中国の外貨準備が2004年末に過去最高の6100億ドルに達した模様だ。これは中国のGDPの40%に近いというすごい額である。昨年一年間に約2070億ドル増加したことになるが、増加分だけでもGDPの12%に当たる。人民元とドルのペッグ維持のため相当なドル買いが行われたことを示しているんだけど、ここでちょっと気になったのがこの外貨準備がどこに行ってるかってことだ。
例えば日本に関しては、米国のデータで見ると日本(民間を含む)の米国財務省証券(国債だ)の保有残高は昨年10月末時点で約7150億ドルとなっている。日本の外貨準備は大体8500億ドルで、日本の財務当局は通貨別の保有高を示していない(ナゼだ?)ので良く分からないが、えいやで高めの80%がドルとすると日本の外貨準備のドル保有は6800億ドルとなる。これは先ほどの7150億ドルが民間保有(あまりないと思うが)を含んでいることを考えると、まぁまぁ理屈の通る線だろう。つまり、日本当局はドル建ての外貨準備を大半は米国債のかたちで保有しているってこと。しかし中国はどうか?
同じことを中国に当てはめるとどうか?同じ米国のデータでは昨年10月末時点で中国の米国国債保有高(くどいが民間を含む)は約1750億ドルである。おや??中国の外貨準備6100億ドルの80%がドルと考えると、中国当局は約4900億ドルのドルを保有しているはずだ。中国の民間部門の米国債保有を完全にゼロと仮定しても、4900億と1750億の差額の3000億ドル以上が米国債以外のドル建て資産の形で保有されていることになる。もちろんデータの時期の差などがあるから厳密な議論ではないけど、大まかにみれば相当な額がどこかに投資されていると考えられる。
ある程度は外国の金融機関を通した「統計からは見えない形での」米国債保有となっているだろうが、相当な額が米国の資産担保証券、あるいはたぶん社債などに投資されていると考えるのが普通だろう。ひょっとするとヘッジファンドなどに投資されている可能性もある(ヘッジファンドのLTCM破綻の際にはLTCMに投資していたイタリア中銀が青ざめた)。
米ドルは言うに及ばず、米国の主要な資産クラスは相当な高値となっており、ややリスクは高いと考えるべきだが、なんかあったら大丈夫なんだろうか(たとえばドル/人民元のレートが30%位変動すると、中国当局はGDPの約10%を失うことになる)。
まぁ、ドルレートの変動によるリスクに関しては日本も同様で中国のことを言えた義理ではない。世間では他通貨(ユーロ)にリスク分散すべきだなんて話もちらほら聞くが、日本と中国が「リスク分散」なんかしたとたんにドルの下落(と円の高騰による輸出セクターへの打撃)による本当の損失リスクをかぶることになる。この「第2ブレトンウッズ体制」は足抜けのできないブラック・ホールなんである。
独歩高のユーロ圏が音を上げて「第2ブレトンウッズ体制」に組み入れられれば米当局にとっては天国なんでしょうがねぇ、、、