以降の献金先を見ると、1位が民主党のクリス・ドッド(上院銀行委員会議長)、2位がジョン・ケリー、3位がバラク・オバマ、4位がヒラリー・クリントンなど、大物がずらりと並んでいます(Federal Election Commissionのデータ。しかし、GSEの連中が議会相手にロビーイングとは滅茶苦茶です)。任期の迫ったブッシュ政権としてはフレディーとファニーにトドメをさす最後のチャンスであったとも思われます。
世間では「追いつめられて」と言われているようですが、この人たちそんなに可愛いタマなんでしょうか。今回の問題の中心の住宅金融の本丸を一気に攻め落とした後は、リーマンをいとも簡単に外に放り出したり、AIGに爆弾処理班出動させたり、今度は「7000億ドル出せ。出さないで市場が混乱したらお前達の責任だ」と言わんばかりに議会相手に凄んだり、怒濤の寄りで完全に本気モードの様です。今後も決して展望が明るいわけではないですが、コワくて誰ももうナメないでしょう。
7000億ドルのパッケージに関しては、民主党は不良資産の買取に参加する企業の経営者の報酬カットと、住宅所有者の救済プログラムの追加を求めているようですが明らかに守りに入っています。長官は強行突破する肚ではないでしょうか。
