ロベール・ボワイエと郵政民営化??
今日(12月19日)の朝日新聞をちらちら見ていると、「仏レギュラシオン理論論客に聞く」というタイトルでロベール・ボワイエのインタビューが載っていた。内容は別になんということもなかったが、その中でちょっと気になったやりとりがある。
朝日新聞編集委員:日本の郵政民営化論議をどうみますか。
ロベール・ボワイエ:フランス電力(EDF)の例を見よう。この国営企業はいっさい補助金を受けないのに、欧州でもっとも業績のよい企業だ。この民営化を主張する論者は、国営は非効率、の一点張り。日本の郵政論議にも同じ空気を感じる。国営の金融機関があって、なぜいけないのか、、、云々
いやはや、相変わらずフランス人のゴマカシ、おっとごめん、議論の巧みさにはおそれいる。EDFはキャッシュはもらっていないかもしれないがれっきとした欧州最大級の規制企業であり、EDFの市場を保護するという規制のコストという形で莫大な「補助金」を受けている。彼の論法は例えば東電は利益を出しているから日本の電力市場は問題ないというのと等しい。
ついでにフランスは自国が影響力をふるえるEU当局の指令など無視して自国のEDFの市場は保護しながらも他国の市場、あるいは他業界の市場にEDFが参入し支配することを当然のように支持してきた。一方、先立ってポルトガルが自国のポルトガル電力(EDP)にフランスのEDF同様の特権と認めようとした際にはEU当局は頑強に「NON」をつきつけている。まぁ、こんなとんでもなくクサイ例を出してよその国の郵政論議に論及するガクシャも良い度胸だが、まったく勉強不足でインタビューをやってのける「クオリティ・ペーパー」の編集委員にもおそれいる。もし知っていて言及していないだけならば知的不誠実だろう。
この編集委員、最後に
「ともかく米国流に歩調を合わせる。もしこんな空気の中で行われるとするなら、日本の郵政民営化論議もよほど慎重であっていい、とボワイエ氏は助言するのだ。この意見でさえ偏狭に響くとすれば議論全体がすでに「一色」に染まっているのかもしれない」
と締めくくっているが、民営化=米国流=ネオコン・米国一極=イラク戦争=悪ってな超単純単脳図式にわけのわからんボワイエじいさんを刺身のツマとしてはめこんだ、と見えなくもない。そうだとしたら、お主もワルよのう。
