« December 2005 | メイン

January 09, 2006

アフリカにおける中国の影響力

Product-Thumbnail Grantaはなかなか面白い英国の文芸誌ですが、最新号の「africa」にChannel 4 Newsのインターナショナル・エディターであるLindsay Hilsum女史がアフリカにおける中国の影響力の拡大に関して取材した時の取材記が掲載されていました。筆者によると、アフリカ全域において中国の影響力が急激に増大しており、アフリカと中国間の貿易は毎年倍増しているようです。

取材記なので、あまりハード・データは含まれていませんが、興味深い話がいくつかのっています。中国政府は天然資源の採掘契約にしても、借款にしても、援助にしても西欧諸国とは異なり、民主化しろとか透明性を高めろとかいう条件を付けませんし、環境アセスメントをしろと中国企業に圧力をかける市民ロビー団体も存在しないため、アフリカの一部のあまり評判の芳しくない政府にとっては非常に有り難い商売相手になっているようです。

これによって、各国政府が西欧諸国による民主化などの条件に従う必要性が薄れており、アフリカで活動する人権団体にとっては頭の痛い状況になりかねません。天安門事件のように政府反対派を封殺しながら、過去20年で4億人にも上る国民が貧困から脱出した中国は、アフリカの一部の圧政的な政府にとっては「非常に素晴らしいモデル」であるわけです。以下、Granta誌にのっていたいくつかの例を紹介・・・

スーダン:市民虐殺で世界的な問題になっていますが、中国の中国石油天然気集団公司(CNPC)が進出しており、今やスーダンの石油の60%が中国向けとなっています。国際社会の原油制裁措置など、スーダンにとっては痛くも痒くもないワケです。

スーダンには中国企業が建設した兵器工場が3カ所あり、大虐殺のあったダルフールで政府軍と民兵が使用した兵器のほとんどがこれらの工場、または中国で製造されたもののようです。2004年の米国と英国による国連安保理でのスーダンに対する制裁決議は中国が拒否権発動を匂わせたため、骨抜きとなっています。

ジンバブエ:西欧ではつまはじきのムガベ大統領ですが2005年5月の演説で「我々は日の昇る方角である東方に向かい、日の沈む西方に背を向けた」と演説しています。ジンバブエの農業は崩壊しつつありますが、ジンバブエ政府が白人の農民から没収した農地はいまや次々と中国人所有になっており、中国向けの作物が栽培されているとのことです。

少し以前に、70万に上る家屋を破壊したジンバブエ政府を国連が非難したことがありましたが、同じ週に北京を訪問していたムガベ大統領は「外交と国際関係における目覚ましい業績」により中国の外交学院大学から「名誉教授」の称号を受けています。

これらの他にも、旧英国領で英国からの援助の最大の受け手であるシエラレオネなどでも、英国はシエラレオネに対する援助は同国の将来の民主化の進展次第としていますが、政府機関の建物や軍司令部の建設、スタジアムの修復などが既に「内政非干渉」の中国によって行われており、英国などは中国の陰に完全に隠れているようです。

筆者は最後に

中国人は、植民地時代の後遺症もなく、複雑な敵意に満ちた関係もなく、アフリカに対等な者として来ている。中国は買いたがっており、アフリカには売るものがある。アフリカの各国政府が新たに得られた富を分配するような形で行動すれば(これがそうなるかには大きい疑問があるが)、中国は欧州や米国が提供することに失敗した機会をアフリカに提供する可能性がある。

と述べていますが、これは西欧人に良くある中国の力に対する神秘的な信仰を少し感じました。西欧の援助や西欧企業との事業は今まで貧困からの脱出という面ではそれほど成果を上げておらず、単に民主化や透明性の条件を外した中国の活動によって貧困からの脱出が可能になるかもしれないというのは少し疑わしいような気がします。私は、アフリカにおける虐殺や、人権状況は重要な問題であると思っていますし、現在の圧政的な政府が、相手が中国というだけで「新たに得られた富を分配するような形で行動する」かどうかはまさしく「big if」と思われますが・・・

追記:ちゃいなさんのご指摘で、誤訳訂正・・・(お恥ずかしい・・・)

January 06, 2006

マンキュー先生の新年7つの誓い

Mankiw-100ブッシュ政権のCEAの委員長なんかになったために、右からも左からもズタズタにされて学校に戻ったマンキュー先生ですが、1月3日のWSJに「Repeat After Me(私の後について繰り返してね)」というなかなか面白い文章を書いています。

これは新年に向けての7つの誓いの文章なんですが、別にマンキュー先生自身の誓いではなく、忙しくて考える時間のない政治家の代わりに7つの誓いを作ってあげた、という体裁になっています。そこで「後について繰り返してね」となるワケです。このうちのいくつかは日本の政治家にも使えそうですけど「Repeat After Mankiw」する人はほとんどいないでしょうねぇ(日米とも)。以下、さわりの部分を紹介・・・

1. 今年、私は財政の混乱状況に対し率直に向き合います。私は連邦政府の財政が持続不可能なコースにあることを知っています・・・・

2. 今年、私は明確に自由貿易を支持します。私は米国消費者に対して安い製品を提供するということで中国を攻撃することを止めます・・・

3. 今年、私は農民に自由市場を受け入れることを求めます。私は、本当に必要な人に対しては、政府がセーフティネットを提供する必要があると信じてはいますが、多くは豊かな農民に対する補助を、納税者が支出する必要はありません。

4. 今年、私は税金の中にも良い税金があるということを認めます。すべての人が税金を嫌いますが、政府の運営には財源が必要であり、実際、税金の中には課税により良い影響を与えるものも存在します・・・

5. 今年、私は連銀叩きに走ることを控えます。バーナンキはグリーンスパンの威光を継承しないため、連銀叩きの誘惑に駆られるかもしれませんが、その誘惑と戦います。米国の中央銀行の独立性には合理性があると私は知っています・・・

6. 今年、私は1ペンス銅貨の廃止に賛成します。貨幣制度の目的はモノの交換を可能にすることですが、1ペンス銅貨はもはやその目的を果たしていないことを認めざるを得ません・・・

7. 今年、私は政府が成し得ることに関して謙虚になります。経済的繁栄は政府のプログラムからではなく、起業家精神のきらめきによってもたらされるものであるということを私は知っています・・・

さわりでは面白さもイマイチなので、WSJの購読者は全部読むことをおすすめします。これを読めばマンキューが左からメタメタにされつつもなぜ学生に依然として人気があるか、そしてCEA委員長としてなぜ左右からケチョンケチョンにされたか良くわかります。私? マンキューは相変わらず好きです。

"Repeat After Me" by Gregory Mankiw

January 05, 2006

SONY BMG、rootkit入りディスクで和解案提出:一部修正

少し以前に大騒ぎになっていたSony BMGのrootkit入りCDに関する集団訴訟ですが、大方の予想通り和解成立となったようです(れしのお探しモノげっきさんの記事経由) - 追記:当初の記事の和解成立のネタ記事は誤報だったようです。お騒がせしました(ぺこり)。以下が現時点での状況です。

---

Sony BMGはコピー・プロテクション・ソフトウェアにまつわる、少なくとも15の集団訴訟に関して和解することで原告団と暫定的に合意した模様で、和解案は来月初旬にニューヨークの連邦地裁判事のレビューを受ける予定ということです。個人的には裁判による決着を期待していましたが、おそらく和解合意による決着となると思われます。

和解合意案では、キャッシュから言うと訴訟費用と7.5ドルの返金(最大推定の300万枚とすると2,250万ドル)で、Sony BMGにとってはあまり堪えそうにありませんが、これはSonyの受けたブランドへのダメージのほんの一部に過ぎないような気もします。

ただ、この和解には、テキサスのAttorney GeneralのGreg Abbott氏が起こしたSony BMGに対するスパイウェア法違反に関する訴訟は含まれておらず、集団訴訟の和解を受けてGreg Abbottがこれを取り下げるかどうかは不明です。また、ニューヨークのAttorney GeneralのEliot Spitzerのオフィスも公式な捜査にこそ乗り出していないものの、スパイウェア法違反に関して注視していると述べており、和解となっても完全な決着となるかどうかはまだ分かりません。

以下、参考リンク

Financial Timesの記事
WSJの記事($)

和解の申立(Motion for Settlement): (PDF 42ページ:176k)
和解合意(PDF49ページ:437k)
テキサス州Attorney Generalの発表記事

おまけ:事件発覚後インターネットで人気になっていた作者不詳の画像をどうぞ。しかし、こんなモノがバラまかれるとは何とも情けないですね、、、笑ってしまいましたが。

Hellokitty

January 03, 2006

groksterその後、、、

ファイル交換ソフトの配布で裁判に敗れたGroksterですが、今Grokster.comに行くと面白いモノが見れます。おなじみのGroksterのロゴの下には、

著作権で保護されているマテリアルを交換するためにこのサービスを使用することは違法行為であると、米国最高裁判所は全員一致で決定しています。不正なP2Pサービスを用いて著作権で保護されている映画や音楽のファイルをコピーすることは違法行為であり、著作権保持者による起訴の対象となります。音楽や映画をダウンロードできる合法的なサービスはありますが、このサービスはそのようなものではありません。

と書いてあり、最後に

あなたのIPアドレスはXXX.XXX.XXX.XXXで、ログされています。捕まらないと思うべきではありません。あなたの身元は分かります。

というような脅し文句がのっています。しかもページの一番下にはご丁寧にもRIAA(米国レコード協会)とMPAA(米国映画協会)の「著作権を尊重しましょう運動」であるRespectCopyrightsとMusic Unitedへのリンクが貼ってあります。今、Groksterのドメインを実質的に保有しているのはどこか分かりませんが(whoisの情報では名目的にはどこかの登記サービス会社のようですが)、パロディでないとするとなかなか笑えます。このセンスはやはりこの業界で全世界共通ではないでしょうか。

Google, ハードウェアに進出??:Googleは否定

あけましておめでとうございます。今年も皆さんにとって良い年となりますようにお祈り申し上げます。

L.A timesは、ベアスターンズのアナリストの昨年末のリサーチをもとに、Googleの共同創立者のラリー・ペイジがラスベガスのCES(Consumer Electronics Show)でのキーノート・スピーチで、インターネットと接続し音楽などのメディア・コンテンツを扱えるような、GoogleのOSを搭載した安価なコンピュータあるいはそれに類するハードウェアを発表するという観測記事をのせています。

また、記事はその他の情報源の話として、Googleがそのようなハードウェアを販売するためウォルマートなどの大手小売店と交渉中と報じています。

まぁ、新年の向こう1年間の業界観測記事(しかもGoogleを強くプッシュしているベアスターンズのレポートがネタ)なので、信憑性はそれほど高くないかもしれませんが、文字通り湯水のようにお金を使える会社なので、何があってもおかしくないかもしれません。本当であれば、AppleのIntel移行もありますし、長らく無風状態だったPCの世界にも波が立つかもしれませんね・・・

L.A times

追記(Jan 5):Engadgetの記事によるとGoogleの広報担当David Kraneは、このウワサを即座に否定しているようです。記事によると同氏は、Googleは現在のPCパートナーに満足しており、「この市場に参入する必要性は考えられない」と述べたとのことです。

  

Advertisement


Recommended

My Weekly Favourites

plateaux's Last.fm Weekly Artists Chart

ABOUT



テクノラティプロフィール