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November 30, 2005

サーベンス・オクスリー法でほとんど脅迫セールス

サーベンス・オクスリー(SOX)法ってゆーと、エンロンやワールドコム事件など2000年前後に山のように起こった不正会計問題に対処するために米国で制定された法律で、財務報告の透明性を高めるために、財務情報の開示義務や内部統制の義務の強化、情報システム、業務プロセスまわりの文書化など、幅広い範囲で企業の義務が定められています。

違反した場合はCEOやCFOは牢屋入りの可能性もある恐ろしい法律ですが、会計監査法人や、ITコンサルティング、そしてソフトウェア会社にとっては、「経営者の恐怖」に「つけこんで」一稼ぎするネタになっています。SOX以降で法廷において有罪の判決が出たり、被告が有罪を認めた件数は500件を超えており、日頃はどんな提案書を見ても「で、なんぼ儲かるんや」という感じのお偉いさんも、SOXに関しては冗談抜きで「人ごとではない」ワケです。

で、売り込みも相当露骨なものが多くて笑えるんですが、この間システムがらみってことで仕事で駆り出されたソフトウェア会社某社のプレゼンも最高でした。まず、プレゼンの最初の方で、ブタ箱に放り込まれた経営者の写真、名前と刑期のリストが出てきます。少し例を挙げると、まぁ、こんな感じです。

アデルフィア:John Rigas (元CEO) 禁固15年、Timothy Rigas (元CFO) 禁固20年
ワールドコム:Bernard Ebbers (元CEO) 禁固25年、Scott Sullivan (元CFO) 禁固5年
ライトエイド:Martin Grass (元CEO) 禁固8年、Franklin Brown (元副会長) 禁固10年
以下延々と続く・・・

こういうリストが一杯出てくるんですが、写真付きで同輩の経営者の末路に思いを起こさせるという憎いというかエグイ演出にまず笑ってしまいました。そして本題のコンプライアンスからみのソフトウェアの宣伝、じゃなかった説明が入ったあとで、再びSOX法の要件を甘く見て「うちの会社は大丈夫だろう」なんて運にまかせて用意を怠るとヒドい目に遭うという脅しがあって、そのとどめがまたスゴいやつでした。あまりに可笑しかったので、最後のスライドをもらって日本語に変えてみたのが下のやつです(日本語にする際、社名等見えないように、写真の部分のみに変更しています)。

Sox-1

いくらなんでも人の会社の経営者つかまえて「punk(クズ野郎)」ってのは、(本当にそうだとしても)マズいと思うんですが・・・ いや、しかしこのプレゼンはやはり日本人の間では無理ですねぇ。

後記:これは言うまでもないですが、クリント・イーストウッド扮するダーティ・ハリーの有名なセリフです。ちなみに原文では

"I know what you're thinking. Did he fire six shots or only five? Well, to tell you the truth, in all this excitement, I've kinda lost track myself. But being as this is a .44 Magnum, the most powerful handgun in the world, and would blow your head clean off, you've got to ask yourself one question: Do I feel lucky? Well, do ya punk? "

となっています。ウェブ上のいろんなやつを参考に適当に訳していますので、映画の吹き替え版、字幕版の日本語とは少し異なると思います。

November 26, 2005

14年間、年間平均リターン33%以上のヘッジファンド?

この間New York Timesをぺらぺら見ていたら、14年間にわたって平均年率33%以上のリターン!! (同時期のS&Pのリターンは年率約11%)を上げているヘッジファンド(Medallion)の話が出ていました。

運営している会社(ルネサンス・テクノロジーズ)の社長はジェームズ・サイモンズ(James Simons)で、数学をちょっとかじった人ならピンとくると思いますが、その昔多様体の研究(だったと思う)で米数学会のヴェブレン賞(数学界でも相当ステータスの高い賞の1つです)をとった元大数学者です。

投資の世界でも、その筋の人にはそこそこ知られていたものの(2004年のヘッジファンド・マネジャー年収ランキングで2位だったような気がします)、バフェットなどのようには一般には良く知られた名前ではなかったのですが、今度のNYTの記事で相当有名になったのではないでしょうか。NYTの論調はこの統計とコンピュータを駆使したファンドに感銘を受けた感じで、サイモンズ先生の「特定の価格パターンはランダムではなく、結果を予見し得る」という言葉を引用しています。

確かに、14年間にわたって年率33%というのは並み大抵ではないですが、ファンドの使用している実際の戦略の詳細の吟味なしに「大学者+コンピュータ+数学+高リターン=すごい(に違いない)」という超おめでたい論調を見てすぐに思い出したのはノーベル賞学者によるヘッジファンドLTCMでした。実際にすごいファンドである可能性ももちろんありますが、こういう論調はファンドの潜在的リスクを無視しているという面で、極めて危険です。

分かりやすい例としてもう1つすごいファンドを挙げてみましょう。このファンドは1992年から1999年の間に平均年率41%のリターンを上げています(同時期のS&Pは16%)。このファンドの名前は「資金大量虐殺パートナーズ」というふざけたものですが、それもそのはず、以前にこのブログでも紹介したアンドリュー・ロー先生が、ファンドのリスク評価の難しさを説明するために仮想的に作ったシミュレーション上のファンドで、このファンドの戦略はS&P500指数(SPX)のプット・オプションを全力で売るだけという単純なものでした。

もちろん株を持っている人がプット・オプションを買っておけば万一のリスク・ヘッジになりますが、プット・オプションを売る方は万一の場合は大きい損害を被るという意味で、そしてこの例のファンドでは全力で売っているという点で極めてリスキーな戦略です(これはロー先生のRisk Management for Hedge Funds: Introduction and Overviewという論文で紹介された例です)。1つ間違っていればLTCM並みの派手な破綻となったことでしょう。

私は市場効率性仮説原理主義者ではないですから、市場に非効率な(予見可能な)パターンが少々あっても別に驚きませんが、全般的に言えば概ね市場は効率的だと思っていますし、リターンとリスクのトレード・オフは厳然と存在すると思っています。

サイモンズ先生のファンドがリスクが高いのかどうかは全く窺い知り得ることではありませんが、単にある期間すばらしいリターンを上げていると言う理由だけで、実際に使われている戦略も知らずに投資したり、投資を勧めるのは賢明なことであるとは思えません(ちなみに効率性仮説によれば、過去のパフォーマンスは将来のパフォーマンスの何の保証にもなりません)。年末ラリー期待で、米国は少し浮かれているようですが、NYTにもこのような記事が出てくると少し緩みすぎではないかという気がしないでもありません。

しかし、ヘッジファンドはフツーの神経では何年もやり抜くのは並大抵ではないですが、やはりここまでの人になるとアタマだけではなく神経も全然フツーではないんでしょうね。ついでに、この先生のファンド、運用報酬5%、成功報酬44%(!!!)と手数料体系も並みではないようです。

ブッシュ大統領、今度は宇宙戦争を画策か(笑)

カナダの元国防相で、ピエール・トルドー政権での副首相だったポール・ヘリヤー氏(Paul Hellyer)は、カナダのNGO3団体とともに、カナダ議会に対し宇宙人との外交(Exopolitics)に関する公聴会を開くよう求めたそうですが、その声明の中でのヘリヤー氏の発言:

米軍はエイリアンに対して使用可能な兵器の準備をしており、我々が警告を受けることもないまま、米軍は我々を宇宙戦争(Inter-Galactic War)に巻き込む可能性がある。ブッシュ政権はついに米軍に対し月面に前進基地を構築する許可を与えており、これにより米軍は宇宙からの訪問者の動向を把握する上で、そしてそう決定を下した場合には彼らに対して攻撃を加える上で有利な立場に立つことになる。

最も近い星雲との距離を考えただけでも、「警告を受ける間もなく宇宙戦争に巻き込まれる」可能性は低そうにも思えますが、、、、宇宙人の母星が石油の一杯出る独裁星(?)でないことを祈るのみです・・・

ちなみに、このヘリヤー氏はもともと「宇宙平和」の主唱者で、宇宙への兵器配備を禁止するSpace Preservation Treatyの熱心な支持者だそうで、ちょっと前にはUFOを信じていることを公言したり、カナダをグローバリゼーションと米国による植民地化から守るために、カナダの左翼活動家の一致団結を主張したりしている、まぁ名物おじさんというところです(すみません・・・)。しかし、よくこんなおじさんが国防相をやっていたという気もしますが・・・カナダは奥が深いですね。

Yahooの記事(英文)

November 24, 2005

米国:株屋さんFedの議事録に大喜び

先日公開された11月1日付の連銀FOMCの議事録が意外に「ハト派」っぽかったので、「利上げ終了間近」のシグナルととったアメちゃんの株屋さんたちは、ただでさえ年末ラリーで気分が良いところに「連銀のクリスマス・プレゼント(まだ早いっちゅーに)」かと、狂喜乱舞の感があります。皆さん特に気に入ったのが、

Some members cautioned that risks of going too far with the tightening process could also eventually emerge.

一部の委員は、最終的に金融引き締めのプロセスが行き過ぎるリスクが現れる可能性があると注意した。

(頭完全にブル状態の皆さんの意見は「分かってるなら最初から言えよ。そんなにAGが怖かったのか。まぁ、あいつもそろそろ終わりだしな」というところでしょうか)とか、

Several aspects of the statement language would have to be changed before long, particularly those related to the characterization of and outlook for policy.

声明のいくつかの側面、特に、政策の性質および見通しに関する部分に関しては、 近い将来に変える必要がある可能性がある。

というような部分で(政策スタンスがAccomodativeだとか、Measured paceで利上げを続けるとかといった部分が変更されるんでしょうが)、「経済も順調なペースで成長継続の見込み」というようなおまけまでついて、皆さん顔がほっといても緩んじゃう状態のようです。

ただ、良く読むとどうもインフレには依然として警戒的スタンスで、「そろそろ中立レベルに近いんで、金利の引き上げを止める時がきたら止めるよ」というレベルの宣言のようにしか見えないというのも事実なんですが・・・皆さんやはり幸せも過ぎると嬉しいことしか目に入らないようで・・・

いずれにしても、まだ最低でも50bpくらいの上げはあると思っていますが、バーナンキの最初の仕事として、50bpくらいの金利引き締めは残しておくという可能性がかなり高いと思われます。したがってピーク金利をどこらへんに設定するかによっては、バーナンキに変わる前に一度金利据え置きが入る可能性も無きにしもあらずといったところでしょうか。つまり、最大予想でピークが5%と見れば、バーナンキ前に従来の予想通り4.5まで上げ、バーナンキ就任後に5.0%まで引き上げ、ピークが4.75%とか4.5%であると見ればバーナンキ就任前に金利据え置きが少し入り、バーナンキ後に4.75とか4.5%まで引き上げという感じではないでしょうか。個人的には中立レベルをかなり超えるところまで上げると思いますが。

連銀議長就任の初仕事が、金利引き上げの終了とか利下げになってしまうと、さすがに間違った期待形成で市場が完全にめちゃくちゃになるリスクが高すぎるので、ある程度はバーナンキに引上げの仕事を残しておくと見るのが順当だと思います。今回の議事録だけで頭が季節外れの春景色になってしまった(そうは見せていませんが)、普段は超スマートな連中を見てると、そういうリスクはおそらく無視できないんじゃないかと・・・

おまけ:ついでに言うと通貨関連の連中は怒りくるっています。Daily FXでは

The dollar is rolling over and as always, it is the Fed’s fault.

ドルは軟化。いつもように連銀のヘマ

(笑)

November 22, 2005

20万トンの銅を空売りした中国のトレーダーが行方不明:当局の陰謀説も

ここ1週間ほど商品市場の方で大騒ぎになっているのが、中国の公的な資源調達機関であるStrategic Reserve Bureau (SRB: 国家備蓄局)の下部組織であるState Regulation Centre for Supplies ReserveのディレクターであるLiu Qibing(劉其兵: 漢字表記は未確認)というトレーダーがロンドン金属取引所(LME)における大量(10-20万トン)の銅の空売りポジションを放ったらかして行方不明になっているというニュースです。

SRB当局は最初そんな名前の人間は働いていないと否定していたようですが、その後大騒ぎになると発表は一転して、確かに当該の人物は機関で働いていたが、問題の取引は彼が自分の裁量でおこなったもので、当局は関知していない、というものに変わっています。

ニュースを見ていると、中国当局はリスク管理が甘いんじゃないかとか色々なことが言われてますが、私の限られた知識では、中国はトレーダーが外国の市場で簡単に「自己裁量で」取引できるような甘いところではないような気もいたします。

同じように思う人も結構いるようで、中国の市場関係者の間では、Liu氏が自己裁量で取引していたとは考えられず、Liu氏は銅の市場価格操作のために、SRB当局の指令で取引していたのであって、価格操作が失敗した後で上部からの責任追及を恐れたSRB当局によってスケープゴートにされ「どっかにやられた(消された、とか、どっかに拘禁されている)」んじゃないか、とかいうコワイ噂が流れているようです(もちろん大手メディアにはそんな話はのっていませんが)。まぁ、中国ではよく人がいなくなったりしますから、あり得る話じゃないかという気もします。真相は闇の中ですが。

空売りが行われた時期は正確には分かりませんが、おそらく3,300ドル/トン以下でなされたもので、現在の価格である約4,200ドル/トンを考えると、中国の損害は2億ドルに達する可能性があります。空売りポジションをカバーするために中国が20万トンの調達を行うとか、中国当局はあくまで個人の責任にして取引を無視するんじゃないかとかいろんなウワサが流れて大騒ぎになっているワケです。いや、コワイコワイ・・・

FTの記事
Economistの記事

米国のインフレ論議:Barronsでも・・・

米国では、金利を引き上げ続ける連銀に対して、「インフレなんか大した水準でもないのに連中は一体何を考えてるのか」という批判がかなり強いですが(特に金融、不動産、カジノ、独立系電力などの「高レバレッジ」業界ではそうですが)、逆に「インフレは実質的には既に相当の水準に達しており、連銀はまたしても完全に出遅れている」という批判もこれまた金融界を中心にして結構あります。

そんな中で今週はWSJ発行の株屋さん御用達雑誌であるBarrons誌が売り物のコラムの中でインフレに対しかなり強い調子で警告しており、まわりではちょっとした話題になっていました。以下ちょっと紹介・・・

もちろん、消費者物価指数のなどのお役所御用達のインフレ指標によると、何にも問題なんてない、心配に値するインフレなんて存在しないってことになる。でもね、少なくとも準お役所の1つである連銀はCPIの示しているものに納得していない。さもなければ、グリーンスパン一味は正真正銘のサディストってことになる。それ以外に連中が過去1年間規則正しく金利を上げてきた理由があるかね?
CPIの数字、およびウォール街の連中が「コア」の数字に対して持っている妄想の愚かしさに関しては本誌は何度も書いている。「コア」ってのは食品、燃料、住居費を除くやつだけどね、まぁ誰かが言ってたみたいに、飯も食わず、運転もせず、公園に住むんだったら結構な数字だ。名高いPhilippa DunneとDoug Henwoodによる最新のLiscioレポートも「米国において間違いなく大きなコスト圧力の1つである医療費がCPIではきちんと反映されていない」って指摘している。

Liscio Reportというのは、債券市場の超ベテラン記者のJohn Liscioが始めた米国経済ニュースで、「その筋」の人には結構読まれているレポートです。最新のレポートではBarronsの書いているようにPhilippa DunneとDoug HenwoodがCPIにおける医療費の扱いについて書いており、「BLSが(サービス、製品の)質の向上をきちんと捉えていないから、CPIは実際より高めの数字になるというような話を良く聞くが、実際の問題は全く逆であり、これ(医療費)がその明白な例の1つだ」としています。

おまいら、ちょっとは現実を見ろ。数字をよっぽどいじくり回さない限り、インフレが無いってことを示す数字を毎月でっちあげるのは至難の業だ。それにね、CPIでは質的改善の調整ができてないなんていう良く聞く話だけどね、こりゃアホの恨み節か、なんかの冗談に間違いない。

Barronsの記事の最後は「Hedonics, anyone?」というフレーズで締めくくられており、インフレの質的調整のヘドニクスと、今回のコラム記事の主題であった「強気過剰」とかけた「快楽主義」のシャレになっていて、「こりゃうまい」と思いました(本筋と全く関係ない感想ですみません・・・)。

November 20, 2005

これ良いかも:UNDPの人間開発報告書をインタラクティブに

国連開発計画(UNDP)の人間開発報告書は、毎年世界各国の人々の生活がどれだけ改善したかに焦点を当て、各国における開発の進捗状況を報告しています。しかし、この手の報告書の例にもれず、あまり見やすさや分かりやすさに焦点を当てているとは言えません。

そこで、この手のデータを分かりやすく提示できるソフトウェアなどを開発しているスウェーデンのGapminderという非営利団体が、この人間開発報告書の2005年版のデータを分かりやすく、インタラクティブに表示するソフトを出しました。Gapminderのウェブサイトで見れるだけでなく、自分のPCにダウンロードでして見ることもできます。世界の地域ごとの貧困層の推移などを分かりやすく見ることができる、なかなか良い取り組みだと思います。英語ですが簡単なので、興味のある人には一見をお勧めします。

Gapminder- Human Development Trends 2005

1970
2000

November 19, 2005

三洋電気の決算と再建策:こりゃひどい

Logo-1
三洋電気は2005年9月中間連結決算を発表しましたが、税引後1,425億円の赤字、2006年3月期通期の赤字は2,330億円に拡大とのことです。前期末での資本2,880億が簡単に吹っ飛ぶくらいの額ですから、伝えられている三井住友、大和SMBC、ゴールドマンなどを引受先とする2,000-3,000億の増資というのも当然というか、これがなければ相当悲惨な事態もあり得るところです。

で、三洋電機の時価総額の半分程度の増資ということで、よっぽど鉄壁の再建策がなければ投資家が暴れ出しそうなものですが、どうも肝心の再建策自体も2カ月前に発表した計画の単なる焼き直しで、「継続企業としての前提に重要な疑義のある(中間報告より)」企業の再建策とは思えません(「総合家電から脱却」などと謳っているのですが、単純に各事業にコア事業と「構造改革事業」というラベルを付けただけで、別に「構造改革事業」から撤退するワケでもないようですし・・・ これでは「選択と集中」とは言えないんじゃ・・・)。

現在発表されている以上の相当ドラスティックな策がないかぎり、この業界ではかなり難しいのではないかと思われますが、どうも見ている限りでは、経営陣にその意思は無さそうです(そのような意思があれば、発表時期を例年より遅くした上に、このような生煮えの再建計画を出すことはないでしょうから。「給与5%カット」なんてほとんどネガティブなインパクト以外に実効的な意味のない発表には頭をかしげたくなります)。

ゴールドマンもいくら引受けるのかは分かりませんが(本当の話かどうかも分かりませんが)、こっちは甘くないですから「鉄壁の構え」でくるんじゃないでしょうか。少し前に三洋の適正株価は140円(現在の半値以下)なんて言ってましたから。東証では引けにかけて同社の株価は上がっているようですけど面白いことです。

November 18, 2005

GM、ダウ銘柄で最小に・・・

Gm Nav Logo
GMはとうとう21ドルちょっとでの取引となっているようですが、この株価だと時価総額は120億ドル(1兆4000億円程度)となり、(まだまだ大きいですが)米国最大級の企業がそろうダウ工業平均構成銘柄では、何と時価総額で最小の会社になってしまいました。ちなみにダウで時価総額最大の企業はGEで3,650億ドルになります。

かつての栄華を考えると信じられないような展開ですが、昔良かった米国企業のレガシー・コストの大きさや、リストラが遅れた企業の運命をまざまざと示しています。

米国では公的な健康保険が無いに等しいので(MedicareとかMedicaidとかは「栄光の」ビッグ・スリーの被雇用者には関係ありませんから)、労働者や退職者(およびその被扶養者)のヘルスケアはすべて企業にのしかかってきます。したがってGMの18万4,000人の組合労働者と68万人(!!)の退職者およびその扶養家族の健康保険がGMにのしかかってくるわけです(欧州、日本メーカーであれば大部分が税金で賄われるものです)。

大体、年金と健康保険で年間6-7000億円程度が優に吹っ飛ぶと言われており、現状では向こう10年間でこのコストは毎年2桁で伸びるとも言われています。まぁ、トヨタとかホンダとかいうサメが泳いでいる海を石をくくりつけて泳いでるようなもんですね。

退職者たちがお亡くなりになるのと(つまり健康保険のコストが下がるのと)、GMがお亡くなりになるのとどっちが早いかの勝負だなんて本当に笑えない話も聞きますが、カーコリアンなど超ウルサ方の株主や労組の出方も含め、今後のGMがどうなるかは気になるところです。

November 16, 2005

バーナンキ次期議長、上院銀行委員会で証言

連銀次期議長に指名されているバーナンキCEA委員長は、上院銀行委員会の指名承認公聴会で証言しましたが、注目の下りはやはりインフレーション・ターゲティングに関する部分ではなかったでしょうか。その部分の簡単な訳のみ以下に示します(証言の全文はこちら)。

一層透明性を増すための可能なステップの1つは、FOMCが長期的な価格安定性の目標に合致していると考えるインフレ率、あるいはインフレ率の範囲の数値を明示的に提示することであり、これは世界の多くの中央銀行によって現在採用されている手法です。私は学術的な文書や、理事会の委員としてのスピーチにおいて、この考え方を支持してきました。「長期的価格安定性」の意味に関して数値的指標を提示することには、金融政策に対して一般の感じる不確定性をさらに低下させ、長期的なインフレ期待をより効果的に固定できるなど、いくつかの利点が存在します。
私は、長期的なインフレ目標の明示的な提示は、政策形成において判断および柔軟性がもつ役割に対する適度な強調も含めて、連銀の現在の政策アプローチと完全に一貫性をもったものであると見ています。最も重要なことは、このステップは政策目標としての雇用の最大化の重要性を決して損なわないということです。実際、このアクションの主要な根拠は、インフレおよびインフレ期待をさらに安定化させることにより、より強固でより安定的な雇用の成長に寄与し得る可能性があるということです。いずれにせよ、私の指名が承認された場合は、長期的な価格安定性の定義の数値化に向けた拙速なステップは取らないということを、この委員会に保証します。この事項に関しては連銀によるさらなる研究、および多大な議論と協議が必要です。このようなステップ(明示的なインフレ率の提示)を取ることにより、価格安定性および持続可能な雇用最大化の両者を達成するという2つの義務を満足させるFOMCの能力がより強化されるというコンセンサスが形成された場合にのみ、私はさらなるアクションを提案します。

米国における明示的なインフレ・ターゲティングに関する最大の懸念(の1つ)は、インフレ・ギャップとアウトプット・ギャップのトレード・オフが起こった場合、常にインフレ・ギャップに対する政策レスポンス・パラメータが大きくなる(したがって、連銀の政策決定における判断の余地、柔軟性が失われる)のではないかという点にあると思いますが、簡潔にしかも周到にこの点にも触れた証言と言えます。実際にデュアル・マンデートを満たせるかどうかは別のお話ではありますが - サーベンス議員がインフレ・ターゲットを採用し、アウトプット・ギャップに悩むECBを例に出して質問していたのはこのためです。バーナンキは「欧州の事態には別の原因がある」と言ってましたが(そして欧州に関してはそれは正しいと思いますが)。

米国議会にも連銀の手足なんかふん縛ってす巻きにしたい議員や、「インフレに数値目標付けるなら、アウトプット(GDP成長率とかね)にも数値目標付けろ」なんて言いかねない議員が結構いるようなので、バーナンキはあまりこの面では踏み込まないのではないかと思っていたのですが、守りを確保しながら(連銀の研究、コンセンサスなど)、自分の主張は盛り込むという巧みな証言だったのではないでしょうか。

量的緩和解除にからむ政府要人発言

量的緩和解除に関して、最近与党・政府要人の発言が相次いでいるようですが、内容の是非は別として、こういうのって出るたびに「あーぁ」という感じになります。なんか囃してる向きもあるようですが、何となく世界に向かって「日本はやっぱり田舎の後進国」って拡声器で言ってるみたいで恥ずかしい感じもあるのですけどね。まぁ言ってる方たちには別にカンケーないんでしょうが。中川氏は自民党の議員なんで別にこういうのはいくら言っても良いと思うんですが、小泉首相、安倍官房長官あたりは「慎重に対処されると思います」とか「日銀の決めることですから」くらいで良いんじゃないでしょうか。

大体、量的緩和は過去においては金融システム不安を抑えたり、現在では政府からすれば実質的な国債受け入れ水準が上がる面では恩恵があるんでしょうけど、実際にデフレに何らかの影響を与えてるんでしょうか。ハイパワード・マネーだけ増やしても、マネーサプライの主要コンポーネントであるM2, M3が増えてなければ「カンケー無い」んじゃないかと思いますが・・・

 
マネー・サプライ(前年比)
 
Narrow (M1)
Broad (M2/M3)
英国
+5.2%
+11.2%
米国
+0.3%
+6.6%
ユーロ圏
+11.2%
+8.5%
日本
+5.4%
+2.0%

November 15, 2005

SONYのSunnCommのコピー・プロテクションってどうよ

Sonyの"rootkit入り"のXCPは一応生産一時中止になったようですが、Sony BMGはXCP方式ではないSunnCommのコピー・プロテクションも採用しているようで、こちらはおそらく生産一時中止には入っていないと思われます。

私が最初SONYのマズいCCCDについて書いた記事で取り上げた、My Morning JacketのCDはどうもこっちのテクノロジーのようなんですが、どうも読んだところによるとXCPほどではないものの、やはり相当タチが悪そうです。

Freedom to Tinkerにのっていた記事によると、まず、このテクノロジーが搭載されたディスクも勝手にソフトウェアを使用許諾のダイアログへの合意、非合意にかかわらずインストールしてしまうようです(合意しなかった場合は、一応ドライバーはウィンドウズの起動のたびに自動的に起動される状態にはならないようですが、それでもインストールされたままの状態であることには変わりありません)。

また、このテクノロジーを搭載したディスクには一部、ソフトのアンインストーラーが付属しているものもあるようですが、このアンインストーラーはMediaMaxの全コンポーネントを削除すると謳っているにもかかわらず、中核となるドライバーは削除されず、削除した後もアクティブなようです。

そして、XCPと同様、SunnCommのソフトもユーザのIPアドレス、オペレーティング・システム、アルバムのIDなどを、SunnCommのサイトに送信しているようです。しかもエンドユーザ・ライセンスには明示的に「そんなことはしないよーん」と書いてあるようですが(こりゃまずいですな)。

SunnCommのテクノロジーはSONYのMac対応のCCCDにも搭載されているようですが、Macでは大丈夫なのかしらん?どっちにせよお金払う正規ユーザに対する仕打ちとは思えませんが・・・

追記:what's my scene?さんによると、SonyはXCP製品の回収、交換を決定したようです。もっと早くするべきでしたが、、、、でも、SunnCommのはどーなるのかしらん?

Internetのガバナンス?米国による支配はどうなる?

11月16日から18日にチュニスで、国連のイベントである世界情報社会サミット(World Summit on the Information Society:WSIS)が開かれますが、インターネットの管理を巡って米国と他国の衝突は必至の様相です。

(11/18/05 - 追記:WSISの初日に、一応米国/ICANNによる管理という現状維持で合意に至ったようです)。

もともと、ドメインなどの管理は米国の非営利組織のICANNが米商務省との契約で行っていますが、まず各国は米国の組織が、しかも米国商務省との契約に基づいてドメインを管理する体制に不満を持っていました。しかも米国政府はICANNに移譲する予定となっていたインターネットのトップドメイン(.jpとか.frとかいうレベルの260程度からなるリスト)の管理をICANNに移譲せず、米国政府が継続して行うと今年7月になって突然発表したため、ますます各国の不満の火に油を注ぐ状態になっていました(ICANNでさえ許せないのに、米国政府が直接などとても許せんということでしょう)。

基本的には中国などは、インターネットのガバナンスを国連のITUのような組織の下の国際的団体で行うことを求めています。各国のメディアなども(米国を除けば)、米国のスタンスを非難する論調が目立っていました。

しかし、実際にWSISが近づいてくると、メディアの中でも実際の影響などに対して真剣になって少し論調が変わってきたものも見られます。最初に私の目に止まったのは、過去においてICANNによる運営に対して強烈な批判を浴びせていた(といってもICANNの米国とのつながりに関する批判ではなく、非効率的な官僚主義に対する批判ですが)英国エコノミストが米国による管理を支持した記事でしたが、最近では各国の言論規制に対して目を光らせている、米国に対しては好意的とは全く言えないフランスの「国境なき記者団」(Reporters sans frontieres)までが、米国によるドメイン管理を支持する立場を表明しています。

私も現状は理想的だとは思いませんが、現在提案されている他の案に比較すればはるかにマシだと言わざるを得ないと考えます。国連のITUのような機関にまかせるべきだという意見もありますが、このような課題の調整に対する国連の今までの無能ぶりを考えるととてもマジな意見とは思えません(ITUの「管轄下」にある世界の電話網の状態を見ればこれは明らかです。国際電話かけるか、電子メール送るか、あるいはメッセンジャーやIP電話使うかというオプションを考えただけでも分かります)。

しかも、「国境なき記者団」が指摘しているように国連による管理を最も支持しているのは中国、キューバ、イランなど、世界で最も言論抑圧的な国々であり、自国国民のインターネットへのアクセスをコントロールしている国々です。国連は人権・言論の自由に関して決して誇れるような実績を持っているわけでもありません。2003年にはリビアが国連の人権委員会の委員長に選ばれたり、大体「世界情報社会サミット」自体を、大統領とその一族がメディアとインターネットへのアクセスに対して完全なコントロールを持っているチュニジアで行うとかいう冗談のようなセンスを見れば、長期的にこのような国連に対する権限委譲がインターネットに対してどのような影響を持つか全く予断を許しません(「国境なき記者団」は「背筋が冷たくなる」と評しています)。

EUが推しているのは、中国などとは立場が違いますが、単純化するとWSISが意思決定プロセスを構築し、民間および政府が関与する新たな多国間のフォーラムを設置し、そこでインターネットの管理を行うというようなものですが、あまりにも曖昧模糊としていて、単にテレビに出てくる評論家の寝言程度の実現性しか考えらず、はっきり言ってマジで考えているとも思えません。

大体ICANNでやっていることはほとんどテクニカルな決定であり(しかも現在ではそこそこ国際的な構成になっており)、政治色が薄いというのが唯一の取り柄みたいなもんです。それを国際政治の渦中に放り込むというのはやはり「poor decision」と言えると思います。最後に「国境なき記者団」のポジションの結びを紹介しておきます。

ICANNが永遠に1つの国(米国)の管理下にあるということを正当化することは困難である。米国はこの点において交渉を行うべきであり、実際、米国はインターネットが民間セクターによって運営されるべきであると提案している。

米国がインターネットを大きな問題もなく構築してきたこと、および米国は概ねオンラインにおける表現の自由を尊重していることは認めなければならない。したがって我々は、政府の干渉を最小限に減少させ、言論の自由が保障されるような、なんとか容認可能な妥協がWSISで成されることを期待する。もしそのような妥協が不可能なのであれば、現状のままの維持が最善の方策である。

November 14, 2005

ベビーブーマーの引退が米国に及ぼす影響

米国のベビー・ブーマーも日本の団塊と似たところがあって、数は多いし、エネルギーが有り余ってて、やたら突撃するくせに変わり身は驚くほど早いという愛すべき人たちなんですが(わーごめん)、この人たちが今後米国の政策に与える影響についてメリルのDavid Rosenbergが話してるのをちょっと前に聞いて、少し面白かったので忘れる前に書いときます(ちょっと記憶があいまいで細部は間違ってるかもしれません)。もっとも私は個人的にはセルサイドの人たちの言うことはあまり聞かないように心がけてはいるのですが、Rosenbergはそこそこ人気があるだけにおハナシは上手でした。

過去: 米国のベビー・ブーマーの動向は約7,600万人の大集団で、過去40年間にわたって米国経済およびそれを取り巻く政策フレームワークの変動の主要な原動力の1つであった。ベビー・ブーマーが免許年齢になった1960年代は自動車販売が持続的に急上昇しデトロイトの黄金時代となり、さらに10年後、ベビー・ブーマーが家庭形成期に入ると今度は住宅の新規着工が歴史的水準に上昇している(ここらへん何か堺屋太一風)。1970年代を通してのインフレは住宅購入や消費のために借金まみれになったベビー・ブーマー救済圧力から生じた金融緩和が原因の1つとみることもできる(Rosenbergはわざと無視したのかもしれませんが、70年代の米国は他にも石油価格が3倍になったり、労働生産性が極端に低下したりってのもありました。ただ、連銀が珍しい「ソフトさ」を発揮したのも確かです。そう言えば70年に連銀議長になったアーサー・バーンズは今度のバーナンキと一緒で連銀議長には珍しい大物の学者出身ですね)。1980年代に入りベビー・ブーマーが稼ぎ時になると、インフレは終息しベビー・ブーマーお好みの株式は20年間近い上昇期に入った。

今後:ベビー・ブーマーの第一波が来年60歳を迎えて真剣に将来を考えることになる。資産を株等で増やす事よりも維持防衛することと、資産から得られる収入が最重要となる(もう株で損しても挽回できる時間はあまり残されていないですからね)。従って、株式偏重のベビー・ブーマーの資産配分は債券に大きく振れる。ベビー・ブーマーによる債券投資が増加するだけでなく、長期的な債務に資産のmaturity matchingをするため、年金基金などによる長期債券への投資も増加する(したがって長期金利は抑制気味に推移する)。さて、一旦この大集団の債券積み増しが一段落して、この世代がfixed incomeや年金で暮らしだすと、インフレはこの最大最強最富裕の有権者集団の最悪の敵になり、共和党政権であれ民主党政権であれ、少しでもインフレに甘いと見られた政権は政権維持が困難になる。現在はどの政権にとっても社会保障削減がタブーであるように、それに代わって将来はどの政権にとってもインフレがタブーとなりどの政権も対インフレでタカ派となる。

私の筆力ではあまり面白くないですが、本当はもっと面白い話でした。経済への影響では、リターン(キャッシュフロー)に対する要求がより厳しくなるため、生産性の向上という面では好ましいかもしれません(基本的にはニュートラルだと思いますが)

November 13, 2005

SONY, 米国土安全保障省の警告でXCP生産停止?

Dhs

もう、Sony BMGのXCP騒動の話はいいやと思っているのですが、次から次に面白い話が出てくるのでもう1つ(もうやけじゃ。Sonyのあほたれー)。

Washington PostのBrian Krebs氏のセキュリティフィックスのコラムによると、悪名高い米国土安全保障省のこれまたいわくつきの政策次官補Stewart Baker氏が、米商工会議所のイベントにおけるスピーチで、最近のヴィールスまがいのコピープロテクションに対して次のように警告しています。

「最近、音楽、CD、DVDを保護する目的で使用される手法に関して多くの報道がなされているようです。そして、プロテクションの手段として、システム管理者でさえ発見できない隠蔽されたファイルを人々のコンピュータにインストールしているのではないかという疑念が上がっています」

「(保護の対象となっているのは)あなた方の著作権であり、(隠蔽ファイルのインストール対象となっているコンピュータは)あなた方のコンピュータではない、ということを肝に銘ずることが非常に重要です。知的所有権の保護のために、人々が最近必要としているセキュリティ対策を弱体化させないことが重要です」

「もし、鳥インフルエンザの大流行があれば、それがたとえ1918年の大流行の半分程度のものであったとしても、我々は多数の人々にリモートでアクセスできるということに大きく依存し、インフラストラクチャーが機能し続けるようにすることは人々の生死にかかわることであり、我々はこれを極めて重大なことであると受け止めています」

こんなとんでもないおっさんに言われてどうする、と言いたいところですが、この際メチャクチャ言ってください。許します。

一部では、木曜日にあったこのイベントでのこの警告により、Sony BMGは急遽XCP生産の一時停止を決定したのではないかと言われています。消費者よりお上・・・ありそうな話です。

ワシントン・ポストのBrian Krebs氏の記事

November 12, 2005

SONY, 問題のXCPのCD生産を「一時的に停止」

"Too little, too late" (あまりに小さく、あまりに遅い)っていうのはSony BMGのためにあるような言葉ですが、Sony BMGはあほなXCP仕様のコピー・プロテクションのかかったCDの生産を「一時的に停止」すると発表しました。

今までに明らかになっている技術的仕様だけでも、即座に全面的に謝罪して生産を停止するに値するものですが、未だに過失を認めず(訴訟も視野に入れてでしょうが)、「一時的に中止」というのは、何か「ダメダメ」会社の「ダメダメ」ダメージ・コントロールの典型のようです。

ところで、Sony BMG EntertainmentというのはSonyと独Bertelsmannの50%づつの出資比率による合弁会社ですが、私の身の回りの人々やメディアはどこの国の連中でも、今回の事件を完全に「SONY」の名の下で行われたものと見ており、SONYブランドに対するダメージは相当大きいものと思われます(50%で支配権を持っている訳ですから、SONYに対して向けられる非難は不当とは言えません - 「子会社がやったことですから」なんてことを言わないことを切に願っています)。

Sony BMGはまだ問題を軽く捉えているフシが濃厚ですが、この問題に言及する米国の投資家の発言もちらほら見るようになっており、Sonyも「Too little, too late」にならないように願っています(まぁ、いろいろ文句を付けても散々お世話になった製品のメーカーですから、それなりに愛着はあるワケです・・・)。

おっと、ついでに、SonyのMac対応のCCCDはMacにも何やらインストールするそうですから、気をつけた方が良いかもしれません。rootkitのような悪質なものでなければ良いのですが、現在いろんな人が解析しているはずですから、すぐに素性は分かると思います。PhoenixNub1.kext と PhoenixNub12.kext というエクステンション・ファイルの名前だけ覚えておきましょう。これらがMacにインストールされるファイルのようです。

Peter Drucker教授死去

ピーター・ドラッカー(Peter Drucker)教授が亡くなられたようです

ドラッカー教授は「マネジメント」という概念の「発明者」として知られ、「ポスト資本主義社会」などの多くの著書で知られていました。近年は非営利団体の経営などの研究もされており、相変わらず「社会の未来の姿を見る」努力をされていたように思います。

最近はあまり読むことも少なかったのですが、もう新しい本を読むことも出来ないかと思うと残念です。しかし、95才ですから天寿と言って良いかもしれません。人生の最後まで極めて生産的で(今年は2004年中にHBRに掲載された最優秀記事に与えられるマッキンゼー・アワードを受賞しています)、この面でもこれからの老齢化社会の良きモデルだったのではないでしょうか。

冥福をお祈りします。

死去を報じるFTの記事
FTによるObituary

フランス暴動(少しだけまじめ:仏政府批判)

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フランスでの暴動の記事を色々読んでいると、フランスの移民統合政策の失敗だとかが書かれていることが多いですが、やはりフランス革命以来の「人権の国」というイメージが大きいせいか、どちらかというと「無法な暴徒」に対して強硬なフランス政府の行動に対する大きな批判は見られないようです。

しかし、フランス各都市の郊外の移民の状況、および彼らに対するフランス当局の扱いは相当以前から極めて劣悪で、北アフリカ、アラブ系移民のフランス生まれ世代の怒りは溜まりに溜まっていたというのが現実だと思います。ただ、シラクの中道右派政権がまだそれなりに力を保っていたために暴発しなかっただけではないでしょうか。

日本ではあまり報道されていませんでしたが、フランスは今年の4月にも人権団体のアムネスティ・インターナショナルから、フランス都市郊外の非白人に対する、当局による人種差別、拷問や、時には死に至るような暴力行為が野放しにされているとして、先進国ではまれな激しい非難を浴びせられていました(下記リンク)。それにもかかわらず、シラクはドビルパン、サルコジと言った「人気内相」に対してなんの手も打てず、すでに7カ月が経過しており、少なくともシラク中道右派政権の統治能力は地に落ちていたと言えるでしょう。

こういう暴動は政権の強さ弱さには極めて敏感ですから、この統治能力の失墜と暴徒の蜂起は偶然の一致ではないのではないでしょうか。1968年、無力化したドゴールのお膝元のパリが5月革命の煙に巻かれたように、政権が問題に対する変革能力を失ったと見られれば、「暴徒」たちが自らで何らかの変化を起こすという意味では、いかにも「フランス革命」の伝統に従った、極めておフランス的現象と言えるのかもしれません。

参考リンク:アムネスティ・インターナショナルによる今年4月の対仏人権批判
http://web.amnesty.org/library/Index/ENGEUR210012005?open&of=ENG-FRA
http://news.amnesty.org/index/ENGEUR210062005
http://news.amnesty.org/index/ENGEUR210102005

November 11, 2005

ひまつぶしの数字クイズ

lethevertさんのところでみかけたのですが、少し考えてしまいました。ひまはなくてもこの手の数列クイズが好きな人はどうぞ -

問題A

0, 1, 10, 2, 100, 11, 1000, 3, 20, 101, 10000, 12, 100000, 1001,

次の数は?

数論とか暗号なんかやってた人は感覚的にすぐ分かるかもしれません。

November 10, 2005

Xbox 360はPS3の半額で販売の可能性も?

メリルリンチのレポートによると、Microsoftの次世代ゲーム機はコスト面で、SonyのPS3よりかなり有利になりそうです。

BOM(部品表)をベースにしたメリルの分析では、製品投入時点での推定コストがPS3は495ドルに対してXbox 360が340ドル、投入の3年後の推定コストがPS3の195ドルに対しXbox 360の145ドルになっています。

MSの超強力な財務基盤を考慮すると、低マージンの競争的価格で製品投入時から長期間の攻勢に出るのが可能ですが、Sonyは財務基盤が揺らいでいるだけに価格面での消耗戦は難しいのではないでしょうか。メリルのレポートは、2006年後半にはMSは出血戦覚悟でPS3の半分程度の販売価格でXbox 360を販売する可能性があるとしています。

数量が膨らむとますますコスト・ダウンが可能になりコスト差が開くため、Sonyとしては苦しいところかもしれません。MSがシェアを握った場合はグラフィックス・ボードを供給しているATIなんかも潤いそうです。まぁ、相変わらずの株屋さんの「風が吹けば、桶屋が何とか」っていう感じもいたしますが、、(笑)

以下、メリルによる製品投入時推定コスト

 
PS3
Xbox 360
CPU
$160
$100
GPU
$100
$100
光学ドライブ
$100
$25
メモリ
$60
$50
HDD
NA
$25
USB
$5
$5
イーサネット
$5
$5
WiFi
$5
$5
Bluetooth
$10
NA
その他部品
$50
$25
合計
$495
$340

ついでに、両者の最新の経営指標も見てみると下のようになります。業界が違うので簡単にどうだこうだとは言えませんが、フトコロ具合が完全に違うというのは分かると思います。ところでSONYのために言っておけば、SONYは日本企業ではそんなにめちゃくちゃ悪いワケではないです。それでも右端に出した米国のS&P500社平均にも遠く届かないところを見れば、日本企業の収益性が極めて低いということも分かります。これはバブル崩壊以前の一応好景気と言われている時から一貫しているんですが(当時は日本企業は短期的利益を気にせず長期的視点に立って投資をするから利益が低いと皆さん言ってましたが)、日本の社員はそんなにさぼってる訳じゃないのに何ででしょうねぇ。(そりゃ経営が悪い)

 
SONY
MICROSOFT
S&P500平均
粗利益率
21.90%
85.17%
45.88%
営業利益率
1.51%
37.12%
20.75%
純利益率
1.64%
31.90%
13.75%
資産収益率
1.21%
15.53%
7.90%
投資収益率
1.78%
19.36%
11.86%
株主資本利益率
3.92%
20.71%
19.97%

November 09, 2005

フランス暴動:ジョーク(不謹慎です)

前内相時代のドビルパン、現内相のサルコジと国内のアラブ系をがんがん締め付けて人気をとってきた報いか、フランスが大変なことになっているようですが、フランスの連中から回ってきたジョーク・・・こんな時に不謹慎な、とは思ったんですが、、、

「心配するな。フランスの暴徒はどうせすぐに組合を作るから、破壊活動もすぐ週32時間に収まるだろう」
「そりゃまずい。永遠に鎮圧できなくなるぞ。」

ユーロは、フランスの騒動を受けて軟化だそうですが、フランス政府もこの騒動で失業率が恒常的に10%以上という状況がマズいと分かり、かっちんこっちんの労働市場の改革に少しは前向きになるんでしょうから長期的にはマイナスばかりではないような気もします(これも不謹慎・・・すみません)。

November 08, 2005

うーむ。XCP・・・とうとうイタリアで警察沙汰

Sonyがマルウェアまがいのコピー・プロテクション・ソフトウェアを搭載したCCCDを販売し、大騒ぎになると大急ぎでパッチを配布したニュースでは、ソフトを完全にアンインストールしたければカスタマー・サポートに連絡しろというので、また笑わせてくれました

で、今度の大騒ぎのもとの1人であるsysinternalsのMark Russinovichさんの後日談がまた面白かったのですが、 特にマズいと思われたのが、

SONYのソフトは、ユーザに知られずSONYに情報を送っていた。SONYは否定していましたが、Mark Russinovichさんがチェックすると、CDを再生するたびにコンピュータのIPアドレスとCDのIDと見られる情報をSONYのサイトに送っているとのことです。Mark Russinovichさんは「悪意のある用途に使用しているとは思わないが、エンドユーザ・ライセンスに記載がなく、ユーザによる設定変更が不可能で、しかもSONYは情報を送信していることを否定していた」としています。

というやつでした。アートワークなんかのアップデートをするためのもののようですが、しかしあまりに無神経で、やれやれ、って感じです。それから、イタリアではとうとうユーザ団体が警察に捜査を要請したようで、やっぱりタダでは済みそうにありませんねぇ。当たり前ですが。

WHO: 新型インフルエンザ世界的流行は不可避

最近また鳥インフルエンザの記事が賑やかになってきましたが、WSJの記事によるとジュネーブの専門家会議でWHOのリー・ジョン・ウー事務局長は「致死性の高い新型インフルエンザの世界的流行は不可避」と述べ、世界の準備が整わない場合被害は「計算不能なほど高い」と述べています

しかし、WHOも警告は結構なんですが、先々月のインドネシアで人から人への感染が疑われ、同国政府がTamifulの急送を要請した時にも「流行が始まったと確認されれば送る」とかいう悠長な対応で非難されており、「国連機関の実行面での貧弱さ」がちょっと不安です。

ただ、WHOの年間コア予算は4億ドルとニューユーク市Health Departmentの年間予算12億ドル超と比較しても約3分の1(Foreign Affairs)と、余りと言えば余りの状況のようですが。先進国は自国でTamifuの備蓄を行っていますが、そうではない国の方が大多数であること、流行の出鼻を挫かない限り相当な被害になる可能性が高いこと(出鼻を挫いたところで抑えられないという学者も多いようですが)を考えると、WHOとFAOに関しては十分な資源が必要なのではないでしょうか。ところで、各国がTamifulの備蓄を始めているというニュースはよく見ますが、日本に関してはとんと見ないのも少し不思議なような・・・(まぁ、流行を抑える役に立つかどうかは全く疑問のようですけど)。

以前の関連エントリー

投資家のための鳥インフルエンザ・ガイド
Foreign Affairsの鳥インフルエンザ特集

November 06, 2005

お金持ち企業増加で買収も増加

今週のBarronsにも載ってましたが、米国企業はここ数年好業績と投資の抑制でかなり財務基盤がしっかりしてきており、S&P500の(非金融企業の)3社に1社がネット・キャッシュ・ポジション(借金より現金持ち高が多い)となっています。

米国の株主はキツいですから、企業の現金持ち高が少し多くなると、配当増やせとか自社株買い戻せとか、借金してでももっと投資しろとか超うるさいんですが、企業の財務体質が強固になると借金が増やせるので、プライベート・エクイティなんかが買収先の企業にさせる借金を原資に買収を行う、いわゆる資本の再構成を伴うLBOってやつも増えることになります。

まぁ、株主が求めても経営陣が金庫開けない企業には、誰か別の人がやってきて金庫開けちゃうってことなんですが、最近はプライベート・エクイティの会社も数社が協力したりするので、相当の規模の会社でもLBOの対象になっちゃいます。

今年では金融向けソフトウェア会社の SunGard Data SystemsがSilver Lake、Bain Capital、The Blackstone Groupなど7社のコンソーシアムに113億ドルで買収されたのが最大ですが、Barronsの記事では500億ドル規模のLBOでも可能かもしれないとなっていました。つまり日本で言うと、ソニー、日産、セブン&アイ・ホールディングスや松下のクラスの企業でもLBO可能ってことになりますね。花王とかイオンのクラスだと3つくらい、楽天で今話題になってるTBSならいっぺんに10個くらい買えちゃうという恐ろしい世界です。

ちなみにプライベート・エクイティなどのLBO企業全体では合計で1,500億ドル程度の資金があると見られているようですが、デット・エクイティ・レシオを4対1とすると合計では7,500億ドル程度の買収が可能になる勘定になります。日本円だと85兆円くらいになりますが、これに最近はヘッジファンドなんかも企業買収したりするんで、実際にはもう少し大きいのかもしれません。東証1部の時価総額が470兆円くらいということを考えると、米国企業の経営陣が日頃受けているプレッシャーが良くわかりますね。

資本再構成で企業価値が上がる、ってのは原理的にはおかしいところもあるんですが、まぁ実際こういうので儲けてる人がいるんでしかたないかなと、、、(笑)

ところで、Barronsの記事には時価総額に対するネットキャッシュの比率の高い大企業のランキングが出ていましたが、上から

  1. バークシャー・ハザウェイ
  2. アプライド・マテリアルズ
  3. アップル・コンピュータ
  4. モトローラ
  5. エレクトロニック・アーツ
  6. マイクロソフト
  7. シスコ

などとなっています。これらの企業は時価総額も相当大きいし、PERが結構高いのでLBO対象にはならないと思いますが、バークシャーを除けばハイテクばかりですね。ハイテクは将来の成長のために高水準の投資が必要で、配当なんかするのは合理的ではないというリクツで配当を抑えてきましたが、結局のところ結構貯め込んでいたわけですねぇ。

November 04, 2005

欧州中銀は様子見

欧州中銀(ECB)の政策委員会は、大方の予想通り金利を据え置きました。オーバーナイト金利は2003年6月以来の2.0%となっています。

トリシェはインフレに関して、ヘッドラインの2.5%は望まれる水準よりは高いものの、「域内のインフレ圧力はない」と面白いことを言ってます。またエネルギー価格の影響もあり「短期的にはHICPは高めに推移する」としています。また欧州中銀のもう1つの政策目標であるM3の伸び率が目標を遥かに超えた8.5%となっていることに関しては、「低い金利水準の影響の増大を裏付けるもの」で住宅価格の監視が必要としています。

しかし、ECBのインフレ・ターゲット2.0%、M3の伸び率ターゲット4.5%の金融政策目標の両者が完全に破られて以来(M3に関してはユーロ導入以来ずっとですが)、アクションも政策フレームワークの調整もほとんど何もなく、トリシェの口先介入だけという状態が続いており、クレディビリティとか透明性とかいう言葉以前の問題のような気もしますが・・・インフレに関してはおそらく、そのうちEurostatがコアインフレの導入でもしてお茶を濁すんでしょうか? 他のいくつかの欧州組織と同じで、そこはかとなく「ダメダメ」っぽい香りが何となく・・・

ECB声明

November 03, 2005

Sony BMGパッチを配布

昨日の記事の続報ですが、what's my sceneさんのところで見ましたが、Sony BMGがCCCDに組み込んだマルウェアまがいのソフトに対するパッチを配布しているようです。

このパッチは基本的に隠蔽(クローキング)されていたファイルが見えるようになるだけで、別にコピー・プロテクションのソフトウェア自体を除去するものではありません(まぁ、隠蔽されたファイルを他のマルウェアが利用できなくなるのでセキュリティ上の懸念が少なくなるってことです)。

コピー・プロテクションのソフトウェアをコンピュータからアンインストールしたい人は、カスタマー・サポートに連絡しろってことらしいんですが、基本的に簡単にアンインストールできないソフトの組み込みはやめて頂きたいものです。

c-netの記事(英文)

次期連銀理事

次期連銀議長はバーナンキに決定しましたが、あと2人程連銀理事に空席があり、これに関してもいろいろ(もちろん議長の時ほどではないですが)ウワサが飛んでいるようです。ちょっと噂になっている名前を挙げると、以下のようになります。

ランディ・クロズナー(Randy Kroszner) - 元CEAの委員で現シカゴ大教授。昨年も国際フォーラムで日本に来てたので、話を聞いた人もいると思いますが、昨年は極めて正当的なサプライ・サイダー(「正当的」な「サプライ・サイダー」って、、、)的な話をしていたような気がします(昔、フリードマンやらハイエクを最も影響を受けた人物として挙げていました)。その時の論文はここにあります

リチャード・クラリダ(Richard Clarida) - 元経済政策担当財務次官補、コロンビア大教授、ヘッジファンドのコンサルタントもやっているようですが、、、結構いろいろ面白い論文を書いてる人で、かなりシャープな感じがします。クロズナー氏とクラリダ氏はもともと前々から名前が挙がっており、全般的に人気も高いので確率は高そうです。

あと、現経済担当大統領補佐官のアラン・ハバードのアシスタントのケビン何とかという人の名前も挙がっていましたが、これはどんな人か全く分かりません。国家経済会議(national Economic Council)かなんかにも絡んでたような気がしますが、以前バーナンキが連銀理事を抜けたときにも名前が挙がっていたような気もしますし、SECの委員長が辞めた時にも名前が挙がっていたような気がしますし、単に「ブッシュのお気に入り」じゃないかと思います(間違ってたらごめんね)。

で、「2人ほど」と書いたのは、バーナンキの就任にともなって、ロジャー・ファーガソンが辞めるかもしれないというウワサが飛んでいるからなんですが、、、、(連銀バッシャーはおそらく喜んでいると思いますが・・・)

ついでにバーナンキの後がまのCEA委員長には、FTの記事によるとスタンフォードのEdward Lazearの名前が挙がっているようです。もちろん正真正銘の右の人ですが(フーバー研のフェローですし)、この人も重量級の経済学者でブッシュ政権にしてはこれも結構まともな選択かもしれません(ミクロの人なんですけどね)。

November 02, 2005

FRB利上げ、ECBもおそらく?

FRBが予想通り25bpの利上げを行いました。依然としてFRBは現在のスタンスを「monetary policy accommodation」(まぁ、緩和的政策とでも言うんでしょうか)とみており、今後大きな変化がない限り、今後も利上げを続けるとみられます。まわりのお金アニマルはまたまた怒ることでしょう。まぁ、エネルギー価格のスピルオーバーなどでインフレが顕著になってからではよりドラスティックな利上げが必要になるというリクツも(完全に)根拠がないとは言いきれませんが。

他の地域では、デフレの輸出地帯と言われていたアジアも最近設備稼働率がかなり高くなっており、エネルギー価格のスピルオーバーも相まって、タイ、インドネシア、フィリピン、台湾、インド、韓国などが相次いで利上げに動いています(単純に対ドル安定のための対米追随ってことも大きいかも)。

そして、もう1つ最近ウワサが大きくなっているのが欧州中銀ですが、12月までに25bp、来年3月までにもう1回最低でも25bpの利上げを予想する向きが多いようです。欧州でもエネルギー価格上昇からヘッドライン・インフレはすでに2.5%に達しており、ECB副総裁のルーカス・パパデモス(Lucas Papademos)もエネルギー価格の飛び火(と消費者金融の高い伸び)に対しかなり強い調子で懸念を表明しています(DJ Newswireより)。

ただ、欧州経済は結構脆弱なので、11月中旬に発表される第3四半期のGDPデータが相当強くないと(いや、相当強くても)、今年中の利上げには相当抵抗が強いのではないでしょうか。

トリシェは「上げるぞ〜、ほんとに上げるぞ〜」という口先介入でインフレ期待をコントロールできると言ってきましたが、今までその通りにやってきたので、そろそろ何もやらないとオオカミ少年化して誰も信じてくれなくなるってのが本音だったりして・・・

マズいCCCD(しかも危険)

Sony BMGのCCCDに関しては数ヶ月前からいろんなところで話題になっていましたが、もともと海賊コピー防止というよりはAppleのiPodに対する嫌がらせという面の方が大きいんじゃないかと疑われるところもかなりあって評判は散々のようでした。

で、最近My Morning Jacketとかいう、ちょっと変わったむさ苦しいバンドのCDをみていて、米国版がやはりこのCCCDだと分かったのですが(なぜか日本版はプロテクションなしでしたが。追記:11/10/05 - このCCCD自体が今大騒ぎになっているrootkit入りのコピー・プロテクションかどうかは未確認です-11/15/05追記:このディスクにはrootkit入りのXCPは仕込まれていないようですが、SunnCommのMediaMaxという、これまたアンインストールできない、しかもユーザのデータを密かにSunnCommのサイトに送信するソフトが仕込まれているようです・・・)、やはり評判が散々なのはさておき、驚いたのはコピー・プロテクションを付けるというのをレーベルもアーチスト本人も全然関知していなかったらしいということでした。

レーべルであるATOレコードのサイトを見ると、

私たちATOレコードは、私たちのディストリビューター(筆者注:Sony BMG)によるコピー・プロテクションのために一部のユーザーが経験している問題に気付いています。私たちも、私たちのアーチストもこのようなテクノロジーの使用の許可を与えたことはありません。私たちの許可など必要としないというのが、私たちのディストリビューターの見解です。私たちの決定できる場合であれば常に、私たちが過去においてもそうしてきたように、私たちはコピー・プロテクションの使用は差し控えるでしょう。・・・(中略)・・・皆さんが購入したディスクを聞こうとして直面した問題に関しては、お詫びのしようもありません。この残念な状況が解決された後で、皆さんに長く音楽を楽しんで頂けることを望んでいます。

ちなみに、このATOレコードは、ライブ等でファンがアーチストの演奏を録音するのを許可しているレーベルであり、それを考えるとますますこの状況が異常に感じられます。ったくなんと言って良いのか分かりませんが、もともと連中にはほとんど期待していないとはいえあきれました・・・

未確認情報ですがついでに書いておくと、SysInternalsのMark Russinovichさんの記事によると、SonyのCCCDは付属のプレーヤーを実行する際にRootkitというコンピュータのハック用に使われるソフトウェアを密かにインストールしている可能性があり、しかもWindowsのシステムとあまりに密接に統合されているため、アンインストールしようとするとシステムに異常を起こす可能性があるとのことです。彼によると

これら全ての経験はいらだたしいものだった。Sonyは通常マルウェアがその存在を隠すために用いる技術を使用したソフトウェアを私のシステムにインストールしただけでなく、そのソフトウェアはヒドいもので、しかもアンインストールする方法もない。(中略)もし偽装されたファイルをユーザが消去しようとすると、コンピュータをダメにすることになる。メディア業界には不正コピーを防ぐためにコピー・プロテクションを使用する権利があると私は思っているが、(中略)Sonyのこのケースはあきらかに行き過ぎの良い例だ。

少なくとも、SonyのCCCDをコンピュータに突っ込むのはやめたほうが良さそうです。しかしヒドい話です。まさか、音楽業界を壊滅させるためにタリバンの工作員が業界に潜入してるとか、、、

  

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