2009/7/3 金曜日

米国雇用者数(ついでにGlobal PMI)

このところ、結構なペースで雇用者数の減少ペースが鈍化していたので6月の統計はショックと言う向きも多かったようです。

しかし、過去においても大幅な不況の後の失業率は、不況の「公式」な終了後も10-12カ月は悪化し続けるのが普通ですから、まだ不況まっただ中の現時点で大幅な改善を予想するのは期待の行き過ぎのように思われます。

株価に関しては、その「行き過ぎ」た期待をある程度(相当程度)織り込んでいるわけですが、現在S&P 500は880前後のかなり強い支持線と950前後の抵抗線の間にはさまれています。

ここでどちらにブレークするにしても、夏から秋にはやや大幅な調整があり、来年前半の相場に向けて良い「買い場」になる、という向きが多いようです。

いずれにしても、財政刺激のお金もまだほとんど使われておらず、最も頑健な先行指標である工業生産がある程度上向いてきているので(下図)、底抜け(3月の安値更新)というシナリオの可能性は低いように思われます。

しかし、関係ないですが、カリフォルニアは結局グロースの先見の明ということになるんでしょうねぇ。

下のグラフは米労働省統計局のリリース(PDF)から

下のグラフはJPMorgan Manufacturing PMIのOutput Index(プラスに転換)とInput Price

2009/7/2 木曜日

中国PMI(ついでに米国も)

中国物流・採講聯合会(CFLP)によると、中国の6月のPMIは5月の53.1から53.2に上昇し、これで4カ月連続で50台を上回っています。上海はこれを好感して1.7%上昇し、また年初来の高値を更新しました。中国人民銀行総裁の周小川氏も8%のGDP成長目標を達成、ないしは上回る可能性があると言っているようです。

ところで、中国に関してはお役所の数字もあまり信用できませんが、欧米系(日本もそうかもしれませんが)のエコノミストやアナリストも相当ひどいので困ったものです。発表値がいい加減で、予想値もいい加減では、どーしよーもありません。

中国は超のつく大国で、地域が違うと国が違う以上の差がありますから、上海のおしゃれなバーで、夜な夜な英語のできるボンボンや、小姐と酒飲んで遊んでても中国経済のことはまったく分かりません(「中国」と一括りで呼ぶこと自体に大体無理があるのですが ・・・)。

経済、ビジネスの基本的な知識がきちんとあり、言葉ができて、ある程度各地を見て回って、夜も働く連中(つまり、母国での「ふつーレベル」の連中)がやってくるまでは(ということは当分は無理かもしれませんが)仕方ないかもしれません。

米国では中国語を勉強する人も増えており、「チャイナスクール」の層はかなり厚くなりつつありますから、ひょっとすると今後は少しは変わってくるかもしれませんが。

ところでISMに関しては、米国でも44.8と絶対的なレベルは低いものの、6カ月連続の前月比プラスで、2008年9月の水準をとうとう超えてきました。米国株に関しては夏から秋にかけて調整というのがクロート筋のコンセンサスのようですが・・・

昨日に続きbespoke investmentから

2009/7/1 水曜日

バルチック・ドライ

バルチック・ドライ・インデックス(BDI)は、世界経済のバロメーターの1つですが、経済の崩落でピーク時の10分の1以下に落ち込んだ後、今年に入ってからは一時は6倍程度上昇して、世界経済の回復の期待の1つのシンボルになっていました。

ここにきて、BDIはレンジ内の動きになっており、レンジはかなり狭まってきています。もうすぐどちらかにブレークしそうですが、世界経済の方向性のシグナルとしては少し気になるところです。世界経済の短期的なストールがなければ、「純シクリカル銘柄」の日本市場には中期的にかなりのプラスだと思います。

from bespoke investment

2009/6/29 月曜日

雑談:悲観派競争

この間、ピーター・シフの番組を聞いていたら、「もともと、Dr. Doomと呼ばれていたのはオレなのに、最近のメディアではDr. Doomと言えばルービニ(NY大)のことになっちまった」と言っていて笑ってしまいました。

米国は大体、市場、経済とも上がってる期間が下がってる期間を大幅に圧倒しているため、「弱気派」は相当に難しいショーバイです。フツーは「変わり者」扱いで、悪くすると「変態」扱いされます(マジです)。

しかし、その「変態」扱いに耐えぬくと、このように数10年に1度の大崩壊があった時に、今のルービニ先生のように一躍「時の人」になるチャンスが巡ってきます。

ピーター・シフなどは、昔から色んなとこで名を売っていますから、地味なルービニ先生のことはあまり知らなかったかもしれません。

しかし、ルービニ先生は「GLOBAL MACRO」というウェブサイトをやっておられた大昔から(今みたいにブログなんてなかったですから、サイトをいちいち更新しておられました。数年前に有料サイトになりました)、一貫して「世界経済の不均衡は今に大災厄をもたらす」と言い続けておられましたから、「筋金入りのヘンタイ」と言えます。大学のセンセーではなく、どっかでエコノミストでもやっていたら、おそらくとっくに「クビ」になっていたと思われます。

とゆーわけで、先生、ずっと完全に「サイコ」扱いで無視されてきましたが、昨年からの市場大崩壊で一躍「変態」から「カサンドラ」に昇格し、いまや「Dr Doom」の称号を受けて、いろんなところで大活躍されています。人間、頑張ってると良いことがあるもんです。

個人的には「Dr Doom」というと、マーク・ファーバーという印象があります。シフ社長とかルービニ先生はあまりユーモアがないので、読んだり聞いたりしてるとちょっと気分的にイマイチなんですが、ファーバー博士はユーモアがあるのであまり疲れません。

ファーバーの最近のレターの冒頭は、「もし、コロンブスに諮問委員会があったら、コロンブスはおそらくまだ桟橋にとどまったままだっただろう」というアーサー・ゴールドバーグの有名な文句で始まりますが、それに続けて「私だったら次のように続ける」として、ファーバー曰く

もし、コロンブスが船にバーナンキと、ガイトナーと、サマーズを乗せていたら、サンタマリアはアンダルシア沖に出たところで沈没していただろう。

船が最初の嵐に襲われた際に、バーナンキは中世からの海図を眺めて思案に耽っていただろうし(彼はまだ、フラットパネルTVの値段が下がるのは悪いことだが、郵便代や地下鉄料金、保険料が上がることは良いとかいう考えに取り憑かれている)、ガイトナーは他の船員といかがわしい取引をするのに忙しくしていただろうし、当時ならさしずめサンタ・マリアの設計者だっただろうサマーズは、船が浸水し始めているのに気持ちよく眠りこけていたことだろう。

ファーバーはどっちかというと米国外の比重が高くて、弱気一徹ではないですし、スイス人ですから米国メディアでの「Dr Doom」競争で勝つのは無理かもしれませんが。

2009/6/26 金曜日

郵政:民主党は何をやってるのやら・・・

郵政の社長の解任とか、民営化見直しとか、いつまで回れ右をすれば気が済むんでしょうか。

ほとんど転用もできないような赤字資産を従業員付きで引き取って頂くという話の何が悪かったのか良く分かりませんが(キャッシュフローを生まない「財産」は借金と同じです)、政治家の本分は事業価値の最大化ではなく、国民財産の保全でもなく、単に得票の最大化なので、こういうことも別に驚くべきではないのでしょう。

米国でも、政治家が新たに「手に入れた」GMが早くもオモチャにされていて、拠点の閉鎖が地元政治家の圧力で白紙に戻ったりということが起こっていますが、まだGMの国営は少なくとも暫定的というコンセンサスがあるだけましです。

郵政が企業としてやって行けるのかどうかは分かりませんが、それはどこの企業でも同じです。早く愚かなことに時間と労力を割くことをやめて、さっさと民営化するか、それがいやなら解体して売却する案を出すとか(まぁ、温泉旅館の売却ですらこの騒ぎですから、政治的に実現可能性はゼロだと思いますが)、前向きの案が出せないのでしょうか。国が資源をつぎ込んで下手な経営をすべき事業であるとは到底思えません。

しかし、この体たらくの原因の大部分は首相の無能さにあると思いますが、英国のブラウンもそうですが、やめないんですねぇ。こーゆー人は。後継者もいないし、国民の選挙もナシでの3人目の首相ですから、やめて別の人にというワケにもいかないと思いますが。

「友愛(Compassion)」というのは、とても良いスローガンだと思いますが、向ける対象を間違っています。鳩山さん。

(後記:ところで、これは西川社長が適任だという記事ではありません。個人的には西川氏は社長にあまり「ふさわしくない」のではないかと思っています)