日銀もとうとうゼロ金利を「解除」したようですが、ちょっと前の量的緩和の「解除」から引き続き一応今のところ大過なくきたということで、それなりに目出たいことではあるのでしょうか。
ところで金利と言えば、最近アメちゃんのエコノミストととかの話を聞いてて良く聞くのは、金利の上昇局面になると良く出てくる「何で企業の投資がこんなに強いんだろ」ってやつです。まぁ、確かに標準的な教科書的な説明でいくと金利上昇により設備投資の魅力が相対的に低くなるんで、投資は下がる筈となるんですが、ここ十数回金利を上げてる米国でも、景気の牽引車が個人から企業の投資にかわるという話は聞いても、金利ゆえの設備投資減速と言うのは今のところ仮説以外ではあまり聞きません。まぁいろいろリクツは聞くんですが、実際働いてる人達にはあんまり意外でも何でもないような気もいたします・・・
米国での話で行くと、まず資本市場にアクセス持っててそこそこ資金も潤沢な大企業に限れば金利で投資がどうとかってのは(財務部のアナリストを除けば)基本的にあまりないと思います。確かに金利が上がれば社内でのプロジェクト承認などの内部収益率などのハードルが高くなる場合は(まれに)ありますが、大体米国企業の社内ハードルはメチャクチャ高いですから、金利がどうこうという機会はあまりないでしょう。しかもここらへんで働いてる連中がちょっと金利がぶれただけで影響受けるようなプロジェクトを上に上げる筈がありません。
プロジェクトしないってのは仕事=職がなくなるってことで、社内のプロジェクトのハードルが内部収益率20%でペイアウト5年だったら、大体提案書では最低でも内部収益率25%にペイアウト3年ぐらいにはなってるはずです。(大体先のことは分かりませんし、ビジネスは可変要素が山のようにありますから、適当にスプレッドシートやらシステムいじってればそこそこの線のプロジェクトになります)
基本的に大企業の投資は(少なくともキャッシュフローベースでは)金利の関数ではなく、プロジェクトを遂行する(できる)無駄使い(?)人員キャパシティの関数ではないかと言う気がするくらいです。というわけで大企業の投資が抑制されるのは景気の減速が誰の目にも明らかになってCEOがキャッシュフローを株主につつかれて資本支出の総量規制をかけたり、人員削減でこういう派手な無駄使いの連中が一掃されたりしたときということになります。
もちろんCEOはそこそこ賢く見られる必要があるので、アナリストや株主相手の会議では分かったようなこと言ってますが、成熟産業でも1桁台後半の成長しないとクビがアブナい世界ですから、誇張して言えば、常日頃から金利などおかまいなしで、削れるところはとことん削りつつ、行けるところは「バンバン行け」ということになります。
これが中小企業になるともっと極端で、はっきりいって金利など考えているところはほとんど無いと言っても過言ではないような気がします。ここらへんの基本的なルールは「借りれれば使う」。逆に言うと「借りられなければしょうがない」ということになります。というわけで金利がじりじり上がっても企業投資はあんまり動きません。カンケーないですから。で、これでもギリギリ中銀が締め付けるとどうなるかというと、ある点に来たところで真夏にクーラーの使い過ぎで停電になるような感じで、一気に信用割当が起こってここらへんの「借りられなければしょうがない」という一体が真っ暗になります。
これが皆さん良く言う「連銀は何か壊れるまでは締め付けをやめない」という1つのケースになります。もちろんこうなる前に他のところが壊れる場合も多くありますが。で、基本的に金融の信用供給サイドが高まるリスクに追いつかなくなるわけですが、最近はリスクを分割したりちょっと手を加えて売り飛ばす商品が山のようにあるので、連銀も締め具合がちょっと難しいような気がします。

コメント by 本石町日記 — 2006/7/18 火曜日 @
コメント by 匿名 — 2006/7/19 水曜日 @