ノーベル経済学賞はロバート・オーマンとトーマス・シェリング
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今年のノーベル経済学賞は「協力(Co-operation)と対立(Conflict)の理論的な理解に対する貢献で」ゲーム理論のロバート・オーマン(Robert Aumann)とトーマス・シェリング(Thomas Schelling)に決定したようです。
トーマス・シェリングは1960年の「Strategy of Conflict」で自分自身のオプションを限定することにより、相手方にとってこちらがどう対応するかという想定がしやすくなり、相互の協調的な行動が達成しやすくなることを示しています。まぁ「なーんだ」と思われるかもしれませんが、それ以前には政治的・軍事的戦略などでも相手側がこちらの取るオプションをどう受け取るかということなど体系的に考えずにアクションを取っていたワケですから、こういう類いの研究が無ければひょっとすると冷戦なんかも恐ろしい結果になっていたかもしれませんね。
ロバート・オーマンは対立と協調に関する多くの問題を定式化した大家で、ベイジアン・ゲームでのCorrelated Equilibriumの定義や、それより少し以前には協調型ゲームの解のコンセプトや、プレーヤー数無限のゲーム、無限に繰り返されるゲームの解の初期的な記述をしています。
ちなみに繰り返しゲームに関しては、当事者間交渉や多国間貿易交渉の有益さを示しているとも言われており、受賞理由の1つでもあるようです。つまり、一回しか顔を合わさないようなゲームでは参加者は最大限に合理的な(すなわち自分の取り分を最大化する)戦略をとりますが、無限に顔を合わせざるを得ない状況では、協調的行動を取るようになるということを定式化したわけです。
ゲーム理論関連では、これまでにも1994年のジョン・ナッシュ、J.C.ハーサニ、R.ゼルテン、1996年のウィリアム・ヴィックリーとジェイムズ・マーリースなどがノーベル賞を受賞していますが、両氏はそれに続く受賞となります。
なお、ロバート・オーマンには有名な教科書「Lectures on Game Theory 」(訳書:「ゲーム論の基礎
」)があります。
