Nestleがフェア・トレード
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FTの記事によると、とうとうネスレが「フェア・トレード」だそうです。
こんなこと書くと間違いなく大きな非難を浴びるのは分かってるんですが(それで、ケーザイ関連の人もほとんど口をつぐんでいますが)、「フェア・トレード」にからむ話や、グローバル企業による途上国における現地従業員の待遇改善などには、(一部の本当に許しがたい例を除いて)少し疑念を持たざるを得ません。
フェア・トレードに関しては、単純に市場価格以上の値段を生産者に支払うということですから、日本での米農家保護のグローバル版と考えれば分かりやすいのではないでしょうか。支払うのが納税者か消費者かという差はありますが。
別に米国の食品メジャーの回し者じゃないんですが、市場価格以上の値がつくと生産量の増加(および需要の減退)を招きますから、フェアトレードが普及していない現在はともかく、フェアトレードが普及すると長期的には不可避的な価格低下を招き、フェアトレード自体が自らの目的を破壊しかねません。
グローバル企業による「搾取」に関しても、私自身途上国の多くの国々で仕事をしたことがあるのですが、確かにそのような国のグローバル企業の工場等での従業員の待遇は米国、欧州、日本等と比較すると「悲惨」に見えますが、彼らの生活水準はその国における他の人と比較すると非常に高いという場合がほとんどです(私の経験した範囲では例外なくそうでした)。ゴミ山で日々の糧をあさっていたり、子供を売り飛ばしたりというのがまったく珍しくない国も結構ありましたが、そういう国でグローバル企業に「搾取」されている人は多くの場合、定期的な現金収入の保証された、しかも仕事のトレーニングを受けられる、現地では非常に恵まれた人々です。
「だからと言って非常に低い賃金でこき使うのは許せない」というのも気持ち的には分かりますが、現実面では間違っています。低い賃金であるから企業が進出し雇用が生まれるのであって、インフラが貧弱で生産性の極めて低いこれらの国では、高い賃金ではそもそも雇用自体成り立ちません。賃金を人為的に上げさせればそれらの国の労働力に対する需要は減退し、「搾取」されていた労働者たちは職場を失い、ゴミ山をあさる人々や子供を売り払う人々の仲間に入らざるを得なくなるでしょう。
ここ数十年をみても、貧困率が劇的に低下し、生活水準が上昇し、インフラストラクチャーが整備された国々は、東南アジア、そして中国など、先進国では非難の的となっているグローバル企業が山のように進出して現地の労働者を「搾取」しまくった国々であることを見る必要があると思うのですが・・・
(現地の法律が甘いことを良いことに、有害物質を垂れ流すとかいう論外な企業はもちろん上の話とは全く別の次元の話ですけどね)

コメント
世界的にもう「搾取」できる場所がなくなってきたということなのかもしれないですね。こういう表現も語弊がありまくりですが…。
それにしても、日本では想像できないほど、欧米では反グローバリゼーションの動きが一般消費者レベルまで広がっているということの反映なのでしょうか。興味深いです。
投稿者: wms | October 10, 2005 11:02 AM
Kraftの"Sustainable Development"コーヒーとかもそうなんですが、新たなマーケティング・ツールにしようという動きもありますね。ネスレは非常にしたたかな会社なので、新たなラベル付きの製品の売り上げ次第で何でもするんじゃないでしょうか・・・
投稿者: くま | October 10, 2005 12:58 PM