全般的に企業決算は昨今明るくなっているようなんですが、まだ「日本経済の二重構造」(つまり、国際競争にさらされて強力となった製造業を中心とする輸出産業と、規制などで生産性の低い国内産業の二重構造)はまだ温存されたままです。政治家のレトリックとは裏腹に「規制緩和」といってもほとんど進んでいないのが現状ではないでしょうか。
中間決算で百貨店大手3社(三越を除く)が増益決算だそうで、これはこれで目出たいんですが、最新四半期の営業利益率をざっと見てみるとざっと以下のようになります(Yahoo! Finaceより、連結)。
大丸:3.1%
高島屋:2.9%
三越:1.7%
これは、全体的に低収益の国内産業なのであまり目立ちませんが、例えば、同じく「百貨店は絶滅する」と長らく言われている米国の同業者の最新の四半期の営業利益率をちょっと見ていると、下のようになります(Dow Jonesより)。
フェデレーテッド・デパートメント:8.0%
J.C.ペニー:4.6%
サックス:3.4%
業績不振で事業売却の激しい圧力を受けている高級百貨店サックスでさえ、日本の大手百貨店を凌いでいます。まぁ、会計基準も少し異なりますし、同じ百貨店といっても業態的にはかなり異なりますので直接的な比較は不可能ですが、同じような国内産業でも相当収益力(そして収益に対する市場の圧力)が異なっていることが分かります。ついでに英国のマークス・アンド・スペンサーの営業利益率は大体8%前後です。
ちなみに、格差は百貨店だけではないです。大手チェーンを見てみても、最新の四半期の営業利益率では、
イオン(日本):3.2%
ウォルマート(米):6.0%
ターゲット(米):7.2%
テスコ(英):5.6%
ということになっています。こういう数字には常に「市場構造が違う」とか「業態が違う」という答えが用意されているのですが、「儲からない市場構造が日本ではなぜ温存されるのか」という疑問には触れられないことが多いのではないでしょうか。
ちなみに、私が実際に見たり聞いたりした中では、上で書いた日本の小売企業では大丸に最も「経営の意思」を感じました。管理部門もスリムですし、自社できちんと「マーチャンダイズ」しようとしている意思を感じました。当たり前のように聞こえますが、あんまりないんですよねぇ。
