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ベビーブーマーの引退が米国に及ぼす影響

  

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米国のベビー・ブーマーも日本の団塊と似たところがあって、数は多いし、エネルギーが有り余ってて、やたら突撃するくせに変わり身は驚くほど早いという愛すべき人たちなんですが(わーごめん)、この人たちが今後米国の政策に与える影響についてメリルのDavid Rosenbergが話してるのをちょっと前に聞いて、少し面白かったので忘れる前に書いときます(ちょっと記憶があいまいで細部は間違ってるかもしれません)。もっとも私は個人的にはセルサイドの人たちの言うことはあまり聞かないように心がけてはいるのですが、Rosenbergはそこそこ人気があるだけにおハナシは上手でした。

過去: 米国のベビー・ブーマーの動向は約7,600万人の大集団で、過去40年間にわたって米国経済およびそれを取り巻く政策フレームワークの変動の主要な原動力の1つであった。ベビー・ブーマーが免許年齢になった1960年代は自動車販売が持続的に急上昇しデトロイトの黄金時代となり、さらに10年後、ベビー・ブーマーが家庭形成期に入ると今度は住宅の新規着工が歴史的水準に上昇している(ここらへん何か堺屋太一風)。1970年代を通してのインフレは住宅購入や消費のために借金まみれになったベビー・ブーマー救済圧力から生じた金融緩和が原因の1つとみることもできる(Rosenbergはわざと無視したのかもしれませんが、70年代の米国は他にも石油価格が3倍になったり、労働生産性が極端に低下したりってのもありました。ただ、連銀が珍しい「ソフトさ」を発揮したのも確かです。そう言えば70年に連銀議長になったアーサー・バーンズは今度のバーナンキと一緒で連銀議長には珍しい大物の学者出身ですね)。1980年代に入りベビー・ブーマーが稼ぎ時になると、インフレは終息しベビー・ブーマーお好みの株式は20年間近い上昇期に入った。

今後:ベビー・ブーマーの第一波が来年60歳を迎えて真剣に将来を考えることになる。資産を株等で増やす事よりも維持防衛することと、資産から得られる収入が最重要となる(もう株で損しても挽回できる時間はあまり残されていないですからね)。従って、株式偏重のベビー・ブーマーの資産配分は債券に大きく振れる。ベビー・ブーマーによる債券投資が増加するだけでなく、長期的な債務に資産のmaturity matchingをするため、年金基金などによる長期債券への投資も増加する(したがって長期金利は抑制気味に推移する)。さて、一旦この大集団の債券積み増しが一段落して、この世代がfixed incomeや年金で暮らしだすと、インフレはこの最大最強最富裕の有権者集団の最悪の敵になり、共和党政権であれ民主党政権であれ、少しでもインフレに甘いと見られた政権は政権維持が困難になる。現在はどの政権にとっても社会保障削減がタブーであるように、それに代わって将来はどの政権にとってもインフレがタブーとなりどの政権も対インフレでタカ派となる。

私の筆力ではあまり面白くないですが、本当はもっと面白い話でした。経済への影響では、リターン(キャッシュフロー)に対する要求がより厳しくなるため、生産性の向上という面では好ましいかもしれません(基本的にはニュートラルだと思いますが)

  

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