米国のレンキスト連邦最高裁判所長官が亡くなりましたが、なんとブッシュ大統領は後任に最高裁裁判官への指名で話題を呼んでいたジョン・ロバーツ高裁判事を指名したようです。最高裁長官は終身なので、ロバーツ氏の50才という年齢を考えると、ブッシュが退任後に残す共和党政権のレガシーとしても非常に大きいものとなりそうです。
ブッシュがもともと最高裁裁判官に指名しているくらいなので保守派とみられていますが、どうも米国のリベラル系メディアもロバーツ氏に関しては攻めが非常に甘いようです。くまは法律には疎いので良く分かりませんが、過去にあまり「保守原理主義的」なところがみられないからだという解説も読みます。ただ、このメディアのロバーツ氏に対する態度には、米国のリベラル系メディアの「インテリ好き」なところもあるんじゃないかという気もします。
米国のリベラル系メディアは、自分たちも「インテリ」の内輪とみているせいか、一般的に超スマートなエリートには伝統的に極めて弱いと言えます。かなりインテリ・コンプレックスの気がある米国ジャーナリズム界には、ジョン・ロバーツ氏はいわばアイビー・リーガーの仲間、インテリ同士としておたがい理解できる方法で考える「同じ世界の」人間に違いないという意識が一部あるのではないかと感じます。それでこれが「アホの」ブッシュに対する態度とまったく違うところじゃないかと思います。
ハーバードとハーバード・ローを出ているロバーツ氏に対し、ブッシュもハーバードとイェールを出ていますから、それなら大体一緒じゃないかという人もいそうですが、ブッシュはまぁ「並」のアイビー・リーガーですから、メディアもブッシュを馬鹿にするのは気楽なもんです(馬鹿にし過ぎで、ブッシュはそれを極めてうまく利用している気もします)。
一方ジョン・ロバーツ氏は「summa cum laude」で卒業し、ロー・レビューのマネージング・エディターという、アイビー・リーガーはアイビー・リーガーでも「頭の良い」メディアや評論界にとってはお友達になりたい相手ではあっても、攻撃はあまりしたくない相手といえます。
で、「アホの」ブッシュはそこらへんのことを極めて良く分かっていて、ロバーツ氏を最高裁裁判官に指名したような気もします(「ブッシュ=アホ」ストーリーに飢えているメディアに対しては、もう一人の候補者だったウィルキンソン氏ではなくロバーツ氏を選んだのは、ウィルキンソン氏はちゃんとエクササイズしていないという「下らん」理由だったなどという、格好のお土産話までつけてね。当時、予想通りにNew York Timesはこの話に飛びつきましたが・・・)。
それで今度は最高裁長官に指名となったわけですが、リベラル派にとっては何とも厳しい事態ではないでしょうか。ハリケーンへの初動ではミソを付けていますが、ブッシュは本当のところは相当頭の良いやり手かもしれないと思うのは私だけでしょうか?
ゴアもケリーもそうなんですが、現在のリベラルの惨状にはブッシュをあまりに馬鹿にし過ぎたこともあるような気がするんですが、皆さんまだそこらへんの自覚が足りないような気がします。