
今週は結構きつかったので、休憩がてら、だらだら飲みながら昔の雑誌を見てると中々面白い記事がありました。タイミングは2007年初旬のバロンズのラウンドテーブルなんですが、ペラペラ読んでいて少し感心してしまいました。
2007年初旬といえば経済は絶頂の直前で、不安の声はそれなりにあったものの、その大方は軽い売文の類か、万年地球崩壊のルービニ先生の不均衡論のようなものでした。Fedは利上げをほのめかしていましたが、世間では何かあってもバーナンキが札を刷りまくって経済は軟着陸すると思っている向きが多くいました(実際には軟着陸どころか、この後も経済は1年以上も浮揚を続けて、約1年半後に大クラッシュしたのはご存知の通りです)。
この記事で断然に面白いのがマーク・ファーバーで、思わず読み込んでしまいました。以下に少しご紹介します。
ファーバー:現在の状況はとんでもない規模の負債バブルだ。中央銀行が信用引き締めするなどと思ってはダメだが、中央銀行が引き締めなくても、資産価格が崩壊すれば信用は収縮する。金融収縮のシグナルは、ゴールドマン・サックスの株価が下落する時だ。
ルブリン(司会):そんなことは永久に起こらないかもしれませんね。アビー(アビー・コーエン、ゴールドマンのストラテジスト)、どう思う?
コーエン:私が知ってる限りでは、今日も4.50ドルも上がってるわよ。
ファーバー:証券株が上がってる限り、まだ過剰流動性がある。しかし、他のところでは信用収縮の兆候がある。サブプライム・ローンは借りるのが難しくなってるし、スプレッドも広がっている。
(中略)
円のキャリートレードは、突然逆転する。レバレッジは収縮して、資金は円に逆流する。逆転が起これば、円は例えば米ドルなどに対して急上昇するだろう。したがって私のマクロ投資は、円に対する長期のコールだ。長期的に見れば、低利回りの通貨を借りて、高利回りの通貨に投資するのはアホな戦略だ。1年、いや2年、3年は上手くいくかもしれんが、突然恐ろしいほどの痛い目にあうだろう。
(中略)
それから、金、銀、農地をロングだ(注:当時金は600ドルあまり)。ロンドンやボストン、ニューヨークなんかの不動産はゴールドマン・サックス風の経済と骨がらみだ。そしてゴールドマンはダメだ。おっと、ゴールドマンは私のクライアントだから良いことを言わないとな・・・ つまり、言いたいのはこれらの都市の不動産価格は資産市場と連動してるってことだ。アルゼンチンやブラジルの農地が安い。
(中略)
それから、私らの商売もショート、つまりiシェアーズ・ダウジョーンズ・ブローカー・ディーラー・インデックスもショートだ。そのうちゴールドマン・サックスは最高のショートになる。
コーエン:一体いつになることかしらね。
ファーバー:あんたも持ってんだろ。売った方がいいぞ。金融セクターはヤバい。
いつも通り、ファーバー博士、かなり早いのが玉にキズですが、今読むと見事なものです。この時の記事は私も当時少しだけ紹介してたようなんですが、今読むと、一体この記事のどこを読んでたんだか、お恥ずかしいばかりです。
ファーバーは、今では想像もつきませんが、若い時はスイスのナショナル・スキー・チームの選手もしていたおっさんで、24才の時にチューリヒ大学で経済学の博士号をとっています(magna cum laudeだそーです)。私は彼のことを昔は「投資界の加藤一二三」と密かに呼んでいたんですが、やはりタダ者ではありませんな。

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コメント by Winston Neverman — 2012/1/7 土曜日 @