日本の公的債務はGDPの160%とか、770兆とか780兆とか、まぁとんでもない額になっています。底が抜けるととんでもない事になるとゆーので、誰の背中も凍り付き何も言えなくなる額ではあります。財務省はバランスシートの試案を出していますが、公的な資産などは実際には売れないものが多いので、実際の債務超過額は発表されている241兆ってなもんではないんでしょうね。
で、対策は第1に歳出削減、第2、第3が無くて、第4に増税、第5、第6がなくて、第7にインフレなんて話なんですが、日本の国民はこの数字にあまりビビって拙速になる必要はなく、理性的に自分たちに降りかかる負担を考慮しながら債務圧縮のオプションをゆっくり考えるくらいの余裕はあるという論文を最近ちょっと見つけました。財務省の脅しにあまりに敏感に反応する必要はひょっとしたらないかも?
この論文はコロンビア大学経済学部の副学部長であるDavid Weinstein教授と、論文執筆当時はニューヨーク連銀のエコノミストで現在はシカゴ大学経済学部のChristian Broda助教授によるもので、昨年9月のもので少し古いのですが、彼らの結論によると日本の公的債務は、今後日本がどの程度の公的支出を行うか有権者がまだ決定する余地のあるものであるとしています。
まだざっと読み飛ばしただけなので、不正確かも分かりませんが、彼らの論文のベースの1つは、政府機関、準政府機関の間での債権債務、例えば日銀や他の公的機関が保有する国債などは公的機関全体の正味で見れば、債務と資産で打ち消し合うので実質的な債務とはならないというものです。この影響を取り除くと、日本の正味の政府債務はGDPの46%になり、これに公的機関が民間セクターに対してもつ不良債権を足して、日本の正味の政府債務はGDPの62%となるというのが彼らの計算です。これでも結構高いんですが、OECDの平均を少し下回る程度になります。
彼らは、いろいろなケースで公的債務を持続可能とするための課税水準を推測していますが、最悪の事態でも、日本の公的債務は課税水準を平均的なEU諸国並みまで上げるだけで持続可能であるとしており、最も妥当な水準としては3%から9%の課税水準の上昇が必要であろうとしています。これでも相当きついとは言えますが、彼らの計算が正しいとすると、巷で言われている破滅的なシナリオには根拠がなく、財政崩壊の可能性は低いということになります。
余談ですが、経済学はろくな事を予想しないので「Dismal Science (陰気な学問)」と言われているのですが、この論文のタイトルは”Happy News from the Dismal Science”と「陰気な学問からの良いニュース」というタイトルとなっています。
ちなみに昨年のEconomistでも紹介されていたものです。
論文の全文は下のリンクからダウンロードできます。
Happy News from the Dismal Science
追記:コメントして頂いた方から、こちらのサイトにこの論文の要約が出ているとの情報を頂きました。上の駄文よりもはるかにきちんと要約されているので一読をお勧めします。あと、翻訳も出ているようです(驚きました)。訳書の情報も上記リンク先にあります。
